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Anthos

Anthos でビジネスのアジリティと柔軟性を向上

2020年4月23日
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Google Cloud Japan Team

※この投稿は米国時間 2020 年 4 月 23 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。

人生と同じようにビジネスの世界でも、常に予想のつかない変化が起こっています。そのため、組織の強化のためにプラットフォームを構築する際も、過去のテクノロジーの常識にとらわれる必要はありません。むしろ、将来の展開に柔軟に対応できるようなシステムを構築すべきです。さまざまなお客様のニーズに応え続けるためには、組織はその期待を上回る必要があります。変化を乗り切り、それを踏み台にさらに飛躍するために必要なアジリティを実現できるアーキテクチャが必要です。  

クラウド アプリケーション プラットフォームである Anthos を発表してからわずか 2 年足らずの間に、Google では、機能を継続して拡張し、あらゆる規模の組織がアプリケーションの開発、デプロイ、管理のスピードと柔軟性を向上させられるように努めてきました。

「KeyBank は創業からほぼ 200 年の企業であり、この長い歴史の間に、変化に対応することについて多少なりとも理解できるようになりました」と、KeyBank の最高技術責任者を務める Keith Silvestri 氏は述べています。「Anthos により、KeyBank はリリースするときに真に差別化を図ることができました。また、アジャイル方法論を実践するうえでの土台となっています。当社のチームでは、もともとオンプレミスとパブリック クラウドを併用していましたが、複数のクラウドを使用して以前よりも短時間で複雑なタスクを管理できるようになりました。これにより、お客様にサービスを提供する方法に集中できるようになりました。」

現在 Google は、Anthos を拡張して、対応可能なワークロードと環境の種類を増やし、ロケーションを拡大しています。あらゆる環境で機能するアプリケーション構築の際にお役に立ちます。   

より多くのクラウド、より多くの選択肢

多くの企業が、デジタル変革を推進するためにクラウドが必要であることを理解しています。昨年、Google はマルチクラウド ビションを発表し、Anthos による AWS 上のアプリケーションの実行と管理をプレビューしました。このたび、Anthos のマルチクラウド環境対応の一般提供を開始しました。これにより、オンプレミス、Google Cloud、AWS を皮切りとしたその他のクラウド(Microsoft Azure への対応は現在プレビュー中です)の統合が可能になりました。

Anthos を選択する主な要因は、複雑さを増すことなくアプリケーションを必要な場所で実行できる柔軟性です。多くのお客様は、オンプレミスとその他のクラウドへの既存の投資を維持したいと希望されています。共通の管理レイヤを持つことにより、チームは少ないオーバーヘッドで質の高いサービスを提供できるようになります。

多くのお客様は特にこの柔軟性に関心を持たれます。Anthos を使用することで、チームが 1 つのプラットフォームに縛られることなく、さまざまなプラットフォームを自由に活用できる点が鍵となります。Anthos の先行ユーザーである株式会社プレイドは、オンライン上のユーザー アクティビティをリアルタイムで可視化する日本のテクノロジー企業です。プレイドのサービスを利用するお客様は、常時利用可能な同社の分析サービスを通じて、リアルタイムで変更を加え、ユーザー エクスペリエンスを向上させ続けています。 

「プレイドでは、68 億人を超えるオンライン ユーザーのデータ分析をリアルタイムで提供しています。当社のお客様は、プレイドのサービスが常時使用できることを必要としています。結果として、サービスには非常に高い信頼性が求められます」と、株式会社プレイドの Head of Engineering を務める竹村尚彦氏は述べています。「当社は KARTE のクリティカルなサービスの冗長性を確保するために、マルチクラウド戦略をとることにしました。Google Cloud の Anthos は、GCP や他のクラウド プロバイダ全体でシームレスに動作して、ビジネスの中断を防ぎます。Anthos のおかげで、ベンダー ロックインを防ぎ、クラウド固有のインフラストラクチャ管理を避けられました。また、当社のデベロッパーはクラウド プロバイダによる制約を受けずに開発に従事できます。」

実際、マルチクラウドの採用は、特に先行きが不透明なときに戦略としての価値が高まります。IDC のアナリストは次のように述べています。「障害や混乱が起こると、IT 組織は短期的なコスト削減策に頼り、長期間のテクノロジーの変化に対しては受動的な姿勢を取りがちです。Anthos のマルチクラウド機能により、組織は費用対効果に優れたオンプレミスとクラウドのリソースを柔軟に組み合わせて使用できるようになるとともに、ビジネスの変革に必要な新しいデベロッパー サービスを利用できます。」

