ミズーリ大学、Google Cloud でデータ分析を拡張
Google Cloud Japan Team
※この投稿は米国時間 2021 年 4 月 2 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。
編集者注: 今回の投稿では、ミズーリ大学が Google Cloud を使用して学生のデータ分析を拡張した方法をご紹介します。学生の成功をテクノロジーがどのように支援しているかについて詳しくは、4 月 20 日に開催されるデジタル イベント、Student Success with Google Cloud(Google Cloud による学生の成功)でご確認いただけます。また、Google Cloud Marketplace で Unizin Data Platform の利用を今すぐ始めることもできます。
ミズーリ州最大の大学であるミズーリ大学システム(UM)の特色ある 4 つの大学には、68,000 人の学生が在籍しています。2018 年の大学の理事会において、UM システムの 4 つの大学それぞれに対して新しい戦略計画が承認されました。これには、オンライン教育の支援に向けた 5 年間にわたる 2,000 万ドルの投資も含まれていました。このタイミングは奇しくも COVID-19(新型コロナウイルス感染症)の課題とも重なり、2020 年 3 月のパンデミック発生時には、在宅勤務や自宅学習が開始されるのに合わせてオンライン サービスを拡大する体制が整っていました。しかし、多数のステークホルダーやコミュニティ間でデータとサービスを統合することは困難だったため、私たちは、学生のデータ分析の利用と分析情報を向上させる方法を模索し始めました。
幸い、私たちは有利にスタートを切ることができました。これは、高等教育機関向けに学習分析、データ統合、デジタル コンテンツを専門に扱う 14 の主要機関で構成される非営利団体 Unizin と UM の緊密な連携によるものです。Unizin は Google Cloud 上にデータ ウェアハウスを構築し、キャンパス全体の学習管理システム(LMS)データと、Unizin Data Platform(UDP)と呼ばれる共通のデータ プロトコルを収集して、共有とコラボレーションを促進しています。チームは UDP を使用することで、Canvas 内のサイロ化された LMS データと外部学習ツールとのギャップを埋め、大学内のデータセット全体にわたって機能させることができました。Unizin を使用してデータ ウェアハウスを作成した後、Google Cloud と BigQuery を使用して、個別のデータセットの分析と学生のデータ分析の向上を行い、データ提供時間の短縮とレポート機能の改善を実現しました。学習分析担当ディレクターを務める David H. Reid は、次のように指摘しています。「大学内のデータセットを BigQuery に取り込んで、UDP でそのデータを LMS や SIS の他の重要な情報と組み合わせることもできます。」
クラウド コンピューティングによるスケーリング
自分たちでツールを構築することも考えましたが、Google Cloud の方が費用対効果に優れていると予想しました。データのセットアップやメンテナンスの費用を軽減できれば分析への投資を増やせて、ひいては、学生や教員にデータを提供する能力を向上させることができます。また、Google Cloud のエンドツーエンドのスタックにも驚かされました。同僚の David Reid は次のように述べています。「クラウドはデータをオンプレミスでやり取りする必要がなく、スケーラブルで 1 日に何度でもデータ転送ができます。」私たちは、教員がオンライン授業のために必要な認定資格の取得状況の評価といった、いくつかの概念実証のテストを迅速に展開しました。認定資格要件と取得した単位を比較することで、全教員の最新の状況を表示するダッシュボードを簡単に作成することができました。
データを保護し学生を支援
Google Cloud は、FEDRAMP から EU の一般データ保護規則(GDPR)まで、エコシステム全体におけるプライバシーとセキュリティの要件を遵守しています。そのため、私たちのデータセンターはすべてコンプライアンス要件に対応し、十分な暗号化を施せています。クラウドで自動保護することはできませんが、Google が適切なツールを提供してくれます。
当大学の e ラーニング チームは、このようなデジタル トランスフォーメーション プロジェクトの最終的な目標は、UM の中核的なミッションである教育、学習、研究を推進することであると認識しています。同僚の David Reid の「種類の異なるデータソースを統合することで、学生と教員の両方の学習分析からより多くの分析情報が得られる」という意見に私も賛成です。そう遠くない未来に、学生や教員が自身のデータにアクセスして分析できるようになるでしょう。当面の成果として、UM システムが一体となり、学生や教員に付加価値のあるサービスを提供できるようになりましたが、私たちの長期的な目標は、学生が自らデータを利用してより優れた結果を得られるようにすることです。
-Missouri Online 最高オンライン学習および技術責任者 Matthew Gunkel