現在、Google Genomics は Cloud Life Sciences に移行しています。このページでは、v2alpha1 バージョンの Google Genomics から v2beta バージョンの Cloud Life Sciences に移行する方法について説明します。
地域密着型サービスとしての Cloud Life Sciences
Google Genomics は、特定の Google Cloud のロケーションでは実行できないグローバル サービスでした。Cloud Life Sciences API は、データに関する地域的なニーズに合わせてローカライズできるサービスです。Cloud Life Sciences API を実行するロケーションを選択すると、実行するオペレーションのメタデータがそのロケーションに保存されます。
Cloud Life Sciences API へのリクエストとロケーションの指定方法については、REST と RPC のパスをご覧ください。
REST と RPC のパス
Cloud Life Sciences API への REST と RPC のパスは、次のように変更されました。
- すべてのパスで
genomics.googleapis.com
ではなくlifesciences.googleapis.com
を使用するようになりました。 - Cloud Life Sciences API を呼び出す場合は、すべてのパスで
us-central1
などの Google Cloud のロケーションを指定することが必要になりました。
例:
v2alpha1 Google Genomics:
GET https://genomics.googleapis.com/v2alpha1/projects/PROJECT_ID/operations/OPERATION_ID
v2beta Cloud Life Sciences API:
GET https://lifesciences.googleapis.com/v2beta/projects/PROJECT_ID/locations/LOCATION/operations/OPERATION_ID
バッチ リクエストは次のようにリージョン エンドポイントに対して行う必要があります。
POST https://LOCATION-lifesciences.googleapis.com/batch
Google Cloud CLI の変更点
Cloud Life Sciences gcloud CLI コマンドでは、gcloud alpha genomics
ではなく gcloud beta lifesciences
を使用するようになりました。例:
v2alpha1 Google Genomics:
gcloud alpha genomics operations describe OPERATION_ID
v2beta Cloud Life Sciences API:
gcloud beta lifesciences operations describe OPERATION_ID
--cpu
フラグと --memory
フラグが削除されました。代わりに、--machine-type
フラグを使用してください。マシンタイプを選択すると、メモリ量と CPU コア数を指定できます。
IAM の変更
Cloud Life Sciences は、Cloud Genomics v2alpha1 によって使用される genomics
名前空間の代わりに、lifesciences
名前空間の次の Identity and Access Management(IAM) 役割と権限を使用します。名前空間の変更に加えて、ロール roles/lifesciences.workflowsRunner
は roles/genomics.pipelinesRunner
に、権限 lifesciences.workflows.run
は genomics.pipelines.run
に置き換えられました。
v2alpha1 Google Genomics:
役割 | 権限 |
---|---|
roles/genomics.admin |
|
roles/genomics.editor |
|
roles/genomics.viewer |
|
パイプラインの役割 | 権限 |
---|---|
roles/genomics.pipelinesRunner |
|
v2beta Cloud Life Sciences API:
役割 | 権限 |
---|---|
roles/lifesciences.admin |
|
roles/lifesciences.editor |
|
roles/lifesciences.viewer |
|
ワークフローの役割 | 権限 |
---|---|
roles/lifesciences.workflowsRunner |
|
リクエストとレスポンスの移行
Google Genomics v2alpha1 リクエストを Cloud Life Sciences API v2beta リクエストに移行するプロセスは、主にフィールド名を置き換え、リクエストとレスポンス内のフィールド構造を変更するものです。
以下の各セクションでは、Cloud Life Sciences API オブジェクトと、Google Genomics v2alpha1 および Cloud Life Sciences API v2beta のオブジェクト間の相違点について説明します。
Action
name
フィールドが containerName
に変更されました。
Google Genomics v2alpha1 | Cloud Life Sciences v2beta |
---|---|
|
|
従来は、flags
フィールドは列挙型で、Flag
オブジェクトの値を指定できました。これらの値は Action
オブジェクトのフィールドになりました。次の例は、ignoreExitStatus
フラグを Action
に設定している場合に、リクエストを移行する方法を示しています。
Google Genomics v2alpha1 | Cloud Life Sciences v2beta |
---|---|
|
|
Event
機械読み取り可能なイベントの詳細は、oneof
の内部に特定のメッセージ タイプとして保存されるようになりました。以前は、protobuf.Any
タイプのメッセージとして保存されていたものです。基本のメッセージ タイプは変更されていません。
次のサンプルは、DelayedEvent
の構成時にリクエストを移行する方法を示しています。
Google Genomics v2alpha1 | Cloud Life Sciences v2beta |
---|---|
|
|
Network
name
フィールドが network
に変更されました。
Google Genomics v2alpha1 | Cloud Life Sciences v2beta |
---|---|
|
|
Resources
Resources
オブジェクトは、projectId
フィールドを取得しなくなりました。代わりに、オペレーションがリクエスト URL から Google Cloud のプロジェクト ID を検出します。
Google Genomics v2alpha1 | Cloud Life Sciences v2beta |
---|---|
|
|
operations.get
と operations.list
のレスポンス
v2alpha1 で、projects.locations.operations.get
メソッドと projects.locations.operations.list
メソッドがオペレーション名に Google Cloud プロジェクト ID を含むレスポンスを返しました。v2beta では、レスポンスのオペレーション名にプロジェクト ID ではなく Google Cloud プロジェクト番号が含まれています。
プロジェクト ID とプロジェクト番号の違いについては、プロジェクトの作成と管理をご覧ください。
Google Genomics v2alpha1 | Cloud Life Sciences v2beta |
---|---|
|
|
Cloud Life Sciences API にリクエストを送信する場合、プロジェクト ID またはプロジェクト番号を使用できます。ただし、レスポンスには常にプロジェクト番号が含まれます。