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Education

新しいフレームワークで Google Cloud へのアクセスをグローバルに拡大

2021年3月2日
Google Cloud Japan Team

※この投稿は米国時間 2021 年 2 月 19 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。

Google Cloud は世界中の先駆的な研究をサポートする取り組みの一環として、Google Cloud の各種サービスが Open Clouds for Research Environment(OCRE)フレームワークの参加者に利用いただけるようになったことを発表いたします。OCRE フレームワークは、ヨーロッパの高等教育研究機関の中心的なテクノロジー組織である GÉANT によって 2019 年 1 月に共同設立され、ヨーロッパ 40 か国の数千の研究機関で 5,000 万人を超えるユーザーがクラウド コンピューティングにアクセスできるようにしています。また、2021 年 1 月、OCRE は天体物理学、医療用画像処理と薬物送達、気候研究、機械学習、AI の 15 の革新的な研究プロジェクトに対する 100 万ユーロ以上の資金提供を発表しました。

OCRE の Cloud Catalogue には、全 EU 加盟国のコンプライアンスに対応したすべてのデジタル サービス プロバイダと、クラウド導入を迅速に進めるための地域の National Research and Education Networks(NREN)の連絡先がリストされています。OCRE フレームワークの一環として、ComputasRevolgyTelefonicaSparkle(Telecom Italia の一部門)が、クラウドへの移行の際に GÉANT のメンバー機関に Google Cloud ソリューションを配布するパートナーとして選ばれました。たとえば、Sparkle は EU 27 か国の地域の顧客に調達コンサルティング、テクニカル サポート、トレーニングを提供しています。

クラウド コンピューティングは、膨大なデータセットの処理速度の高速化から、共有ツールやデータ ストレージによる共同作業の改善まで、魅力的なメリットを研究者に提供します。しかし同時に、複雑な法的環境や規制環境の管理上の障害も抱えています。OCRE フレームワークの目的は、次のようなメリットでクラウド サービスの採用を促進し、クラウドへの移行を楽にすることです。

  • 各機関のニーズに合わせて調整できる既成の契約により合理化された調達プロセス

  • 最新のコンプライアンス要件と組み込みのデータ保護

  • 特別割引料金と資金調達の機会

Google Cloud サービスは、ヨーロッパ全体で重要な研究を加速するのに役立っています。ETH Zurich(スイス連邦工科大学)の Gunnar Rätsch 博士が運営する Biomedical Informatics(BMI)グループは、ゲノム情報の膨大なデータセットを利用して、分子プロセスや癌などの疾患に関する重要な判断を下しています。現在、BMI グループチームは Google Cloud Storage を使用して配列データを管理し、それらを Compute Engine の仮想マシン(VM)インスタンスを使用して処理しています。MetaGraph プロジェクトという名前の柔軟なソリューションは、4 ペタバイトのゲノムデータを処理でき、これまでに構築された中で最大の DNA 検索エンジンになります。

ミュンヘン工科大学(TUM)の Rostlab のチームは、機械学習を使用してタンパク質配列を分析する革新的な方法である ProtTrans を開発しました。ProtTrans は、重要なリソースへのアクセスを拡大することにより、パンデミックの最中で作業するという困難にもかかわらず、タンパク質の配列決定を簡単かつ迅速にします。AI スペシャリストでディープ ラーニングの博士候補生の Ahmed Elnaggar 氏は、次のように指摘しています。「こうした作業は 2 年前にはできなかったでしょう。今日のバイオインフォマティクス データ、新しい AI アルゴリズム、GPU と TPU のコンピューティング能力を組み合わせなければ、実現できませんでした。」

急速に変化する研究環境に直面することで、これらの研究チームは、クラウド コンピューティングの柔軟で強力なリソースを利用してワークフローを見直す独創的な方法を見つけました。BMI グループのシニアポスドクである André Kahles 氏は、次のように述べています。「大学での IT 調達は長期間の研究プロジェクト向けに最適化されることが少なくありません。ペースの速いプロジェクトに適応できる柔軟性があまりない状態のインフラストラクチャに、4~5 年間縛られてきました。Google Cloud を使用すると、ニーズに合わせて設定を常に再調整できるため、新しい機会が生まれ、最適に使用できないインフラストラクチャにコストを費やさずに済みます。」

OCRE コミュニティに参加し、特別なクラウド アクセス、割引料金、OCRE が提供する資金調達の機会を利用するには、お住まいのに応じて、ComputasRevolgyTelefonicaSparkle のウェブサイトにアクセスしてください。Cloud リサーチ クレジット プログラムなど、高等教育研究向けの Google Cloud プログラムとイニシアチブの詳細については、こちらをクリックしてください。

-Google for Education ビジネス開発責任者 Emma Fish

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