Looker プロダクトの新機能がデータ エクスペリエンス方法を一新
Google Cloud Japan Team
※この投稿は米国時間 2021 年 7 月 22 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。
本日 Google は、組織がデータドリブン エクスペリエンスを大規模に提供できるようにする、新機能を発表いたします。これは、ビジネス トランスフォーメーションを成功に導く重要な機能です。
過去 20 年間にわたり、データ エクスペリエンスの方法は根本的に変化しています。ストリーミング サービスでの映画視聴、オンライン ショッピング、スマート ウォッチを使用したトレーニングなど、データは自然とスムーズに生活の欠かせない一部となりました。日々データに囲まれることは習慣となり、その存在には気づきにくくなっています。
私生活において私達がどうやってデータ エクスペリエンスに慣れ親しんできたかは、仕事でデータに何を求めるかに影響しています。Google が世界中の情報へのアクセス方法を変革したように、Looker はビジネスデータのエクスペリエンスを一新することで働き方を変革できます。それを実現するには、データの配信と分析へのアプローチの見直しが必要です。
従来の BI を超えてリッチデータのエクスペリエンスを生み出す
これまで以上に、従来のデータの可視化とダッシュボードにとらわれずに考える必要があります。ダッシュボードは今後も重要であり、Google は Looker のデータ可視化機能への投資を続けますが、大切なのはこれだけではありません。インフォメーション ワーカーには、現行の働き方に合わせたリッチデータのエクスペリエンスが必要です。これらのエクスペリエンスには、既存のアプリケーションの価値を高めるデジタル エクスペリエンスを強化することや、カスタマー エクスペリエンスを向上させ、データの収益化の機会をもたらすことにより、エンゲージメント、コンバージョン、支持を強化するデータドリブンのサービスを構築するための、データドリブンのビジネス ワークフローの推進剤としてデータを利用することが含まれます。
Google が Looker 21 の一部として新たな機能セットをリリースするのもこの意図に合わせたものです。Looker 21 により、組織はそうしたデータ エクスペリエンスや革新的なデータ プロダクトを素早く構築し、パッケージ化された分析機能によって知見をさらに多くのビジネス領域に拡大できるようになります。
Looker 拡張フレームワークによる高速なアプリケーション開発
こうした機能の一つに、新しい Looker デベロッパー ポータルの一部である Looker 拡張フレームワークがあります。これは、ウェブ アプリケーション構築の退屈な作業の一部を自動化し、開発者がデータ プロダクトの開発という最も重要なタスクに注力できるようにするためのものです。ホスティング、セキュリティ、DevOps を処理することで開発者の負担を軽減できるので、開発者は優れたユーザー エクスペリエンスの構築のみに注力し、配信に手間をかけずに任せることができます。Google のパートナーの 1 社である 4Mile Analytics は、拡張フレームワークを活用してデータセットのスライス間の指標を簡単に比較し、ユーザーがデータを使用して質問し、情報を得られるようにしました。
「Looker 拡張フレームワークの使用は当社にとって大革新となりました。アプリケーションを素早く開発およびデプロイできます。認証やホスティングを気にする必要はなく、Looker プラットフォームの外観に合わせることができ、フロントエンド開発の時間が短縮されます」と、4Mile CEO の Nick Fogler 氏は語っています。
Looker の強力な開発ツールにより、組織はさらに簡単にデータを収益につなげ、新しく継続的な収益源を作り出すことができます。Google が 2021 年 6 月に委託した Forrester Consulting の Total Economic Impact™ の調査で、次のことがわかりました。「インタビューを受けた顧客は、アナリティクスを独自のプロダクトに組み込める機能により、平均販売価格を高めてより優れたカスタマー サービスを実現できるようになりました。Looker の実装後、平均契約価値は 26%、顧客維持率は 7% 増加しました。」(https://looker.com/learn/forrestertei)
ビール、ワイン、スピリットの北米最大の e コマースおよび提供プラットフォームである Drizly は、Looker を活用して、サプライヤーや小売店向けの新たなデータ プロダクトをわずか 6 か月で市場に提供しました。
「パンデミックが始まったとき、8 倍の成長を経験し、データ戦略を一新することになりました。Looker はこの急速な成長に対応して顧客をサポートすることができました。既存のデータモデルと基盤を Looker で活用することにより、Looker の API と開発フレームワークを使用して、まったく新しいデータ プロダクトをわずか 6 か月で開発および収益化できました。」 - Drizly 社 BI マネージャー Athena Casarotto 氏
Microsoft Azure 上でのホスティングによるマルチクラウドの継続的なサポート
Drizly のように組織がデータ プロダクトを構築してデータを収益につなげるのにあたって、データリーダーにとっての課題はアプリケーションをホストおよびデプロイするプラットフォームの選択です。多くの組織は、複数のデータベース上にデータを保存し、複数のクラウド プロバイダやオンプレミスに分散させています。このリリースでは、マルチクラウド アプローチへのコミットメントを再確認し、Google Cloud と AWS に加えて Microsoft Azure 上でのホスティングをサポートするようになります。Looker を好みのクラウドでホスティングすることにより、組織はパフォーマンスを向上させ、クラウドのデプロイを統合し、コンプライアンスの要件を遵守して、アナリティクスをクラウド戦略にさらに適合させることができます。
Moderna はマルチクラウドのデータ戦略を活用し、目下の業務向けの最適なツールを使用および統合しています。
「Looker は、好みのデータベースを選択し、統合を活用してデータを利用しやすく実用的なものにするため、この理念に合致しています。全体として、Google はマルチクラウド環境で多くのことを行っています。これにより、お客様はベンダーについて考える必要がなく、ジョブの遂行に必要なものだけを採用できます。」 - Moderna 社 情報科学、データ サイエンス、AI 担当バイス プレジデント Dave Johnson 氏
より簡単な開発、わかりやすい費用管理、よりアクセスしやすい知見
Google のエンジニアは、前述の改善点に加え、高度な新機能のセットを構築し、モダンな BI からカスタム データ アプリケーションに至るまでの、広範なデータ エクスペリエンスをサポートしています。ご活用いただける Looker の新機能の一部を紹介します。
API Explorer - Looker API を探索し、リクエストをプロトタイピングして、複雑な API 呼び出しをコードを書くことなく実行するための、インタラクティブな方法です。
フィルタ コンポーネント - 開発者が、Looker の任意のダッシュボードで宣言したフィルタを、埋め込まれた任意のアプリケーションや拡張機能に提供できます。
Cloud コスト管理ソリューション - 3 つの主要なクラウド サービス全体における透明性を保ちながら、即座に利用を開始するための、すぐに利用できる堅牢なレポートおよび BI 機能を提供します。
Looker モバイルアプリ - すべてのユーザーが外出時もモバイル デバイスで知見を取得できるようになります。アプリは 22 の言語で利用でき、顔認証や指紋認証などの生体認証に対応しています。
Looker の使命は、データのよりスマートな活用を通じてお客様のお力になることです。Google にとっては、ビジネスに合わせてスケーリングおよび成長して、開発者が革新的なデータ プロダクトを高速に構築できるようにし、ビジネスのスマート化を促進するプラットフォームを通して、組織が人々の働き方に合わせた豊かなデータドリブンのエクスペリエンスを構築できるようにすることを意味します。
これらの新機能の詳細については、こちらの「Looker Summer 21 Product Features」ガイドをお読みください。
-Looker アウトバウンド プロダクト管理担当ディレクター Pedro Arellano