拡張フレームワークを使用して Looker での構築を簡単にする
Google Cloud Japan Team
※この投稿は米国時間 2021 年 7 月 30 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。
Google の目標は、プラットフォームの機能を継続的に改善し、Looker を使用するデベロッパーがデータ エクスペリエンスをよりすばやく、初期費用を抑えて構築できるような新しい方法を見つけることです。
Google ではこのたび、デベロッパー コミュニティのフィードバックを取り入れ、Looker 拡張フレームワークを一般提供する運びとなりました。
拡張フレームワークは、データを活用したアプリケーションやツールを Looker で構築するための完全ホスト型の開発プラットフォームです。インフラストラクチャを立ち上げたり、ホストしたりする必要がなくなり、デベロッパーは優れたユーザー エクスペリエンスの構築に専念できるようになります。従来、Looker でカスタム アプリケーションを構築するお客様とパートナーは、導入に進む前に開発インフラストラクチャ全体を組み立てる必要がありました。たとえば、バックエンドとフロントエンドの両方を立ち上げて、そこからホスティングや承認のためのサービスを導入しなければならない場合もあります。そのため、時間と費用が余計にかかります。
拡張フレームワークを使用すると、開発上のすべての非効率性を排除し、セットアップと開発のプロセスにおける摩擦を大幅に軽減できるため、デベロッパーはすぐに開発を開始することに集中できます。Looker のデベロッパーは、データ アプリケーションをホストするために DevOps やインフラストラクチャを用意する必要がなくなり、拡張フレームワークで構築したアプリケーションは、Looker の機能をフル活用できます。こうした効率性を実現するために、Looker の拡張フレームワークでは、Looker API と Looker SDK、視覚的なエクスペリエンスを構築するための UI コンポーネント、さらに認証、権限管理、アプリケーション アクセス制御が用意されています。
拡張フレームワークで作成されたコンテンツは、全画面に表示することも、外部ウェブサイトやアプリケーションに埋め込むこともできます。Looker 内部に拡張機能(たとえば、ダッシュボードにプラグインするカスタムタイルなど)を埋め込むことを可能にする機能もまもなく追加予定です。公開プレビュー期間を通して、すでに 150 以上の拡張機能が本番環境ユーザーにデプロイされており、さらに 200 以上の拡張機能が開発中です。それらの拡張機能には、拡張ナビゲーション ツール、カスタマイズ ナビゲーション、レポート作成アプリケーションの改良など、数多くのソリューションが含まれます。
拡張フレームワークの各種機能
Looker の拡張フレームワークには次の機能が含まれます。
Looker Extension SDK。Looker public API にアクセスし、Looker 環境内部とやり取りするための機能を提供します。
Looker コンポーネント。拡張機能内で使用できる事前構築済みの React UI コンポーネントのライブラリ。
Embed SDK。拡張機能内へのダッシュボード、Looks、Explores の埋め込みに使用できるライブラリ。
create-looker-extension ユーティリティ。必要なすべての拡張機能ファイルと依存関係を含む拡張機能スターター キット。
Google の Looker の拡張機能フレームワークのサンプル リポジトリ。すぐに開始するためのテンプレートとサンプルが用意されています。
拡張データ エクスペリエンスの構築時に、サードパーティ API エンドポイントにアクセスし、サードパーティのデータを拡張機能に追加する機能(Google Maps API など)。
Looker で全画面表示の拡張機能を作成する機能。内部および外部のプラットフォーム アプリケーションで全画面表示の拡張機能が使用できます。
作成された拡張機能にアクセスキーを構成する機能。この機能を使用することで、ユーザーは拡張機能の実行にキーの入力が必要になります。
次のステップ
Looker の拡張機能フレームワークをまだ使われていない場合は、ぜひお試しください。データアプリの開発が大幅にしやすくなるはずです。今後数か月間にわたり、拡張フレームワークの強化を継続的に行っていく予定です。これは、必要なコードを大幅に削減し、ローコードまたはノーコードのフレームワークでデベロッパーを支援することを目的としています。
拡張フレームワークを使用した開発を開始いただくための包括的な詳細情報とサンプルはこちらからご利用いただけます。拡張機能フレームワークの新しい機能が皆さまの創造性を刺激し、新たなエクスペリエンスの開発の助けとなれば幸いです。
-プロダクト マネジャー Tochi Nwachukwu
-スタッフ ソフトウェア エンジニア Bryn Ryans