 1 つの環境ですべてのアプリケーションを管理

クラウド生まれのデジタル ネイティブな組織でも、従来型の企業でも、ワークロードを安定的に広範囲で管理する作業は困難です。特に、レガシーのワークロードが数多くある従来型の企業で問題になることがよくあります。今回の最新リリースでは、仮想マシンのサポートの強化によって多様な環境の管理が飛躍的に容易になり、既存のシステムの大部分を構成するタイプのワークロードに Anthos の管理フレームワークを拡張できるようになりました。

たとえば、従来のワークロードの中でも特に複雑な以下の 2 つを Anthos で管理できます。

  • ポリシーと構成の管理 - Anthos Config Management を使用して、Google Cloud 上の VM のポリシーを、コンテナの場合と同様にプログラムによる宣言的アプローチで管理できます。これによって、手作業で発生するおそれのある構成エラーが減ると同時に、提供までにかかる時間が短縮されます。その一方、プラットフォームではアプリケーションが常に望ましい状態で実行されるようになります。

  • 異種混合デプロイでのサービスの管理 - 今後数か月の間に、仮想マシンで実行されているアプリケーションのサポートも Anthos Service Mesh に追加される予定です。これによって、Google Cloud、オンプレミス、他のクラウドにあるさまざまなワークロードのセキュリティとポリシーを安定的に管理できるようになります。

これら 2 つ以外にも、従来のワークロードの管理にまつわるリスクと複雑性の解消に Anthos が役立つ事例があります。今後数か月をかけて、さまざまな仮想マシンとクラウド環境の一元的な管理フレームワークとして Anthos を活用するその他の方法について取り上げる予定です。

Anthos による効率の向上

柔軟にデプロイできることに加えて、お使いの環境でコストと非効率を排除できることも Anthos のメリットです。年内には、サードパーティのハイパーバイザを使用せずに Anthos を実行できるようになります。これによってさらにパフォーマンスが向上し、コストが削減され、別のベンダーと関係を持つ場合に発生する管理オーバーヘッドが排除されます。この点は、パフォーマンスまたは規制上の理由からベアメタルを必要とする条件の厳しいワークロードにも適しています。

ベアメタルはエッジ上の Anthos にも対応するため、データセンターやパブリック クラウド環境だけでなく、必要な場所どこにでもワークロードをデプロイできます。小売店、支店、リモートサイトのいずれでも、Anthos を利用すればアプリケーションをエンドユーザーの近くに配置し、最適なパフォーマンスを実現できます。

最後に、Migrate for Anthos によるアプリケーションのモダナイゼーションがさらに簡略化されます。ワークロードを手作業で再設計したりプラットフォームを再構築したりしなくても、コストの削減とパフォーマンスの向上を実現できます。今回の最新リリースで、導入 2 日目からのオペレーションを簡略化し、移行したワークロードを他の Anthos サービスと統合できるようになります。詳しくはこちらをご覧ください。

未来を見据える

大きな不確実性を抱えた現代に企業が必要とするのは、すでに導入しているテクノロジーを活用しながら、将来的に起こり得る状況に対応できるだけの柔軟性を備えたアプリケーション プラットフォームです。Google Cloud とそのパートナーが、そうしたプラットフォームの導入を支援します。

「柔軟性を少なくしたい、というお客様の要望を聞いたことがありません。Anthos を AWS で実行できれば、ニーズに適したプラットフォームを設計するオプションをさらに多く顧客に提供できることになります。これは特に、厳しい時代には重要です」と、SADA の CTO である Miles Ward 氏は述べています。「高まる需要への対応に集中するか、既存の投資を活かすか、新たな方法で顧客にアプローチするかにかかわらず、インタークラウドにとってこれは大きな一歩です。」

ワークロードを Google Cloud、オンプレミス、サードパーティのクラウド プロバイダのいずれで実行する場合も、Anthos を導入すれば安定したプラットフォームを手に入れ、変化する環境でも優れた機能を発揮するアプリケーションをチームで構築できます。

Anthos によるアプリケーション モダナイゼーションを通じた経済効果については、こちらで詳しく説明しています。

-By Google Cloud プロダクト管理担当バイス プレジデント Jennifer Lin

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