マネージド コンテナ サービスを活用することでスタートアップやテック企業がよりスマートに開発できる理由
Google Cloud Japan Team
※この投稿は米国時間 2022 年 6 月 15 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。
Kubernetes クラスタのインストールと管理方法を学ぶことは、組織とコンテナ オーケストレーション プラットフォームの潜在的なマジックの大きな障害になる可能性があります。マシンのプロビジョニング、OS やランタイムの選択、ネットワークやセキュリティの設定などのタスクを考慮する必要があります。さらに、すべてを正しくインテグレーションし、新しいアップデートをデプロイするために十分に理解するには、数か月、数年かかることもあります。
コンテナを採用する場合、ご自身のスタートアップやテック企業には、プラットフォームを保守し、アップグレードし、セキュリティを確保するためのスキル、リソース、時間があるかどうかを必ず確認するべきです。
それらが不足している場合は、代わりにフルマネージド Kubernetes Service を利用できます。AWS であれば EKS、Azure であれば AKS になります。Google Cloud を利用している場合は、Google Kubernetes Engine(GKE)を意味します。
この投稿では、Google Cloud を選択するスタートアップやテック企業との取り組みに基づく、マネージド コンテナ プラットフォームの利点について検証します。これらは、Google が最近発行したホワイトペーパー「コンテナ化がカギとなるこれからのインフラストラクチャ」でも取り上げられています。
マネージド サービスを導入する利点
フルマネージド サービスを利用することは、ビジネスを効率的に進めるうえで、多くのプラスの効果をもたらします。
まず、フルマネージド コンテナ サービスにより、Kubernetes プラットフォームの運用オーバーヘッドの大部分を削減できます。たとえば、GKE は Tau VMs の VM プロビジョニングから、複数ゾーンにわたる自動スケーリング、GPU、機械学習用 TPU、ストレージ ボリューム、セキュリティ認証のオンデマンド アップグレードまで、完全に統合された IaaS を提供しています。アプリケーションをコンテナに入れるだけで、ニーズに合わせて最適なシステムを選択できます。
クラスタのプロビジョニング、スケーリング、アップグレードの責任を負いたくない場合は、クラスタ インフラストラクチャ、コントロール プレーン、ノードを管理する、本番環境対応の GKE Autopilot モードを選択できます。
コンテナのオーケストレーションや運用を完全に制御する必要がない場合は、Cloud Run のようなマネージド サーバーレス コンピューティング プラットフォームを活用することで、アプリ配信を簡素化できます。GKE はフルマネージド サービスですが、どのゾーンで実行するか、ログをどこに保存するか、異なるバージョンのアプリケーション間のトラフィックをどのように管理するかなど、重要な点を決定する必要があります。Cloud Run は、これらの判断をすべて排除し、Kubernetes クラスタを構成または管理することなく、クラウド ネイティブ ワークロードを実行し、入ってくるリクエストに基づいてスケーリングできます。また、Cloud Run を使用することで、チームはより重要な仕事に集中できます。たとえば、開発者はコードを書くことに集中でき、DevOps エンジニアやクラウド システム管理者は、自動化や運用タスクに多くの時間を割くのではなく、アプリケーションのパフォーマンス、セキュリティ、コンプライアンス、API インテグレーションに集中できます。
マネージド サービスは、コンテナの管理を容易にするだけでなく、ますます高まる複数のクラウドで運用する必要性など、近代のデジタル社会での運用を支援します。個々のワークロードに最適なプロバイダを組み合わせて利用できることは、既存の資産を最大限に活用し、柔軟性と耐障害性を向上させ、将来的に新しいテクノロジーや機能を活用するうえで重要なポイントになります。
そして、マルチクラウド戦略を実行する場合、最もうまくいく移行は、オープン スタンダードを活用した移行です。
たとえば、AWS が VM のためのクラウド プロバイダであるとします。GKE Connect を利用すれば、利用している Kubernetes クラスタがどこにあっても、管理と保守が可能です。また、GKE はプロバイダに依存しない API を備えているため、一度構築したツールやワークフローを複数のクラウドにデプロイし、単一の中央プラットフォームから更新を行うことができます。
Kubernetes を使用すれば、スタートアップやテック企業は、個々のクラウド プロバイダごとに個別のインフラストラクチャを構築して維持する必要がなく、デプロイと自動化に多くの時間を費やすことができます。
開かれた未来に向けて常に構築する
コンテナとオープン スタンダードに基づくマネージド サービスは、あらゆるプラットフォームでベスト オブ ブリード型の機能を活用しながら、スキルとプロセスの標準化を可能にする強力な組み合わせです。
スタートアップやテック企業のリーダーとして、より速く、より効率的に仕事を進め、持っている技術人材を最大限に活用する方法を常に模索しているのではないでしょうか。また、ロードマップの優先事項に費やす時間を増やし、インフラストラクチャは最小限のリソースで維持することを希望しておられることでしょう。オープン プラットフォームとテクノロジーを選択すれば、優れたプロダクトを構築するための新しい方法をもたらす最先端のイノベーションを、お客様のチームとビジネスに確実に提供できます。さらに、開発者やエンジニアは、独自のシステムではなく、互換性のあるシステムやプロジェクトに携わり、キャリア開発を充実させたいと考えています。
コンテナと Kubernetes がどのように市場投入を迅速化するかについては、このホワイトペーパーに関する前回の記事を読むことを強くおすすめします。また、マネージド コンテナがクラウドでのアプリ開発の効率化にどのように役立つかを知るには、ホワイトペーパー全体をお読みください。スタートアップやテック企業が Google Cloud をどのように活用しているかについては、この投稿をご確認ください。または、スタートアップやテック企業向けの Google Cloud ページをご覧ください。
- サーバーレス スケール スペシャリスト北米担当責任者 Fer De Oliveira