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AI & 機械学習

製造業における外観検査ソリューションの構築で AutoML Vision が活躍

2019年12月13日
Google Cloud Japan Team

※この投稿は米国時間 2019 年 11 月 27 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。

効率性を高めるために AI などの最新テクノロジー導入の新しい方法が必要だという声をお客様から頻繁にいただいています。AI の有効性が特に高いことが証明されている分野の 1 つが、製造業のお客様の外観品質管理プロセスの自動化です。 

製造業のお客様からは、品質管理と検査の効率性を高めて、品質全体の向上につなげるための AI ソリューションが欲しいとの声をいただいています。損傷品の流通防止を難しくしている要因はたくさんあるうえ、製造プロセスでの欠陥の発見が遅くなればなるほど、修正や交換のコストは高くなります。外観検査を利用すれば、製造業のお客様は欠陥を早期に低コストで特定できるようになります。また、外観検査がさまざまな革新的な方法で Google のお客様のプロセス改革を促進していることも確認されています。 

チップ製造の効率性が向上

AI を利用して製造プロセスを変革しているお客様の一例が、トップクラスの半導体製造企業である GlobalFoundries です。同社は、AutoML Vision を利用して、半導体製造では不可欠な要素であるウェハーマップと走査型電子顕微鏡(SEM)でランダムな欠陥を検出できる外観検査ソリューションを構築しました。ウェハーマップには半導体デバイスのパフォーマンスが表示され、電子収束ビームで作成される SEM の画像はウェハーの詳細な検査に利用されています。

GlobalFoundries の AI XR イノベーション部門グローバル責任者である DP Prakash 博士は、次のように述べています。「Google Cloud AutoML Vision のおかげで、当社のエキスパートたちは、AI を操作してトレーニングする方法をすばやく簡単に習得できました。工場が主導で進めた今回の計画により、すでに手動による検査ワークロードの 40% を AutoML ベースの外観検査ソリューションに転換済みです。」 

GlobalFoundries の外観検査ソリューションは、社内のコンテンツ管理システムに AutoML Vision を統合し、機能として SEM 画像の取得、画像と欠陥サンプルの管理、欠陥予測の可視化、製品品質レポートの作成を組み込んでいます。AutoML Vision は、ウェハーと欠陥サンプルの画像を読み取り、カスタマイズされた欠陥検出モデルをトレーニングします。トレーニングされたモデルは、新たに受信する製品画像での欠陥検出に使用されます。 

GlobalFoundries は、評価のために AutoML Vision を使用した際に、初回トレーニングで提供した少量のデータのみに基づいて 80% の画像を正しく分類できたことに感銘を受けました。こうして迅速に高精度を実現できたことで、同社はスムーズに本番環境に移行してそのメリットを活用し、導入規模も拡大させています。 

半導体工場でプロセス上の欠陥を検出して管理するために、GlobalFoundries は数百ものモデルを工場にデプロイしました。AutoML Vision のデータおよびモデル管理機能により、データが継続的かつ効率的に更新され、すべてのモデルの状況を把握できます。 

GlobalFoundries は、パターンをチップに転写するリソグラフィ プロセスでも同様の成功を収めています。従来の方法では、大量生産の環境においては時間と費用の関係上全量検査は現実的でなかったため、通常は製作したウェハーの一部のみに対し体系的な欠陥パターンのチェックを行う、サンプル検査を実施していました。AutoML を利用して開発した新しい外観検査ソリューションでは、検証率がウェハーの 95% にまで上昇。これにより無駄が削減され、品質と顧客満足度が向上しました。

製造プロセスを改革

Siemens も、AutoML Vision を利用して、検査プロセスの管理方法を変革しました。 

Siemens の社内起業家兼データ サイエンティストである Tigran Bagramyan 氏は、次のように述べています。「Siemens は、AI テクノロジーにおける Google の専門知識を活用して、Factory AI サービスを作成しました。これにより、外観検査を自動化して製造を変革できました。AutoML Vision のおかげで迅速にプロトタイプを作成し、工場での量産に移行できています。AutoML Vision を利用すると、複雑な AI の開発ではなく、ユースケースやお客様にもたらす価値に集中できます。」 

また、LG CNS は AutoML Vision Edge を利用して、液晶ディスプレイや光学膜から組立ラインの自動車用ファブリックに至るまであらゆるものの不具合を検出する製造インテリジェンス ソリューションを構築しています。AutoML Vision Edge により、欠陥検出の精度は 6% 上昇し、7 日間かかっていた ML モデルの設計とトレーニングがたった数時間に短縮されました。 

AutoML Vision を利用すると、高品質の欠陥検出モデルのトレーニング、モデルのデプロイ、製造ラインでの推論を行うことができます。Google は、お客様が AI 導入の新しく革新的な方法を見つけられるようサポートしていきたいと考えています。

Google の画像処理プロダクトを利用して外観検査を行う方法やその他のユースケースについて詳しくは、Google Cloud Vision AI をご覧ください。

- by 外観検査 AI 担当プロダクト マネージャー Ying Fei、AutoML Vision 担当プロダクト マネージャー Vishy Tirumalashetty

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