コンテンツに移動
HPC

Google Cloud での Altair EDEM: 10 億個の粒子の壁を打ち破る

2024年4月9日
Google Cloud Japan Team

※この投稿は米国時間 2024 年 3 月 28 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。

産業、製造業、ライフサイエンスの企業においては、バルク材料や粒状材料と機器や容器との相互作用、材料同士の相互作用をシミュレートする能力が重要となっています。これらのシミュレーションが大規模になるほど、その精度は上がり、企業が設計やプロトタイプの繰り返しに費やす時間や費用も削減されます。最近 Altair Google Cloud は共同で、1 台の Google Cloud 仮想マシンでAltair® EDEM™ を使用して、どの程度大規模なシミュレーションを行えるかを確認したところ、画期的な結果が得られました。

GPU EDEM シミュレーションを強化

Altair EDEM は、バルク材および粉粒体シミュレーションのための高性能なソフトウェア アプリケーションです。離散要素法(DEM)計算を利用した EDEM は、採掘された鉱石、土、繊維、穀物、錠剤、粉末などの粉体の挙動を迅速かつ正確にシミュレーションおよび分析します。

長年にわたり、産業界は EDEM にさらなる規模の拡大を求め、その結果、モデルサイズに関して多くの画期的な成果がもたらされました。20 年前は 20 万個の粒子が上限で、シミュレーションの作成には 10 日以上かかっていたのが、すぐに 100 万個、1,000 万個、2,000 万個の粒子へと増加していきました。昨今掲げている至上目標は、10 億個の粒子を含むシミュレーションを数日で達成することです。

ご想像のとおり、このようなシミュレーションには膨大なコンピューティング能力が必要となるため、画像処理装置(GPU)を使用してシミュレーションの速度と効率を大幅に向上しています。GPU は並列処理タスクを処理できるよう特殊な設計となっているため、EDEM シミュレーションに関連する大量のデータや複雑な計算を処理するのに非常に効率的です。

テスト: Google Cloud での Altair EDEM

EDEM はデスクトップ アプリケーションとして設計されたため、常に単一ホストにある共有メモリ アーキテクチャに制限されてきました。複数のホストにまたがって拡張できる分散メモリとは対照的に、プロセッサが直接アクセスすることしかできません。大規模な再構築を行わなければ、EDEM は分散メモリのスケーラビリティと柔軟性を活用できない状況でした。しかし、マルチ GPU システムにより、分散メモリ プログラミング モデルに移行しなくても、コンピューティング能力を向上させる機会を得ることができたのです。

Altair Google Cloud の共同作業には 2 つの目標がありました。1 つは 10 億個の粒子を含む、可能な限り最大規模のシステムをシミュレートすること、もう 1 つはデータを収集し、特定のハードウェア タイプを考えられ得るシミュレーション規模にマッピングするための予測を構築することです。2023 5 月、Google Cloud NVIDIA H100 GPU を搭載した A3 仮想マシン(VM)の提供を発表しました。A3 VM は、NVIDIA H100 Tensor Core GPU と最新の CPU の組み合わせに加え、改良されたホストメモリと大規模に改善したネットワークを提供することから、この規模のシミュレーションに対応できるようになっています。

Altair Google Cloud は、8 つの NVIDIA H100 GPU を搭載した 1 台の A3 VMで、それぞれ 80 GB GPU メモリと合計 3.6 TB/秒の二分割帯域幅を実現する 2 つのシミュレーション シナリオを実行しました。このシステムには、第 4 世代インテル® Xeon® スケーラブル プロセッサと 2 TB のホストメモリも搭載されています。

テストシナリオには充填テストを選びました。これは実用的なシミュレーションで、現実的な産業環境(この場合は、移動するプレートから容器に落下する粒子)における粒子の挙動の影響を確認するために使用されます。このシミュレーションでは、単一球形と複数球形 2 種類の粒子を使用しました。

画期的な結果

https://storage.googleapis.com/gweb-cloudblog-publish/images/Plot_01.max-2200x2200.png

上記で示されているように、単一球形と複数球形の EDEM シミュレーションを組み合わせた充填テスト シミュレーションでは、合計 10 億個の粒子を達成でき、利用可能な 8 つの NVIDIA H100 GPU 間で優れたスケーリングを実現しました。

この新しい 10 億個の粒子シミュレーションの画期的な結果により、製造業は粒状材料の挙動をより深く理解して予測し、機器の性能を評価し、かつてない規模でプロセスを最適化できます。今後、より忠実度の高い大規模なシミュレーションが可能になるでしょう。

EDEM アプリケーションについて詳しく知りたい方、または Google Cloud のトライアルをご希望の方は、こちらのフォームに記入してください。Google Cloud HPC ワークロードを実現している方法について詳しくは、こちらをご覧ください。

ー EDEM Product Simulation、ディレクター Carlos Labra 博士

Google Cloud HPC、グループ プロダクト マネージャー Annie Ma-Weaver

投稿先