オープンソースでエンタープライズ対応: Google Cloud 向けの IBM Spectrum Symphony コネクタ
Annie Ma-Weaver
Group Product Manager, Google Cloud HPC
Anthony Frery
Customer Engineer, Google Cloud HPC
※この投稿は米国時間 2025 年 10 月 15 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。
Google Cloud は、お客様がハイ パフォーマンス コンピューティング(HPC)のグリッド ワークロードを Google のプラットフォームにデプロイしていただけるように取り組んでいます。このたび、オープンソースの Google Compute Engine および Google Kubernetes Engine(GKE)向けの IBM Spectrum Symphony ホスト・ファクトリー コネクタの一般提供が開始されました。
Google Cloud と IBM Spectrum Symphony の統合により、一般的なアーキテクチャと以下の要件をサポートすることで、グリッド ワークロードで Google Cloud のメリットを活用できます。
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オンプレミス クラスタを Google Cloud に拡張し、コンピューティング容量を自動的に追加してジョブの実行時間を短縮する
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Google Cloud でクラスタ全体をデプロイし、ワークロードに基づいてコンピューティング リソースを自動的にプロビジョニングおよび廃止する
これらのコネクタは、IBM Spectrum Symphony ホスト ファクトリーのカスタム クラウド プロバイダの形式で提供されます。オープンソースのため、Cluster Toolkit から、または手動で簡単にデプロイできます。
パートナーによって構築、テストされているエンタープライズ規模のソリューション
本番環境に対応した堅牢なコネクタを提供するために、Google は金融サービスと HPC に関する深い専門知識を持つ主要なパートナーである Accenture と Aneo と連携しました。Accenture は Compute Engine と GKE のコネクタを構築し、Aneo は厳格なユーザー受け入れテストを実施して、企業のお客様の厳しい要求を満たしていることを確認しました。
「Google Cloud との協力の下で、IBM Spectrum Symphony コネクタを開発できたことをうれしく思っています。金融サービスとクラウド ソリューションの両方に関する当社の専門知識により、重要な HPC ワークロードを Google Cloud の高性能インフラストラクチャにシームレスに移行していただけるようになりました。」- Accenture、金融サービス担当マネージング ディレクター、Keith Jackson 氏
「Aneo では、IBM Spectrum Symphony コネクタがエンタープライズ HPC のパフォーマンスとスケーラビリティに対する厳しい要件を満たしていることを確認するために、大規模かつ厳格なテストを実施しました。コネクタが最大 5,000 台のサーバーノードを効率的に管理できることを検証し、本番環境のワークロードに対応できることを確認しました。」- Aneo、クラウド HPC エンジニア、William Simon Horn 氏、最高技術責任者、Wilfried Kirschenmann 氏
Google Cloud は、GKE 向けの新しい IBM Spectrum Symphony コネクタで極端な HPC 需要に対応するために迅速にスケールし、5,000 個のコンピューティング Pod に 10 万個を超える vCPU を 8 分未満でプロビジョニングします。IBM は、Spectrum Symphony を最大 5,000 個のコンピューティング ノードでテストし、これに対応しています。そのため、新しい GCP コネクタのスケーリング テストの目標として、コンピューティング ノードを5, 000 個に設定しています。




このパフォーマンスは、イメージのプリロードやカスタム ComputeClass などの GKE の革新的な機能を活用することで実現しています。これにより、FSI などの要求の厳しい分野のお客様は、費用とハイブリッド クラウドの柔軟性を最適化しながら、ミッション クリティカルなワークロードを加速させることができます。
ご自身に合った方法で利用できる高度な機能
コネクタは、複雑な HPC 環境を管理するために必要な柔軟性と制御を提供するように構築されています。これらは、Google 所有のリポジトリでオープンソース ソフトウェアとして提供されます。主な機能は以下のとおりです。
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Compute Engine と GKE のサポート: Compute Engine と GKE で IBM Spectrum Symphony ホスト ファクトリーのクラウド プロバイダを別々に利用することで、仮想マシンとコンテナ化された環境の両方でクラスタをスケールできるようになります。
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柔軟な使用モデル: Spot VM、オンデマンド VM、またはその両方の組み合わせがサポートされており、費用とパフォーマンスを最適化できます。
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テンプレートベースのプロビジョニング: ワークロードの要件に沿った構成可能なリソース テンプレートを使用します。
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包括的なインスタンス サポート: マネージド インスタンス グループ(MIG)API、GPU、ローカル SSD、Confidential Computing VM と完全に統合されます。
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イベント ドリブン管理: Pub/Sub の統合により、Compute Engine インスタンスでのイベント ドリブンのリソース管理が可能です。
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Kubernetes ネイティブ: GKE コネクタは、カスタム リソース定義(CRD)を備えるカスタムの Kubernetes オペレータを使用して、Symphony コンピューティング Pod のライフサイクル全体を管理します。GKE のカスタム ComputeClass(CCC)とノードプール オートスケーラーとの透過的な互換性を通じて、GKE のスケーリング機能と GPU や TPU などのカスタム ハードウェアを活用できます。
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高いスケーラビリティ: コネクタは、大規模なデプロイを処理するために非同期オペレーションで高い性能を実現するように構築されています。
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復元力: Spot VM のプリエンプションを自動的に検出して処理することで、ワークロードの信頼性が確保されます。
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ロギングとモニタリング: Google Cloud のオペレーション スイートとの統合により、オブザーバビリティが確保されるほか、レポートの作成も可能です。
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エンタープライズ サポート: コネクタは Google Cloud のファーストパーティ ソリューションとしてサポートされ、開発パートナーである Accenture へのエスカレーション パスが用意されています。
使ってみる
Google Cloud 向けの IBM Spectrum Symphony コネクタのご利用は、今すぐ開始していただけます。
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Google Cloud リポジトリでコネクタを見つけてください。
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リファレンス アーキテクチャなど、技術ドキュメントを確認して、使用を開始してください。
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HPC ワークロードの移行方法について詳しくは、Google Cloud または Google Cloud アカウント チームにお問い合わせください。
お客様の成功を確実なものにするため、Google はお客様のリサーチとビジネスの目標の達成を加速させるために必要なソリューションへの投資を継続してまいります。Google Cloud の規模と力を活用して、お客様が成果を達成されることを願っております。
-Google Cloud HPC、グループ プロダクト マネージャー Annie Ma-Weaver
-Google Cloud HPC、カスタマー エンジニア Anthony Frery



