Google Cloud のデータ利活用内製化支援パートナーに新規 7 社がオンボード
小澤 真由子
Google Cloud 、パートナー事業本部 パートナー デベロップメントマネージャー, データアナリティクス
梅川 真人
Google Cloud、 パートナー エンジニア データアナリティクススペシャリスト
2022 年 11 月に発表したデータ利活用内製化支援パートナー様をご紹介したのに続き、2023 年は新たに 7 社のパートナー様がデータ利活用内製化支援パートナーとしてオンボードしました。本稿でご紹介しました Google Cloud パートナー様がご提供するデータ利活用内製化支援サービスにご興味のある方は是非こちらのフォームから Google Cloud へお問い合わせください。
データ利活用の内製化についてはこの半年間でさらに盛り上がりを見せており、弊社にも多くのお問い合わせを頂いております。一方で、各社独自で取り組みを進めても思ったように成果が出ていないという声も聞こえてきます。成果が上がらない理由は多岐に渡りますが、Gartner®が 2023 年 4 月に発表した企業がデータを活用してビジネス成果を実現するにはデータ管理環境の近代化と内製化が必要との見解※1の中で伝統的なデータウェアハウス(DWH)からの7つの変化が挙げられています。
Google Cloud は BigQuery をはじめとしてこれらの変化に対応できるプロダクトを提供しており、またパートナー様との強固なリレーションシップで取り組みを成功させるためのデータ管理環境の近代化と内製化を支援するサービスを提供しております。
以下は前回の記事の再掲です。
DX(デジタル変革)と従来型のシステム改善とのギャップ
DX を進める場合は、従来型のシステム改善とは以下の点で異なるため、まずこの違いを正しく理解することが重要だと考えています。
これらの違いの認識が不十分のまま内製化への取り組みを進めてしまうと、以下のような問題が顕在化してきます。
ビジネス課題
また、データ利活用を足踏みしてしまう要因の多くは、試行運用に着手したものの、様々な壁にぶつかるうちに成功の確信が持てなくなり、スコープを拡大できなくなることにあります。
例えば以下のような壁をよく見かけます。
活用用途や対象者を広げるにつれデータも拡充しなければいけないが、データ連携の開発スピードが遅かったり、データ精度を整える運用体制が追い付かなかったりでニーズに素早く応えきれない
利用者が増えるに従い問い合わせも増えるが、暫定のサポート体制では回しきれない
データの活用を実業務へ落とし込むにはノウハウや時間が必要だが、展開にかけられるリソースは限られている
一部の利用者は高度な分析を始めたがっているが、大半が初心者なので教育プログラムが追い付かない
部署やグループ会社間で個人情報の取り扱いルールが異なり、データを共有するにはガバナンスを整備したり、セキュリティ環境を整えなければいけないが、どこから手をつければ良いのか分からない
そして、これらを全て協力会社に委託してしまうと、ビジネスノウハウの流出やコスト増といった新たな課題が発生してしまいます。
内製化の重要性
こういった背景から見えてくるのは、従来型のシステム開発の方式では限界があるということです。自社スキルの向上やデータの重要性を一人ひとりが認識し、評価等もデータに基づいて判断するカルチャーが重要です。一方で、この取り組みは一つのプロジェクトで終わるものではなく長期的な取り組みが必要になります。これらの課題を解決するにはデータ利活用内製化の取り組みを加速させ、またその取り組みに伴走できるパートナー様がより重要になります。
データ利活用内製化ニーズに対応した 4 ステップ
現状アセスメント : データやデータ利活用テーマの棚卸を行い、内製化に向けたボトルネックや必要施策の発見を行う。また短期で結果を出せそうなテーマに絞り、Quick Win を目指す
戦略策定支援 : アセスメントの結果を踏まえて内製化の方針を検討し、取り組みテーマの設定、具体的な施策の検討、活動計画、人員計画の作成を行う
伴走支援 : 課題解決の専門性に裏付けられた技術的な“目利き役”として伴走し、クライアントと協働体制(ワンチーム)を組成することで、自走できる組織形成の支援と分析⽂化醸成⽀援の実施を行う
システム環境整備: 施策の実行に必要となる分析基盤を構築する
データ利活用内製化支援パートナー様 ご紹介
今回新規にオンボードした 7 社を含め、合計 10 社のパートナー様をご紹介します。(登録順)
株式会社ブレインパッド 様 (内製化支援オファリング BrainPad DAY)
企業におけるデータ利活用促進に向けて、各種取り組みを自走できる状態までデータ活用のバリューチェーン全体を支援いたします。創業来培ったデータ活用ノウハウを惜しみなくお伝えし、データ活用組織の形成とデータ活用文化の醸成に貢献します。
DATUM STUDIO 株式会社 様 (人材育成研修 For Analyst / For Business User )
デジタル化が進んだ現在、経験からくる勘や外部ベンダーだけを頼りにするのではなく、全従業員のデータリテラシーの獲得が重要になっております。とはいえ、高度なデータサイエンスの知識・スキルを必ずしも全員が持つ必要はないというのが DATUM STUDIO の考えです。
そこで DATUM STUDIO では、まずはお客様組織においてのデータ利活用の目指す姿と各チームの役割を整理し方針を明確化、そして現状あるデータや業務のアセスメントを行なった上で全体の育成計画策定をご支援致します。
ウルシステムズ株式会社様 (DDX-Method®︎)
「データ利活用の内製化に必要な、組織・プロセス・手段を手に入れるためのベストプラクティスです。
デジタル領域の発注側支援で豊富な実績を持つウルシステムズが、ユーザー企業主導でデータ利活用に取り組むためのノウハウを体系化しました。ウルシステムズのコンサルタントが補助輪となり、お客さまの自走をご支援します。
株式会社デジタルシフト(DS DATA Support)
