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製造

Google Cloud が Catena-X に参加し、自動車業界におけるデータ主権エコシステムの構築を支援

2023年2月14日
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Google Cloud Japan Team

※この投稿は米国時間 2023 年 2 月 7 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。

自動車業界は長年にわたり、デジタル設計やデジタル現場などのさまざまな分野で自動化とデジタル化の最前線に立ってきました。それと並行して、自動車メーカーはバリュー チェーンのサプライヤーに重点を置き、エコシステム内で広範なパートナーシップを展開しています。

バリュー チェーン全体でパートナーが互いに連携し合う方法をデジタル化および自動化したこと、そしてデジタル主権とオープン標準に基づく先進的なデータ交換方法を確立したことは、自動車業界が遂げた明らかな進化です。そして、この先進的な取り組みの推進力となっているのが Catena-X です。

Catena-X は、自動車産業の中核的ビジネス プロセスに対応するエンドツーエンドのデータチェーンを実現するため、信頼性が高く連携的、かつオープンで安全なデータ エコシステムを構築しています。原材料サプライヤーから相手先ブランド製品製造企業(OEM)、廃棄物処理パートナー(リサイクル業者など)に至るまでの自動車業界のバリュー チェーン全体が、今回初めてソフトウェア プロバイダやソリューション プロバイダとグローバルに協力し、共有サービス エコシステムの構築に取り組んでいます。

この独自のデータスペースでは、すべてのパートナーが自社データの主権を管理し、オープンで相互運用可能なソリューション ポートフォリオを介してそれぞれの市場参加者と協力できます。その結果、原材料の調達先や CO2 フットプリントなどがより可視化されて、パートナー企業がバリュー チェーンを脱炭素化する機会が生まれ、復元力と柔軟性に優れたバリュー チェーンを実現することができます。オープンソースに基づくこのデータスペースは、オープン イノベーションと共同アプローチを醸成する独自の環境を業界全体に提供します。

Google Cloud は、自動車業界の安全な企業間データ流通を可能にするアライアンス、Catena-X Automotive Network に参加して、最高水準の安全なデータ主権管理、データ分析、高度な AI テクノロジーのネイティブ統合、オープンソースへの取り組みをコミュニティにもたらしています。これらはすべて、Catena-X がその使命を達成するうえで役立ち、自動車業界の参加企業がデータドリブン型ビジネスになるための後押しとなります。

Catena-X Automotive Network の取締役会長である Oliver Ganser 氏は次のように述べています。「Google Cloud が Catena-X の一員になったことで、世界的な採用が進み、オープンソースに基づくデータスペースを共同で構築する能力が強化されると期待しています。」

Google Cloud によって可能になることの例: 

  • エンドツーエンドの自動車 サプライ チェーン: Google Cloud テクノロジーにより、企業は限定公開データ、コミュニティ データ、公開データのデータソースを接続して結合し、需要管理と容量管理を向上させることができます。その結果、リアルタイムの分析情報が向上し、結果が改善され、効率が大幅に高まり、リスクの予測と軽減、および費用の削減が実現します。これによって、企業はサプライ チェーンをデジタル化し、より持続可能なエンドツーエンドのサプライ チェーンを運用する機能を構築することもできます。

  • デジタル主権: 2021 年 9 月に Google Cloud は、最高水準のデジタル主権を実現するクラウド サービス提供のための取り組み「Cloud On Europe’s Terms」を発表しました。データ主権は、Catena-X だけでなく、Gaia-X 向けの安全な連携型データスペースを初めて実際に実装した IDSA においても重要な設計基準です。Google Cloud は、データ主権に関連した独自の機能を提供するだけでなく、運用主権とソフトウェア主権を強化するオプションも進化させ続けており、ドイツの T-Systems やフランスの S3NS など、信頼できるローカル プロバイダと提携してこれらの機能を市場に投入しています。

  • Eclipse データスペース コネクタ(EDC): Catena-X が業界全体でパートナーをつなぐことに成功した主な要因は、データスペース コネクタの存在です。Google Cloud は、International Data Spaces Association(IDSA)のメンバーとして、オープンソース データスペース コネクタに積極的に貢献しています。

  • 組み込まれたサステナビリティ: Google Cloud は、業界有数のクリーンなクラウドを提供しており、2017 年以来、事業活動で使用する電力を 100% 再生可能エネルギーで調達しています(カーボン クレジットによるオフセットだけでなく、実際の電力使用による排出量も削減)。また、お客様がデータ分析と AI テクノロジーを活用してデータの課題を解決できるようにすることで、バリュー チェーンでの二酸化炭素排出量を最小限に抑えるという、Catena-X の主要な優先事項とユースケースに即した取り組みも進めています。

Google のエンジニアリング担当バイス プレジデントであり、Google Cloud のセキュリティおよび主権担当リージョナル CTO でもある Wieland Holfelder 博士は、次のように述べています。「Catena-X は、データ、プライバシー、主権をエコシステムの中心に据えることで、貢献者がデータから最大の価値を引き出せるようにしています。データはすでに存在しても常にアクセスできるとは限らないことが多いため、ビジネス上の成果を向上させるためにすぐに使用できるわけではありません。」

Google Cloud は、自動車業界の信頼できるパートナーとして、最新のデータ プロダクトを「デジタル スレッド」全体で安全かつシームレスに共有できるオープンデータ エコシステムを構築し、運用しています。このエンドツーエンドのデータ統合により、サイロを解消し、データ民主化戦略を実行することが可能になります。Catena-X は、パートナー エコシステムを通じて各企業が利用できるデータのプールを拡大し、データドリブン型バリュー チェーンの独自の実装を生み出しています。


- Google Cloud、ドイツ自動車担当責任者 Gerhard Keller
- Google Cloud、自動車業界向けソリューション グローバル担当ディレクター Matthias Breunig

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