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Uplight、Databricks と Google Cloud を使用してエネルギー分析ソリューションを効率的に提供

2023年5月25日
Google Cloud Japan Team

※この投稿は米国時間 2023 年 5 月 19 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。

「大いなる力には大いなる…」という格言があります。通常は「大いなる責任が伴う」と続きますが、今回は「大量のデータが伴う」という話です。そして、そのデータが温室効果ガス排出量の削減につながるとしたらどうでしょうか。

Uplight はまさにそれを担うことをミッションに掲げています。Uplight は、元データとその分析情報を使用して顧客の行動を動機付けることで、エネルギー プロバイダがよりサステナブルな未来を創出できるようサポートしています。顧客の行動とは、一貫した行動の変化から、エネルギー効率の高いデバイスの購入、電力網支援プログラムへの登録まで多岐にわたります。「私たちは、エネルギー関連の行動についてエネルギー利用者に十分な情報に基づいた選択をしてもらえるようにしていくとともに、そうした行動が電力網に関するプラスの成果と一致するようにも努めています」と Uplight のデータ サイエンス ディレクターである Micaela Christopher 氏は述べています。

そして、スマート サーモスタット、使用量メーターから電気自動車(EV)用充電器、ソーラーアレイに至るまで、6 千万以上のエンドポイントを備える Uplight には、当然ながら処理すべきデータが大量にあります。

実用的な分析の活用

Uplight が成長するに従い、取り込んで処理するデータの量も増えており、「当社の従来の Spark 管理システムとサイロ化されたアプリケーションでは、当社サービスに対する需要の増加に対応するのが難しくなりました」と Christopher 氏は言います。「私たちは、日々インポートするギガバイト単位の元データから意味のある情報を抽出できる、より速く、よりスマートな方法を必要としていました。また、エネルギー プロバイダとその顧客向けに、エネルギーに関する新しい高付加価値の分析情報を迅速に導入したいと考えていました。」

データから最大限の分析情報を引き出すために、Uplight は Google Cloud と Databricks と連携することを選択しました。Google Cloud Marketplace を通じて調達した Google Cloud 上の Databricks を使用して、Uplight は電力会社のシステム、社会人口学的な情報源、OEM パートナー、気象観測所などからデータを取り込んで分析しています。今では、実用的な分析を効率的に活用し、新しいサービスを開発して、自社のソリューションを継続的に強化できるようになりました。これにより、誰もがエネルギー使用量を調節して費用を削減し、環境への影響を軽減できるようにしています。

「私たちは Databricks 上で毎月 30,000 の Spark ジョブを実行して、データの取り込み、準備、分析を行っています」と Uplight のシニア データ エンジニアである Daniel Coll 氏は述べています。「BigQueryBigTablePub/SubGoogle Kubernetes Engine(GKE)を使用してデータ プラットフォームの最高のパフォーマンスを実現し、Databricks MLVertex AI を使用することで、新しいサービスの開発時間を半分に短縮し、新しい予測 ML モデルの展開を加速しました。」

計画停電の防止

Databricks MLFlow で開発され、Vertex AI でデプロイされた Uplight の予測 ML モデルは、エネルギー消費パターンを解析して、電力会社の顧客や従業員を対象とした実用的な分析情報を引き出しています。たとえば、こうした情報により、電力会社は、エネルギーを節約し電力網の過負荷を防ぐうえで推奨される特定の行動(デマンド レスポンス プログラムへの登録など)を顧客に事前に通知することができます。

Uplight の高度な AI モデルと顧客プログラムは、2022 年の危険な熱波のさなか、カリフォルニアの電力会社の計画停電を回避することに貢献しました。気温が 46℃を超えるなか、家庭や職場を冷却するための電力需要は前例のない 52,000 MW 近くまで達しました。デマンド レスポンス(需要の抑制)が呼びかけられ、このピーク負荷を管理できるようにスマート サーモスタットが自動的に調整されました。こうした小さな変化の累積的な影響により、複数の電力会社と数万世帯にわたる大規模な電力網のエネルギーが 1,200 MW 以上削減されました。

Uplight のデマンド レスポンス プログラムと時間帯別料金プログラムは、スマート サーモスタット、給湯器、EV 充電器、さらには EV 自体も対象で、同社は家庭用バッテリー パックやそれ以外にも拡大する計画を立てています。Brattle Group によると、最適化された需要サイドの管理は 200 GW の負荷柔軟性にプラスの影響を与える可能性があり、これは米国の総電力網需要の約 20% に相当します。

「私たちは、スマートで、接続され、インタラクティブで脱炭素化されているグリッドエッジというビジョンを実現するために、エネルギープロバイダとの協力を継続してまいります」と Christopher 氏は述べています。

より環境に優しく、よりサステナブルな未来の創出

Uplight は、Google Cloud 上の Databricks を使用して、プラットフォームに新しいアプリケーションとシステムを継続的に追加しています。通常、ほとんどのインテグレーションは数時間で完了しますが、Uplight のデータ エンジニアリング チームは Databricks と緊密に連携して、非常に複雑な実装であっても迅速に完了させています。

「Databricks とフルスタックの Google Cloud ソリューションのシームレスなインテグレーションと堅牢なセキュリティが、当社の成功に大きく貢献しました」と Coll 氏は付け加えます。「データプレーンとクラスタは Google Cloud アカウント内で実行されるため、BigQuery で ID 権限を簡単に管理し、クラスタを迅速に構成することで、保護されたネットワーク リソースに安全にアクセスできるようになります。これはネットワークとセキュリティに関する大きな利点です。」

Google Cloud 上の Databricks により、Uplight は新しいユースケースへの対応として高い費用効率でスケールすることや、電力会社とその顧客が消費エネルギーと費用を大幅に削減できる追加サービスを開始することができます。Christopher 氏が強調するように、エネルギー プロバイダは、消費者がそれぞれのエネルギー使用量を簡単に把握できるようにするとともに、使用量をより適切に節約し最適化できる方法を訴えていく必要があります。

「Uplight は、温室効果ガス排出量を最小限に抑える実用的なエネルギー分析とプログラムにより、サステナブルな変化を推進していきます」と Christopher 氏は結びます。「私たちは、より環境に優しい未来を作るために自分はやるべきことをやっていると人々が言えるよう、教育、つながりの構築、支援をしていきます。」

Google Cloud がよりサステナブルな未来の創出にどのように貢献しているかについて詳しくは、Google Cloud ブログでグリーン イニシアチブと研究に関する最近の記事をご覧ください。


- Google Cloud、グローバル サステナビリティ担当マネージング ディレクター Justin Keeble
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