SAP 顧客向けの新しい Cloud Acceleration プログラムについてのお知らせ

※この投稿は米国時間 2019 年 11 月 19 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。

世界的規模の企業の多くが企業経営に SAP を利用していて、自社のミッションクリティカルなワークロードのクラウド化を考え始めるケースが増えています。そこで本日は、SAP をご利用のお客様にとってクラウドへの移行がより簡単になる Cloud Acceleration プログラムをご紹介します。 

今年初めに、Google はシステム インテグレータと連携して Lighthouse プログラムを立ち上げ、お客様がお使いの SAP のクラウド移行をより効率的に実行できるようにしてきました。Cloud Acceleration プログラムは Lighthouse プログラムの進化版です。Cloud Acceleration プログラムでは、Google Cloud や Google パートナーが提供するソリューションを使ってお客様のクラウド移行を簡素化します。たとえば、オンプレミスから Google Cloud Platform への SAP ワークロードの移行や、Google Cloud や大手サードパーティの技術を使った SAP ソリューションの拡張などをサポートいたします。 

Cloud Acceleration プログラムに参加されるお客様は、パートナー主導の評価サービス、プロトタイピング、GCP 上の SAP 専用のセンター オブ エクセレンス（中核的な専門家チーム）に加えて、新しいアーキテクチャ テンプレート、アクセラレータ、SAP 中心のサポートをご利用いただけます。さらに、このプログラムにはテクノロジー プロバイダや ISV も数多く参加しており、コードの修正、
ダウンタイムがほぼゼロの移行などのサービスをサポートしています。

今回導入する Cloud Acceleration プログラムには Accenture、Atos、Deloitte、HCL といった世界的なサービス パートナーが参加し、Google Cloud 専用の事業部門を創設してお客様の主要なワークロードやアプリケーションの Google Cloud への移行をサポートしています。ここに挙げたパートナーは Capgemini、DXC Technologies、Hitachi oXya、Infosys、NTT、TCS、Wipro と提携して Google Cloud 向けの SAP センター オブ エクセレンスを創設し、SAP クラウド移行の簡素化を目的とした新ソリューションを提供します。 

ソリューションには次のようなものがあります。

• Accenture の開発したソリューションは BigQuery などのコスト効率の高いデータストアに旧データを移行できるソリューションであると同時に、SAP HANA のフットプリントと関連インフラコストの削減を実現しています。同社は Google Cloud 上での SAP のデプロイを強化する ML ベースのアプリケーションも数種類開発中です。

• Atos は顧客の SAP 環境を 4 週間以内に Google Cloud へと移行できる「Quick Cloud
  Start」プログラムを立ち上げました。同プログラムには、自動化とイノベーションの加速に役立つ Google Cloud ベースの ML や、SAP データを Big Query にシームレス統合できる SAP コネクタなども含まれます。 

• Deloitte の Google Cloud 事業部門は、Google Cloud で利用できる SAP エンドツーエンド クラウド サービスのポートフォリオとして「Reimagine Everything… Anywhere」を立ち上げました。これには SAP S/4 への変換を加速させるための Google Cloud 上で利用可能な業種別の主要なプラクティスや、SAP から任意の場所への統合を可能にする、すぐにデプロイ可能な Apigee 上の SAP 専用 API ライブラリなどが含まれています。この Google Cloud ポートフォリオの一部として、Deloitte は Reimagine Platform を拡張して TensorFlow と BigQuery を取り入れました。これにより、Google Cloud の機械学習と高度なデータ分析機能を使ったインテリジェント アプリケーションを提供できるようになりました。

• NTT は Google Cloud にデプロイできる、製造、自動車、自動車部品業界テンプレートのほか、ライフ サイエンスの Platform as a Service も開発しています。

• Wipro は「Safe Passage to GCP」と呼ばれる SAP ワークロード移行フレームワークを開発し、低リスクで高速、かつ業務への影響を最小限に抑えた Google Cloud への移行を実現しています。このフレームワークを使うことで Google Cloud 上の SAP 環境を自動で検索、評価、移行、メンテナンスできます。

Cloud Acceleration プログラムには、Datavard、Gekkobrain、SNP Group、SpringML といった Google のテクノロジー プロバイダ パートナーも参画しています。Google Cloud への SAP 移行に関する顧客向けサービスには次のようなものがあります。

• SNP の CrystalBridge プラットフォームでは、データ、ワークロード、アプリケーションを選択して、ダウンタイムほぼゼロでクラウドに移行できます。SNP の場合、移行するデータと変換するプロセスの両方を選択できるので、現行または新規の S/4HANA 移行オプションの代替ソリューションになります。

• Gekkobrain は SAP 移行に不可欠な業界最先端のコード修正機能を提供しています。同社の機能を使えば、カスタムコードの 90% 以上を自動でクリーンアップできます。 

• Datavard は ML / AI、レポート作成、さらには SAP データのアーカイブと廃止などを目的とした、SAP から BigQuery へのデータ移行をサポートするソリューションを開発しました。 

• SpringML は Google Cloud を使う SAP ユーザー向けのスマートなワークフローの構築を専門とし、SAP ユーザーが Google Cloud 上ですばやくイノベーションを行えるように、ドキュメント処理、販売予測、予防メンテナンスなどの独自サービスを提供しています。

Google Cloud の技術と Google パートナーのサービスやソリューションを組み合わせることにより、クラウドの移行の機会を最大限に活用してさらなるイノベーション、業務効率、リスク軽減を図ることができます。SAP 向けの Cloud Acceleration プログラムは、SAP をクラウドに移行する複雑さを軽減できるだけでなく、SAP S/4HANA へのアップグレードも可能なシンプルで強力な方法です。 

SAP 顧客向けの Cloud Acceleration プログラムについて詳しくは、Google にお問い合わせください。SAP 顧客向けの Google Cloud ソリューションについて詳しくは、ウェブサイトをご覧ください。

- by Google Cloud グローバル カスタマー オペレーション部門プレジデント、Rob Enslin