コンテンツに移動
Public Sector

Google Public Sector とカリフォルニア大学リバーサイド校、先駆的な契約による新たな研究用アクセスモデルを発表

2023年3月30日
https://storage.googleapis.com/gweb-cloudblog-publish/images/007-GBH-ResearchSection_1_2WAPezY.max-2600x2600_YHLtpXd.png
Google Cloud Japan Team

※この投稿は米国時間 2023 年 3 月 21 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。

3 月 9 日に発表された Google とカリフォルニア大学リバーサイド校(UCR)のコラボレーションは、同校のエンタープライズ インフラストラクチャをモダナイズし、最先端の研究プログラムを支援することを目的としています。この大がかりな 3 年間の契約により、UCR は Google Cloud の最新のクラウド コンピューティング リソースに定額のサブスクリプション料金でアクセスできることになっています。

これは、高等教育機関での研究におけるパラダイム シフトとなる可能性があると私は考えています。Google Cloud と UCR は、クラウド コンピューティング アクセスを従量課金モデルからサブスクリプション モデルへ移行することで、研究およびエンタープライズ インフラストラクチャを支援する新たな方法を切り開いていきます。

UCR は、同校で学び、教え、働き、研究に取り組む人々に対し機会を提供し、イノベーションを促進するために、安全性、アジリティ、スケーラビリティを備えたエンタープライズ インフラストラクチャと研究用コンピューティング サービスへの大規模な戦略的投資を行っています。

Information Technology Solutions(ITS)、副学長補佐兼 CIO、Matthew Gunkel 氏

新たな研究支援方法を開拓

スーパーコンピュータ クラスタを利用するためにかかる費用と待ち時間の長さは、あまりにも頻繁に全米各地の研究者の足かせとなっています。このたびの契約により、UCR の研究者は、Google Cloud との契約に含まれる費用のみで、必要なときにいつでも数千のプロセッサでワークロードを実行できるようになりました。研究者が費用を予測して抑え、スケーラブルなリソースに容易にアクセスし、同僚とシームレスに共同作業できるようになれば、差し迫った科学的課題の解決策を考えることに集中できます。これは、すべての関係者にとってメリットとなります。

UCR の材料工学教授である Bryan Wong 博士のような研究に携わる教授陣にとって、これは朗報です。Wong 博士は、日々の研究のためにハイ パフォーマンス コンピューティングへの容易なアクセスを必要としていました。太陽電池やその他の電子装置の製造に使用される材料の挙動や反応の試験を行うには、数百の CPU(Computer Processing Unit)で量子シミュレーションを同時に実行する必要があります。

米国の他の研究者と同様に、博士はスーパーコンピュータ クラスタのコンピュータ リソースをリクエストするために 10~15 ページの提案書を数時間かけて書き上げ、承認まで 3 か月ほど待たねばなりません。リクエストしたとおりの利用時間を確保できないこともあり、割り当てられるリソースは常に高価でした。「ITS の新たな研究用コンピューティング サービスは、以前に比べてかなり利用が簡単になり、また遅れがなくなりました」と Wong 博士は語ります。

Gunkel 氏は次のように述べています。「この新しいサービス体制では、管理上の障壁を解消し、インフラストラクチャとサービスへの迅速なアクセスを可能にすることで、教員と学生が研究に集中できるようにすることを目指しています。目標は、研究成果の拡大と助成金の獲得を促すことです。これにより、UCR に優秀な人材が集まるようになるでしょう。」

このたびのサブスクリプション契約は、UCR との幅広い IT モダナイゼーションへの取り組みの一環です。UCR は、カリフォルニア州南部の経済における重要な原動力であり、米国内の科学研究をリードする存在です。26,000 人の学生と 1,100 人の教員の中には、ノーベル賞受賞者が 2 名、全米科学アカデミーおよび全米医学アカデミーの会員が 15 名います。  

「新しい戦略的計画の一環として、ITS は、研究成果の拡大とそれによる調達資金の増加、世界的な認知度の向上、そして当大学への著名な学術研究者の誘致につながるテクノロジーとサービスへの投資を行っています。」と Gunkel 氏は語ります。

コンピューティングとストレージの容量が 2~3 倍に増加

Gunkel 氏は、このたびのクラウドへの移行により、ITS はスケーリング可能なインフラストラクチャ、ビジネス インテリジェンス、研究用コンピューティングを安全な環境でさらに適切に提供できるようになると見ています。柔軟性が高い定額料金のサブスクリプション モデルなら、事業および研究の需要に迅速に対応してスケールしながら、サーバーメンテナンス、アクセス、障害復旧に伴う費用と煩わしい作業を軽減できます。「利用可能なコンピューティング容量とストレージ容量が全体として 2~3 倍増加します」と Gunkel 氏は言います。場所に依存しない戦略により、ITS はコンピューティングとストレージのインフラストラクチャを任意のデータ ウェアハウス(オンプレミスまたはコロケーション)にシームレスに移行してデプロイできます。Gunkel 氏によると、ITS は最初のパイロット イニシアチブで UCR University Extension センターの全データを Google Cloud に移行する作業を支援し、2 週間半でこの作業を完了しました。

高等教育の変革を段階的に進める

Google の高等教育機関向けのシステムは、研究を促進するためにクラウド コンピューティングを活用する機会を独自の方法で提供します。高度なコンピューティング リソースにアクセスできるため、研究者はペタバイト規模のデータセットをわずか数分で解析し、複雑なシミュレーションやモデリングを実行して、新たなテクノロジーをより迅速かつ効率的に開発することができます。これにより、科学研究と工学研究の力を発揮して複雑な問題の解決にあたることが可能になり、アメリカの技術革新が推進されます。

現在の研究で得られた発見は、宇宙の謎の解明、コミュニティの健康増進、テクノロジーの開発といった分野の今後の大きな発展へとつながります。これから UCR で実現する研究の成果を楽しみにしています。

Google Cloud による研究のイノベーション促進の詳細については、The University of California, Riverside Enters Into First-of-its-kind Subscription-based Service with Google Cloud to Transform Research and IT(カリフォルニア大学リバーサイド校、Google Cloud との初のサブスクリプションベースのサービス契約で研究と IT を変革)をご覧ください。


- Google Public Sector、CEO Karen Dahut
投稿先