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ある e コマース プラットフォームがデータ不信を一転させた方法

2022年11月29日
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Google Cloud Japan Team

※この投稿は米国時間 2022 年 11 月 18 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。

PrestaShop は 2007 年以来、各企業がオープンソース プラットフォームを通じて e コマースの力を引き出すためのサポートをしてきました。世界中の 30 万を超える販売店が PrestaShop プラットフォームを利用してビジネスを成長させ、オンラインの買い物客にサービスを提供しています。

PrestaShop のデータ アーキテクトである Rémi Paulin 博士は、次のように述べています。「当社を際立たせているのは e コマースを実現するオープンソース戦略です。カスタマイズは販売店にとってますます重要になってきており、当社のオープンソース プラットフォームを利用する各企業は自社のサイトやサービスを継続的に進化させ、競合他社よりも優位に立つことができています。」

PrestaShop は成長に伴い、データからより多くの価値を引き出したいと考えていましたが、データの整合性とアクセス性に悪影響を与える、サイロ化された従来型のアーキテクチャが引き起こす問題に直面していました。

PrestaShop が Google Cloud とそのパートナーである Fivetran および Hightouch と連携して、データをより詳細に制御し、BI を超えたデータ戦略を実現するとともに、従業員のエンゲージメントを 10% 未満から 40% 以上に高めた方法を見てみましょう。

データの信頼性を高める

PrestaShop のコアシステム(SQL および NoSQL データベース、SaaS アプリケーションなど)はサイロ化していました。それぞれが独自のデータを提示し、多くの場合それは、サポート チケット、マーケティング エンゲージメント、購買活動、プロダクトの使用などのさまざまなソースから取得されていました。こうした建付けでは、信頼できるソースが単一のシステムに納められていないため、データ全体に整合性がなくなり、多くの非効率、チーム間の連携不足、主要な意思決定におけるデータの活用への抵抗が生じていました。

Paulin 博士は次のように述べています。「つい最近まで、普段からデータを活用している従業員が 10% にも満たなかったため、よりデータドリブンな意思決定を行う機会を逃していました。データは十分に活用されておらず、従業員はデータに対する信頼を急速に失っていました。」

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最近まで、未整理のデータフローによりデータの品質と整合性が損なわれ、データへのアクセス性が低下していました。

PrestaShop は、データの整合性の欠如などの過去の課題に対処し、データのアクセス性を向上させるために、新しいアーキテクチャの設計に着手しました。

「Google Cloud、ならびに Hightouch と Fivetran を活用したことで、こうした課題を解決し、BI を超えたデータ戦略をサポートする最新のスタックを構築することができました。」

最新のデータスタックの構築

最初のステップは、堅牢なデータ取り込みパイプラインを構築することでした。いくつかのベンダーを検討した結果、PrestaShop は Fivetran と協力して、Zendesk、HubSpot、GitHub などの SaaS アプリケーションからデータを抽出し、BigQuery に読み込むことを選択しました。また、Datastream を利用して、変更データ キャプチャ(CDC)データをトランザクション データベースから BigQuery にリアルタイムでストリーミングしています。

Paulin 博士は次のように述べています。「Fivetran と Datastream は NoOps であり、効率的で信頼性が高く、データ エンジニアの管理タスクを軽減してくれます。これにより、こうしたサービス上に残りのスタックを構築するうえで、高い信頼性がもたらされました。」

PrestaShop はデータ変換について、Dataflow や、Ascend.io によるマネージド Spark サービスなど、いくつかの Google Cloud ソリューションに頼っています。また、セマンティック モデリング機能を利用するために、Looker をセルフサービス データ プラットフォームとして利用しています。

データの管理方法とデータから利益を引き出す方法を変革する同社のプロセスを推進するなかで、Hightouch を利用したことで、アクティベーションによるデータ アクセシビリティを可能にしました。Looker を基盤とする Hightouch は、すべてのデータモデルを活用し、オペレーション インテリジェンスを実現します。たとえば、チームはわずか数日で、複数のソースのデータを組み合わせた顧客ナレッジ モデルを構築し、Hightouch を使用して、リバース ETL 経由でセマンティック レイヤーから Zendesk にデータを同期しました。これにより、ケアチームはデータに基づいた意思決定をより多く行うことができ、Zendesk を通じて送信されたサポート チケットに対応する時間が 33% 短縮されました。

Paulin 博士は次のように述べています。「Hightouch は Looker の自然な拡張のように感じられ、信頼できる唯一の情報源としてのセマンティック データモデルのポジションを強化します。Hightouch はデータ アクティベーションのさまざまなユースケースを強化し、日常業務の改善に必要なときに必要な場所でチームがデータにアクセスできるようにすることで、BI を超えた戦略をサポートしています。これは当社に大きなインパクトを残し、利用可能なデータに対する社員の信頼を高めています。」

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データフローを使いこなし、信頼できる単一のソースを構築しています。

データドリブンになる

PrestaShop は 6 か月たらずでデータスタック全体を稼働させ、30 を超えるデータモデルを構築するとともに、わずか 2 人のデータ エンジニアからなる小規模なチームと 120 人を超える従業員のエンゲージメントを確保しました。

「技術的な能力に関係なく、社内のすべての関係者がデータにアクセスできるようになりました」と Paulin 博士は述べています。

PrestaShop は、よりデータドリブンな企業への移行においてすでに大きな進歩を遂げており、将来的により多くのセルフサービス インテリジェンス機能を展開する予定です。

Paulin 博士は次のように述べています。「Google Cloud には、データスタックに関するシンプルさの文化が定着しています。特に当社のエンジニアリング チームの規模が小さいことを考えると、これは私たちにとって不可欠なものです。Fivetran と Hightouch は、このシンプルさの文化を共有しています。各社が連携して、データに関するニーズをサポートするための強固な基盤を提供してくれています。」

同社が常に求めていたダッシュボードは、今ではシームレスに作成されています。Looker に移行する前は、本格的なダッシュボードの開発に平均 6 週間かかっていました。今では 2 日もかからず、ビジネス ユーザーはわずか 15 分でシンプルなダッシュボードを自律的に作成できます。

さらに、データの使用はダッシュボードに留まりません。Looker のセルフサービス データ探索機能のおかげで、多くの関係者がプロダクトの問題やビジネス チャンスに関する分析情報を収集できるようになりました。Hightouch のおかげで、チームはデータを有効活用して、より適切でスマートな運用上の意思決定を下すことができます。

Paulin 博士は次のように述べています。「これは大きな前進ですが、今後取り組むことになる多くのステップの一つにすぎません。これからも新しいモデルを追加し、データを有効活用し、より多くのユーザーをオンボーディングしていきます。当社のグローバルなリーチと e コマースの実現に向けた独自のアプローチを考えると、これは Google Cloud、Fivetran、Hightouch と連携して達成できる素晴らしい出来事の始まりにすぎないことがわかります。」

Google Cloud MarketplaceFivetran をご覧ください。また、無料の Hightouch ワークスペースに登録して、パートナーが貴社のビジネスのためにできることの詳細をご確認ください。


 - グローバル Google Cloud パートナー チーム
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