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サステナビリティ

Google Cloud Ready - Sustainability プログラム: 1 年の歩み

2023年8月17日
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Google Cloud Japan Team

※この投稿は米国時間 2023 年 7 月 28 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。

Google Cloud Ready - Sustainability プログラムが開始して 1 年という節目は、このプログラムとパートナーが及ぼした影響を測定する良い機会です。測定なくして評価はできません。

昨年を振り返ると、このプログラムが適切な時期に登場したことは明らかです。最近 Google Cloud が Harris に委託して実施したアンケートでは、サステナビリティのイニシアチブに対するモチベーションは引き続き高く、回答者の 84% が「過去 12 か月間に、それ以前よりも自分のサステナビリティへの関心が強まった認識している」ことに同意しました。しかし、経済的な逆風によってその進行がわずかに失速し、さらに、組織の優先事項の中で、環境、社会、企業統治(ESG)の取り組みの順位が前年の 1 位から 3 位に下落しました。

今後の 4 つのブログ投稿では、プログラムが新しいイニシアチブや新しいパートナーシップ、さらにビジネスの文脈でのサステナビリティに対する新たな考え方を取り入れてどのように進化してきたか、そして今後のプログラムの方向性について詳しく説明します。

厳格なアプローチの採用

Google Cloud Ready - Sustainability プログラムの指針となる原則は、当初から、パートナーの厳格な選択条件にありました。幸い、このアプローチはパートナーにもお客様にも好意的に受け止められました。これにより、パートナーが提供するソリューションに、ドメインの専門知識と気候科学の裏付けがあることが保証されます。経営幹部の 59% が、自分の組織でサステナビリティの手法について誇張があると認める現状において、このことはさらに重要になりました。グリーンウォッシングを非難されることで評判が傷つく可能性があるからです。  

また、「サステナビリティ」という用語が、あいまいな概念から、明確に定義されたサステナブルなビジネス変革の一要素へと進化し、収益につながる測定可能な利益を明確に示すようになるという変化も見られました。このため、サステナビリティのレポートは財務レポートに並び立つものになりつつあります。規制機関や立法者、NGO、市民団体が明確な第三者によるレポートを組織に要求し始めている一方で、ビジネス リーダーは財務に対する好ましい結果を求めています。信頼でき、正確で検証された測定なしには、あいまいさとグリーンウォッシングのリスクが高まります。Google Cloud Ready - Sustainability プログラムが、進歩を加速する鍵となる技術、アカウンタビリティ、そしてスキルを提供することを Google は確信しています。

Google Cloud Ready - Sustainability プログラムの設立メンバーである CARTO の例を見てみましょう。CARTO は、空間データと分析を用いて、より効率的な配達ルート、より優れた行動マーケティング、戦略的な店舗配置などを実現します。データ サイエンティスト、開発者、アナリストは、CARTO を使用して、空間データ サイエンスを活用してサステナブルなビジネス プロセスを最適化し、将来の結果を予測します。何百ものグローバルな組織が CARTO を使用して影響力のあるサステナビリティ プロジェクトを推進し、生物多様性の理解と保護、建造環境での気候への影響の分析、サステナブルなエネルギーと輸送のインフラストラクチャの展開に対する指針の提供、年間何千トンもの二酸化炭素排出量の削減を実現しています。

測定、最適化、変革

ここ 1 年にわたって発生した変化によって、将来に利益をもたらすことが期待される方法でプログラムが形作られました。

第 1 に、この結果として、量よりも質を優先するパートナー エコシステムが実現しました。当初の設立パートナー 18 社から 30 社に増えたパートナーの中には、サステナビリティの課題に直面する顧客をサポートするために 9 機の光学衛星とレーダー衛星を所有して運用する Airbus Intelligence なども含まれています。Airbus が提供するデータは農家が水と肥料の過剰な使用を最小限に抑えながら作物の収穫量を維持、増加させるために役立っているほか、ケニアでは水、衛生設備、衛生サービスの必要性を判断し、ブラジルでは森林被害の早期警告を作成しています。

