大手通信企業、IT を再構築し、よりパーソナライズされたコンテンツで顧客サービスを改善

Google Cloud Japan Team
※この投稿は米国時間 2020 年 10 月 28 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。
通信プロバイダが大きなプレッシャーにさらされていることは言うまでもありません。1 つのプロバイダが、電話通信、デジタル エンターテイメント、ブロードバンドなどのあらゆるニーズを満たしてくれることに、お客様は大きな期待を寄せています。また、プロバイダの選択肢が増え、切り替え費用が低くなるにつれて、顧客ロイヤルティの創出や維持がますます困難になっています。
UPC Polska もこの課題を十分すぎるほど実感していました。当社はポーランドの大手通信プロバイダとして、過去 20 年間にわたり構築してきた IT インフラストラクチャを活用し、毎日 150 万人のお客様に 300 万ものサービスを提供しています。オンプレミスでいくつかのビジネス クリティカルなアプリケーションを実行していますが、既存の環境では新機能の開発、テスト、デプロイが迅速に行えないことが次第にわかってきました。その結果、機能のリリース プロセスを加速させるためには IT インフラストラクチャの変革が必要であり、これを行わなければお客様を失ってしまう可能性があることをはっきりと認識したのです。
いくつかの候補がある中で、ハイブリッド環境全体で統一された管理機能を提供し、アプリケーションのモダナイゼーションが簡単に行える、Google Cloud の Anthos を選びました。できるだけ早く Anthos を導入したかったのですが、安全かつ効果的な導入を行うには、経験豊富なグローバル システム インテグレータが必要であることもわかっていました。最終的に Accenture を選定し、わずか 6 週間でプロジェクトを完了できました。
文化とテクノロジー変革の融合
当社のカスタマー サービス アプリケーションを使用すれば、100 万人以上のお客様と高度にパーソナライズされた関係を築くことができます。迅速な機能リリースが商業的成功を収めるうえでの重要事項であったため、Anthos によるモダナイゼーションの最初のターゲットにはこのアプリケーションも含まれました。Accenture は当社のアーキテクチャの理解に努め、アプリを新しいハイブリッド環境に確実に移行するために必要なクラウド ファーストの戦略と保証を提供してくれました。
Google Cloud と Accenture の支援のおかげで、チームはウォーターフォール型からアジャイル型へと変わった管理モデルと開発モデルを受け入れることができました。技術面とインフラストラクチャの大幅な変化に加え、プロセス、責任、作業方法の変化も伴う難しい移行でしたが、最終的に新機能の市場投入までの時間の短縮を実現しました。
この新たなアプローチで DevOps チームを成功に導くために、オンプレミスのデータセンターに Anthos をデプロイしました。Anthos を使用すると、均一なポリシーを大規模に設定し、さまざまな環境におけるセキュリティ、脆弱性管理、ダウンタイムについて、不安なく継続的に機能をリリースすることができます。開発者はより優れたコードの記述に集中でき、オペレーターは Anthos を使用して、これらのアプリケーションをどこでも効果的に管理して実行できます。Accenture はさらに、トレーニングとサポートを通じてスタッフをすばやく軌道に乗せることで、これら全体を機能させるために必要なクラウド ファーストの DevOps 文化の変革を促進しました。
Google Cloud や Accenture と連携して Anthos をデプロイすることの最大の利点として、スタッフのエンゲージメントの向上が挙げられます。インフラストラクチャ管理ではなく個々の主要な役割に集中できるようになったため、チームはできる限りの成果を上げようと懸命に取り組んでいます。Anthos は、どのワークロード、機能、データをクラウドに移行すべきか、どれが当社のオンプレミスのインフラストラクチャに適しているかを把握するために役立ちます。UPC Polska で現在このプロジェクトに携わっている全員が、Anthos によりクラウドとオンプレミスのそれぞれの長所が提供されていると言うでしょう。クラウドのアジリティとスピードに加え、従来のオンプレミスのインフラストラクチャも引き続き使用できる機能性と使いやすさがもたらされているためです。
UPC Polska チーム、Accenture、Google Cloud 間の晴らしい共同作業により、アジャイル開発プロセスに統合する必要のある開発、テスト、本番環境クラスタを手に入れることができました。今では、開発者とオペレーターの両者が、スケーラビリティの向上、システムの復元力の強化、コンテナに関する知識の充実といったメリットを享受しています。
取り組みの重要性
Accenture や Google Cloud とともに行ってきたことはすべて、150 万人のお客様に提供するサービス品質を定義、提供、改善するというコミットメントに基づいています。適切なテクノロジーと DevOps 戦略を導入していても、このような大規模なパーソナライズは困難な場合があります。幸いなことに、当社は素晴らしいチームを抱え、Google Cloud と Accenture からの多くのサポートを受けることができました。IT インフラストラクチャと文化が、Anthos を利用したアジャイルなモデルの一部として連携することで、パーソナライゼーションへの取り組みの可能性が無限に広がり、お客様へのより多くのサービスの提供方法を考えることが可能になりました。たとえば、ソフトウェア定義アクセス ネットワーク、クラウドベースの CRM、高度にパーソナライズされたカスタマー エクスペリエンス、スマートホーム テクノロジー、モバイル ネットワークと固定ネットワークの統合、コンテンツやサービスの増え続けるポートフォリオなどのプロジェクトを検討しています。UPC Polska の歴史の中で、この新しく急速に変化する時代を迎えるにあたり、Accenture や Google Cloud と協力して当社のお客様により良いサービスを提供できることを楽しみにしています。
このプロジェクトで UPC が Google Cloud や Accenture とどのように連携したかについて詳しくは、導入事例の全文をご覧ください。
-UPC Polska 最高技術およびイノベーション責任者 Monika Nowak-Toporowicz