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パートナー

大規模な顧客パーソナライズによって収益を拡大して顧客離れを抑えた、あるブランドの話

2023年4月18日
Google Cloud Japan Team

※この投稿は米国時間 2023 年 4 月 13 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。

小売業者は、個々の顧客に、自分の意見が尊重され、価値を認められていると感じさせることに長けてきています。McKinsey の調査によれば、回答者の 66% が自分のニーズに合ったメール マーケティング メッセージを期待していると答えています。この事実を考慮すると、パーソナライズが必須であることがわかります。マーケティングのパーソナライズに関する専門知識を持つエキスパートは増えていますが、それでも規模が大きい場合は特に、管理が難しくなります。

Ocado Retail は、英国で 645,000 人以上の顧客に商品を届けている、世界最大級のオンライン食料品店です。同社では、パーソナライズが成功に不可欠なものとなっています。

Ocado Retail が Google Cloud およびパートナーの Cognizant とどのように協力して、パーソナライズの取り組み全体を支える新たなデータ プラットフォームを開発していったのかをご紹介します。

データを統合し、より包括的で効果的なパーソナライズを実現

大規模なパーソナライズという目標を達成するため、Ocado Retail は、あらゆる形態のマーチャンダイジング、広告、ビジネス、カスタマー インテリジェンスのデータを実用的な分析情報に変えることができる中央データ ウェアハウスを必要としていました。また、顧客セグメントの特定や関連キャンペーンの立案と実施を加速させる手段も必要でした。

Ocado Retail の IT 責任者である Kieren Johnson 氏は次のように話しています。「当社がデータ プラットフォームの基盤として BigQuery を含む Google Cloud を標準化したのは、現在と将来のための適切なソリューションであることがわかっていたからです。当社のチームは非常に小規模なので、効果的な分析情報を得るために大規模なエンタープライズ データ ウェアハウスを構築するには、優れた専門知識を持つパートナーが必要でした。目標の達成をサポートしてもらうために、Cognizant も迷わず選択しました。」

Cognizant は Ocado Retail と緊密に連携し、ML を活用してより高度なパーソナライズをより大規模に推進するという Ocado Retail のビジョンに合わせて、Google Cloud やその他のテクノロジーの専門知識を活用しました。このパートナー企業は、BigQuery 上での基盤構築を支援した後、Cloud RunVertex AI、Vertex AI Natural Language など、他の Google Cloud ツールを組み込み、運用不要かつすべてがコードのウェアハウジングと分析機能を提供しました。

また、Cognizant は、プロジェクト全体をベスト プラクティスに従って進められるようにするため、Google Cloud パートナー サクセス サービス(PSS)プログラムも利用しました。PSS では、Google Cloud 上で Ocado Retail の新しいデータ ウェアハウスを構築するという複雑なプロセスにおいて、Cognizant を導くアドバイザリ サービスが提供されました。

このようにしてエンタープライズ データ プラットフォームを構築することで、Ocado Retail は小規模なチームを維持しながら、クラウドベースの分析機能をフル活用できるようになりました。また、パーソナライズの取り組みの規模を大幅に拡大することも可能になりました。

あらゆる点において、尊重されていると顧客が感じるようにする

Ocado Retail が Google Cloud および Cognizant と協力して実施した取り組みは、成長する顧客基盤があらゆるやり取りにおいて尊重され、理解され、サポートされていると感じられるように位置付けられています。Cognizant および Google Cloud とプロジェクトを開始する前、Ocado Retail は週に数回しかキャンペーンを実施できず、各キャンペーンの効果に関する最適な分析情報が不足していることを認識していました。

Kieren 氏は次のように述べています。「Cognizant が Google Cloud 上に構築したデータ プラットフォームのおかげで、現在は以前の 10 倍のキャンペーンを実施しています。毎日さまざまな顧客セグメントに複数のキャンペーンを実施していますが、こうした活動が増えたのはすべてデータ分析情報によるものです。マーケティングとカスタマー サービスのパフォーマンスにプラスの影響があることは明らかです。現在、当社は活動の拡大に取り組んでいます。」

新しいデータ プラットフォームの稼働以来、2022 年度中にアクティブ ユーザーが 13% 増加するなど、Ocado Retail は順調に成長を遂げており、顧客離れも減少しています。こうした改善は、顧客の具体的な好みに合わせて商品やコミュニケーションを調整できるようになったことに起因します。

Cognizant はプロジェクト全体にわたって、Google Cloud が提供するスケーラブルかつ柔軟で将来的にも有効なデータ分析インフラストラクチャを最大限に活用しながら、データ クリーンアップをサポートしました。

データドリブンなアクションの増加

Ocado Retail は、Beet Insights というプロダクトを使用して、より多くのデータドリブンな分析情報を商用サプライヤーに提供することを計画しています。現在までに Beet Insights は、陳列された商品の販売実績に関する分析情報をサプライヤーに提供しています。その結果、生産から仕入れ、さらには仕入れ後に至るまで、サプライ チェーン全体でデータの果たす役割が高まっています。

Kieren 氏は次のように話しています。「コスト、マーケティング費用、資金供給活動に関するリアルタイムの分析情報をコマーシャル チームとバイヤーに伝えることで、収益が向上しています。同時に、データ分析をビジネスのあらゆる部分に組み込むことで、パーソナライズの取り組みに基づいてビジネスを進めることが可能になります。」

プロジェクトの最初から、Ocado Retail はスケーラブルで動的なプラットフォームを実現しました。現在は、より多くのデータソースとストリームをウェアハウスにフィードし、分析情報を得られるまでの時間短縮に取り組んでいます。Ocado Retail は、プラットフォームの進化におけるこの次のステップにより、パーソナライズとあらゆる顧客対応に変革をもたらす、影響力の高いプログラムを実施する機会がさらに増えると確信しています。

カスタマー インテリジェンスやパーソナライズについて Google Cloud と Cognizant などのパートナー企業が実現できることの詳細については、こちらをご覧ください。


- 英国担当ディレクター / リテール担当責任者 Alex Rutter
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