デジタルシフト社は、購買・行動データを用いたデータ分析支援を通じて、小売業界を中心とした幅広い企業の事業成長に貢献してきました。
本サービスでは、企業の内情に合わせたアナリスト育成研修から SQL の実践的サポート、CDP や BI ツールを用いたデータ環境の構築まで、企業のデータ活用を総合的に支援いたします。
クラウドエース株式会社(クラウドブースター for データ分析基盤内製化支援)
Google Cloud で実現したいことがあるが実現に向けて作業が進まない。こんなお悩みをお持ちの企業様に向け、豊富な知見を持つクラウドエースのエンジニアが、お客様のあらゆるご要望にあわせてフレキシブルに対応。お客様の内製化支援の初期推進力となり実現力を高める技術支援サービスです。
株式会社G-gen(Google Cloud データ分析基盤 内製化支援ソリューション)
G-gen の Google Cloud データ分析基盤内製化支援ソリューションは、データ戦略策定から基盤構築、教育・訓練、運用・最適化まで、データ分析を内製化するための全体的な支援を提供します。
データの活用に困っている企業や、データ基盤の維持費を節約したい企業に向けて、自動化やコスト削減、マルチクラウド構成最適化を実現します。
さらに、特定条件下での無償オプションとして、データカタログ検索ツールや BigQuery 料金可視化ダッシュボードなども提供します。
NRIデジタル株式会社(マーケティングDXソリューション )
NRI デジタルは、豊富なプロジェクト経験を活かした独自の診断フレームワークで現状を可視化し、お客様に適した内製化を実現します。実プロジェクトへの並走に研修や勉強会を組み合わせて早期のスキル習得を支援します。データ利活用だけでなく IT 戦略/DX 戦略の策定や、分析基盤だけでなく周辺システムの設計・構築まで対応が可能です。また、短期間でデータ利活用を体験できるオンボーディングプログラムも提供しています。
デロイトトーマツコンサルティング合同会社(Cloud Transformation Lab)
Cloud Transformation Lab によるワークショップでは、その実行策を提供します。
また、DX 戦略・ビジネス戦略・構想策定を起点として End-to-End の実行までお客様と伴走し、内製化の実現もご支援します。
アクセンチュア株式会社(アクセンチュア Google Cloud ビジネス グループ)
データドリブンな組織に求められる「考え方」「組織・人」「環境」「プロセス」を定義しつつ、個々の取組みの企画から実行までを伴走しながら、自走できるようにデータ活用スキル全般を移転します。弊社のベストプラクティスに基づき、組織の成熟度、文化などの特性を加味しながら、柔軟な内製化支援サービスを提供します。
日本情報通信株式会社(XIMIX accelerate service for Data Insights)
日本情報通信では、社内のリソースだけでDX推進を円滑に進めていただけるよう、データ利活用に向けた内製化支援ソリューション「XIMIX accelerate service for Data Insights」を提供します。
これにより経営層やデータ利用部門や取引先が整備されたデータ基盤にアクセスし、必要に応じて「いつでも」「誰でも」適切にデータ分析・確認ができる内製人材・環境の構築をご支援いたします。
まずは始めてみましょう
必ずしも 4 つのサービス全てを実施する必要はありません。
何から手をつけて良いか分からないお客様は、現状のアセスメントを利用して Quick Win を目指す事をお勧めします。また、それに合わせてプラットフォームにも不安があればシステム環境整備と組み合わせ利用するとよりスムーズに分析基盤の導入が進みます。
アセスメントの結果を踏まえて内製化の方針、具体的な施策の検討、必要な人員計画の策定まで進みたいお客様は戦略策定支援をご利用下さい。
そして、データ利活用をより社内に浸透させるための伴走支援プログラムを導入し様々なスキルセットを持った方がデータを元に判断することでデータの利活用が促進します。
上記のように Google Cloud のパートナー様では、お客様の DX やデータ利活用への取り組みに際しての悩みを解決していくことで、これまで IT ソリューションを提供してきたクラウドプロバイダーという立場から、戦略的なパートナーという立場になり、お客様のビジネスの成功を支援いたします。
Jagu’e’r データ利活用分科会
データ利活用の取り組みは自社のみで成功させるのは容易ではなく、他社の成功事例を取り入れたり、活用する上での課題をお互いに共有することが成功への近道です。Google Cloud では ユーザやパートナー企業様とのコミュニケーションの場として Jagu’e’r (Japan Google Cloud Usergroup for Enterprise) データ利活用分科会があり、この中で各社の成功事例の共有や課題共有会などデータ利活用を効果的に進めるための場所も併せてご利用頂けます。
本稿でご紹介しました Google Cloud パートナー様がご提供するデータ利活用内製化支援サービスにご興味のある方は是非こちらのフォームから Google Cloud へお問い合わせください。
※1: 出典:Gartner プレスリリース "Gartner、企業がデータを活用してビジネス成果を実現するにはデータ管理環境の近代化と内製化が必要との見解を発表" 2023年4月5日
https://www.gartner.co.jp/ja/newsroom/press-releases/pr-20230405
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- Google Cloud 、パートナー事業本部 パートナー デベロップメントマネージャー, データアナリティクス 小澤 真由子
- Google Cloud、 パートナー エンジニア データアナリティクススペシャリスト 梅川 真人