サービスとしての Migrate for Compute Engine で VM の移行を簡素化
Google Cloud Japan Team
※この投稿は米国時間 2021 年 7 月 14 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。
さまざまな業界のお客様が、クラウドへのアプリケーションの移行を大規模に行っています。Migrate for Compute Engine を使用すると、Google Cloud Compute Engine へのワークロードのリフト&シフト移行を大規模に実施でき、変更やリスクを最小限に抑えられます。先日、Google は Migrate for Compute Engine の最新リリースであるバージョン 5(V5)を発表しました。このバージョンでは、ダウンタイムやリスクを最小限に抑えながらもシンプルかつスムーズな Google Compute Engine への仮想マシンの大規模移行を可能にする、Google 管理のクラウド サービスを提供します。このサービスは使いやすいように API ドリブンで Google Cloud Console に統合されており、エージェントレス レプリケーションを使用してデータをコピーできるほか、手動での操作や VPN 要件がありません。また、カットオーバー前に中断することなく VM 検証を開始することもできます。1 つのアプリケーションを迅速に移行することも、信頼できる移行グループを使用して 100 のシステムでスプリントを実行することも可能です。
シンプルかつスムーズな移行
Migrate for Compute Engine V5 はマネージド サービスとして利用できます。そのため、Google Cloud Platform プロジェクトで Migrate for Compute Engine API を有効にし、オンプレミス環境に Migrate Connector をデプロイするだけで簡単に設定することが可能です。ワークロードの移行はエージェントレスであるため、移行の前提条件として移行対象のワークロードにアクセスしたり、これを変更したりする必要がなく、ゼロタッチでクラウドに移行できます。さらに、この最新バージョンでは、エンドツーエンドの Cloud Console インターフェースが提供され、オンプレミスのインベントリ、オンプレミスの使用率レポート、移行、グループが表示されるので、Cloud Console インターフェースから移動せずにエンドツーエンドの移行を実施できます。
大規模な移行
大規模な移行プロジェクトをタイムリーに完了するには、移行スプリントの慎重な計画と実施が求められます。Migrate for Compute Engine V5 の VM グループ構成を使用すると、計画段階でソース VM をグループ化できます。計画した移行を実施する際は、VM グループを使用して、グループレベルまたはグループのサブセットで移行操作を実行し、処理を大規模に合理化できます。
最小限のダウンタイムとリスク
ビジネスを継続するうえで重要なのが、アプリケーションの稼働時間です。この最新リリースのサービスを使用したすべての移行では、ソース ワークロードから移行先にデータを定期的に複製できます。その際、手動での操作は必要なく、実行中のワークロードは中断されないため、ワークロードのダウンタイムが最小限に抑えられ、クラウドへの迅速なカットオーバーが可能です。さらに、このリリースでは、ワークロードをホストする仮想マシン(VM)の移行を実行中のワークロードの中断なくテストし、カットオーバー前にクラウドで適切に機能することを検証できます。
Migrate for Compute Engine V5 の仕組み
マネージド サービス形式では、大規模な移行もスムーズです。Migrate for Compute Engine V5 を使用すると、クラウド内の移行専用リソースのプロビジョニングや管理が必要ありません。V5 はレプリケーションベースの移行テクノロジーを使用して、ワークロードをソース環境から Google Cloud にリフト&シフトします。ソース VM ディスクのスナップショットは、Migrate Connector によってバックグラウンドで定期的に複製され、ソース ワークロードを中断する必要がありません。複製されたデータは転送中も保管時も暗号化されます。移行する VM をテストクローンやカットオーバーを使用してインスタンス化すると、Migrate for Compute Engine サービスにより、クラウドで起動と実行がネイティブに行われるようにソース VM が調整されます。
VM をクラウドに移行するプロセスは、次の手順で構成されます。
ソース ワークロードの VM データ レプリケーション: VM ディスクは定期的にクラウドに複製され、ソース VM を中断する必要がありません。レプリケーションは頻繁に制御し、いつでも一時停止 / 再開できます。
ランディング ゾーン ターゲットの構成: VM は環境内のあらゆる Google Cloud プロジェクトに移行できます。ランディング ゾーンの詳細は、テストクローンやカットオーバーを実行する前にいつでも更新できます。
移行する VM のテスト: テストクローンは、定義されたランディング ゾーンでソース VM のコピーを作成し、クラウド内の VM を検証してからカットオーバーを実行します。複数のランディング ゾーンに対してテストクローンを何度も繰り返すことができます。
移行する VM のカットオーバー: ソース VM をシャットダウンし、クラウドへの最終同期を実施して、クラウド内の VM をインスタンス化します。これは、プロセス全体を通じてワークロードで最小限のダウンタイムが発生する唯一のポイントです。
サービスとしての Migrate for Compute Engine の利用を開始する
Migrate for Compute Engine を使用して、オンプレミス VM の移行を今すぐ開始できます。
GCP プロジェクトで vmmigration API を有効にします。
ソース環境に Migrate Connector をデプロイします。
移行する VM ターゲットの詳細を設定します。
テストクローンを使用して、移行する VM を実行中ワークロードの中断なくテストします。
最小限のダウンタイムで VM をクラウドにカットオーバーします。
Migrate for Compute Engine V5 は世界のいくつかのロケーションでご利用になれます。今後の更新情報については、ロケーションのページをご確認ください。ご希望の GCP リージョンが Migrate for Compute Engine V5 で現在サポートされていない場合は、M4CE V4.11 の使用をご検討ください。ツールの両方のメジャー バージョンを移行イニシアチブに適用できます。
この新しい移行サービスにより、Google Cloud はお客様とパートナーの皆様にさらに大きく貢献いたします。Migrate for Compute Engine について詳しくは、ウェブサイトをご覧ください。すぐに移行を開始できる準備が整っている場合は、現在の IT 環境に関する無償の調査、評価サービスにお申し込みください。Google が、お客様のアプリやビジネスに最適なクラウド フレームワークの計画を策定いたします。皆様が Google Cloud を活用するお手伝いができることを楽しみにしております。
-Google Cloud プロダクト マネージャー Nimrod Shavit
-Google Cloud プロダクト管理担当 Sai Gopalan