第 2 に、元データには価値があるものの、適切に解釈し、データドリブンなアクションを起こさなければ活用できません。たとえば、新たにパートナーになった mCloud の AssetCare® ソリューションは、BigQuery、Vertex AI、Looker などの多数の Google Cloud 技術を活用してエネルギー集約型のアセットのパフォーマンスと信頼性、サステナビリティを最適化します。AssetCare は、エネルギー集約型産業の顧客がアセットデータに基づいて継続的にアクションを起こせるよう支援しています。これにより、世界中の顧客が毎年 1 億 2 千万 kWh 以上のエネルギーを節約しています。その結果 1 年で削減される二酸化炭素排出量は 80,000 トンに及び、これは 1 万 8,000 台のガソリン乗用車を 1 年間運転した場合と同等の量です。Google は、組織が有意義な分析情報を得るためにデータを解釈し、意思決定に活かして、アクションにつなげるために役立つツールを提供し続けることを目指しています。

第 3 に、パートナー組織がどこでどのようにサステナブルなビジネス変革をサポートしているかを認識することが重要です。今後導入する、サステナビリティ パートナーの成熟レベルを示す新しいシステムでは、明確な条件を設定することで、新しい生成 AI モデルなど、共通のお客様のための価値を付加してパッケージを増強できるよう支援します。   

最後に、お客様自身の ESG の取り組みに伴って発生するニーズをこのプログラムが満たすことが Google の目標です。具体的には、パフォーマンスを測定して最適化することから始め、最終的に環境的、経済的な復元力で駆動する組織に変革する、つまり、測定、最適化、変革の取り組みです。

  • 測定して ESG パフォーマンスを管理する

  • バリュー チェーンに沿ってプログラムを最適化し、輸送とロジスティクスの管理を改善してカーボンフリー エネルギーの達成に生かす

  • ネットゼロ組織に変革する

今後のブログ投稿でもご紹介しますが、これらの各ステージは実際のアクティビティや投資の基盤となっています。たとえば、新しくパートナーになった Watershed のエンタープライズ気候プラットフォームは、Spotify、Carlyle、Block、SKIMS などの会社のエンドツーエンドの気候プラットフォームで活用されています。Watershed は、オールインワンのエンタープライズグレードのソフトウェア プラットフォームで、きめ細かい監査対応の排出量データ、ワンクリックでの開示とレポート、ターゲット設定と脱炭素化のツール、最先端の炭素除去のすべてを提供します。スペインの年間排出量を超える 2 億 9 千 100 万 tCO2e 以上を管理することで、Watershed は大手企業が規制要件に対応し、新しい事業の機会を開拓して、気候に関連するリスクに対応することを支援してきました。

来年以降の展望

Google は、Google Cloud Ready - Sustainability プログラムのパートナーとともに目覚ましい成果を達成できたと自負していますが、これはまだ始まりにすぎません。

Google Cloud Ready - Sustainability は Google Cloud Partner Advantage の一環であり、ビジネスモデル、顧客要件、成功指標、戦略的優先事項のすべてにおいてパートナーの成功を最大化するよう設計されています。今後の重点事項は、ESG と経済の両面で測定可能な結果を達成するために組織が必要とする実用的で現実的なソリューションを提供することです。

Google Cloud Ready - Sustainability の検証済みソリューションは、Google Cloud パートナー ディレクトリのリストと Google Cloud Ready Sustainability Partner Advantage ページでご覧ください。該当する場合は Google Cloud Marketplace でもご確認いただけます。これらの技術が ESG 目標の達成にどのように役立つかをお客様がよりよく理解し、自社の特定の課題に適したソリューションを見つけ、ソリューションを迅速に導入できるよう、Google は今後も尽力していきます。

Google Cloud Ready - Sustainability 検証イニシアチブの詳細と、サステナビリティの変革を目指して Google と提携している全パートナーの一覧については、こちらをご覧ください。


- Google Cloud、ISV パートナーシップ担当グローバル リード、サステナビリティ担当 Denise Pearl
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