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Public Sector

ユタ州が Google Cloud を使って住民への福祉サービス提供を改革

2020年12月10日
Google Cloud Japan Team

※この投稿は米国時間 2020 年 12 月 4 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。

米国ユタ州ではここ数年、約 10 人に 1 人が州政府から社会福祉の手当やサービスを受けています。その結果、同州の予算全体のうち、社会福祉サービスにかける予算は最も大きい割合を占めるようになっていて、今年は 80 億ドルを上回っています。こうした予算は、健康保険、メンタル ヘルス サービス、経済的支援、児童保護、キャリア カウンセリングなど、幅広い目的に振り分けられます。州政府当局の務めは、住民の皆様に納めていただいた税金から、できるだけ多くの価値を生み出すことです。私たちにとってこれは、単にコストの問題ではありません。州の住民一人ひとりの生活を向上させるという使命感を持って取り組んでいます。

ユタ州に限った話ではありませんが、今回のパンデミックによって、社会福祉サービスの迅速な対応がいかに重要であるかということが改めて浮き彫りになりました。タイムリーにサービスを提供すれば、住民の皆様のニーズによりよく対処し、自立を支えることができます。このパンデミックを通じて特に気を配ったのは、各種サービス プログラムの結果を最適化するという点です。特に、ケアチーム間で密接に連携できるよう取り計らうことで、住民の皆様に過不足ないサポートをタイムリーに提供できるよう努めています。

課題: 透明性、連携、成果を向上させる

ユタ州に限らずあらゆる州政府にとって、複数の福祉サービス プログラムを連携するというのは、長年の課題です。個人が複数のプログラムを利用しているケースはよくありますが、これらのプログラムは別々に管理されています。1 人の住民に複数のケースワーカーやプランが割り当てられている場合、これらを適切に連携しなければ、支援の手が集中しすぎて裏目に出ることにもなりかねません。

ここ数年、ユタ州管理予算事務局と行政の社会福祉サービス部門は共同してサービス プログラムの運営改善に取り組み、フロントラインのサポートを強化しました。その結果、以前に比べてはるかに高い成果を住民にもたらせるようになっています。それでも、大勢の住民にとって十分ではありません。住民とケース マネージャーから求められているのは、プログラム間の連携を改善することです。そのため、以下の点に注力しています。

  • ケース マネージャーが一人ひとりの市民のニーズによりよく対処できるようにする

  • 適切なサービスをタイムリーに提供する

  • ケース マネージャーが、特に重要度の高い行動に集中できるようにする(「今日は誰をどう助ければよいのか」)

  • 各種プログラムの進捗を総合的な視点から見えるようにし、連携と成果を改善するとともに、リソースを効率良く利用できるようにする

現場のワーカーに、的確な情報をタイムリーに提供する

1 人の住民に複数のケースワーカーが関わっている場合、ケースワーカー同士でデータや情報を共有することが、有意義な話し合いに欠かせません。そのため、昨年、複数の社会サービス プログラム間でデータを安全に共有しようという方針が定められました。これによって、異なるプログラムの担当者間で、同じ住民の現在の状況を情報交換できるようになります。住民の個人情報は適切に保護する必要があるので、データ セキュリティとプライバシーは常に最優先事項として取り組んでいます。

共同でソリューションを開発

ユタ州では、サービス プログラム間の連携とサービス改善に役立つ重要なインサイトを得ることを目的として、SpringML の協力を得て、Google Cloud を使ったソリューションを設計、開発、実装しました。

なお、先日開催した Google Cloud Public Sector Summit にて、SpringML のテクニカル プログラム マネージャーである Eric Clark 氏と共同セッションを実施しました。Transforming Benefits Delivery with a Unified, Cross-Program View(クロス プログラムの総合的視点から社会福祉サービスの提供を改革する)と題して、ソリューション開発の経緯や成功談、学んだ教訓をご紹介しています。セッションはオンデマンドで視聴することも可能ですのでぜひご覧ください。

-ユタ州管理予算事務局、最高データ責任者、Rachel Stone

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