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Google Workspace

AppSheet と Apps Script の使用で、Google Workspace ユーザーが必要なソリューションを構築可能に

2020年10月29日
Google Cloud Japan Team

※この投稿は米国時間 2020 年 10 月 21 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。


Google は最近、メッセージ送受信、会議、ドキュメント、タスクをシームレスに統合し、お客様が作成作業、コミュニケーション、共同作業をより効果的に行えるよう支援する Google Workspace を発表しました。Google Workspace には、Google Cloud のノーコード開発プラットフォームである AppSheet や、Google Workspace の統合型ローコード開発プラットフォームである Apps Script を通じて、Google Workspace を超える方法で生産性を拡張しカスタマイズする機能が備わっています。

これらのプラットフォームの利点は、コーディングの知識を持たない人でも、誰もが自分の仕事をカスタマイズできることにあります。現場対応チームがお客様の訪問を追跡するために使用できるアプリ、特定の計算を実行する Google スプレッドシートのカスタム関数、反復的なタスクを自動化するマクロの構築など、AppSheet と Apps Script を使用することで、このようなタイプのカスタム ソリューションをこれまで以上に簡単に作成できます。

AppSheet と Apps Script では、ユーザーがビジネスアプリを作成し、ワークフローと自動化を確立することで、Google Workspace の機能を拡張することができます。AppSheet を使用すると、Google Workspace アプリケーション上にカスタム アプリケーションを構築し、コードを記述せずに環境内で他のすべてのサービスとアプリケーションを構築可能です。一方、Apps Script を使用すると、わずか数行のコードでのカスタマイズにより、Google スプレッドシートの関数、メニュー項目、トリガー、データ検証などの Google Workspace アプリケーションの動作を拡張、変更できます。

コードを記述せずに Google Workspace を拡張する方法

真のノーコード プラットフォームである AppSheet では、お気に入りの Google Workspace アプリケーションを活用するアプリやワークフローを含め、アプリまたはワークフローを作成、デプロイするのにコードを記述する必要はありません。AppSheet の UI を使用すれば、あらゆることを行えます。この UI には、機械学習を利用した自然言語機能のほか、複雑なコードを Google スプレッドシートの数式に似たユーザーフレンドリーな形式に変換する式が含まれています。一般的なユースケースとしては、フィールド サービスやデータ収集、輸送ロジスティクス、コンプライアンス報告、配達品追跡、財産調査の円滑化などが挙げられます。

AppSheet アプリケーションでは、幅広いデータソースと関数を利用できます。カスタム アプリケーションと SQL データベースで取得したデータから、Google マップや Google Workspace アプリケーション(Google スプレッドシート、ドライブ、ドキュメント、カレンダー、Meet など)を含むその他のソースまで、AppSheet は、ビジネス ソリューションを作成してワークフローを改善するための無限の可能性をもたらします。AppSheet アプリケーションは、モバイルアプリおよびウェブアプリとしてデプロイされるため、デスクトップ、iOS、Android のいずれのプラットフォームであっても、お気に入りのブラウザでサポートされ、チームが日常的に使用する業務用デバイスを柔軟に使用できるようになります。

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Google スプレッドシートのデータを使用した AppSheet アプリの作成

ローコード プラットフォームで Google Workspace をカスタマイズする方法

Apps Script は Google Workspace に含まれるローコード開発プラットフォームで、Gmail、Google ドキュメント、スプレッドシート、ドライブなどのお気に入りのアプリとの統合、これらアプリ内のプロセスの自動化、これらアプリの拡張を行うカスタム ビジネス ソリューションの迅速かつ簡単な構築を実現します。Apps Script は、スクリプト言語である JavaScript を使用し、Google Workspace API およびイベントと JavaScript をネイティブに統合して、日々のルーティン作業を簡素化できるよう、メニューからマクロや自動化まで、カスタム ビジネス ソリューションの構築を一貫して支援します。

Apps Script は、すでに業務を行っている環境に合うよう設計されているので、複雑な作業なしに利用を開始できます。Apps Script による処理はクラウド内、すなわち Google ドライブ内ですべて行われます。ダウンロードすべきものも構成すべきものもなく、メンテナンスすべきサーバーもインフラストラクチャもありません。コード記述経験が少ないと心配になるかもしれませんが、Apps Script はビジネス ユーザーのことを考えて作られており、複雑さがかなり解消されているため、簡単に使い始めることができます。フォーラムでユーザーが共有しているサンプルのソリューションとスクリプトからオンライン チュートリアルまで、さまざまなサポート リソースが用意されているため、デベロッパーも技術的知識のないユーザーも、Apps Script を使用して Google Workspace をカスタマイズおよび自動化するソリューションを迅速かつ簡単に構築できます。

場合によっては、数行のコードをコピーして貼り付けるのと同じくらい簡単にソリューションを自動化できることもあります。また、すでに JavaScript の経験がある場合は、Apps Script を使用することで、より多くのことを簡単に行い、スキルを強化できます。

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Apps Script、Google スプレッドシート、Google スライドを使用したカスタム売上報告書の例

AppSheet、Apps Script、またはその両方を使用して、Google Workspace を拡張する

Apps Script を使用すると、カスタムロジックを使用して Google Workspace アプリケーションを拡張、変更することができます。また、AppSheet を使用すると、Google Workspace やその他のサービスおよびアプリケーションの上にカスタム アプリケーションや業務自動化の仕組みを構築できます。小規模なプロセスの処理を速めるための単純なスクリプトから、基幹業務のワークフロー全体を再定義するための高度なアプリまたは自動化機能まで、ビジネス上の差し迫った要望に応える斬新なソリューションを生み出すことが、これまでになく簡単になりました。Apps Script と AppSheet はそれだけでも役立ちますが、お互いを補完し合うため、併用することでさらに便利さが増します。

Google では、シチズン デベロップメントのおかげで IT 部門では追いつけない多数のアプリが制作できるため、多くの企業がプロダクトの在庫を大幅に削減する様子を見てきました。シチズン デベロッパーはソリューションを構築したいと考えており、多くの場合、ノーコード ツールとローコード ツールさえあればソリューションを構築できます。さらに、シチズン デベロッパーだけでなく従来の IT 部門でも AppSheet と Apps Script の両方を使用して、ワークフローを高速化し、複数のタスクをより簡単に実行することができます。どちらのソリューションでも、IT 部門は、アプリ作成プロセスで十分な可視性とガバナンスを維持するために必要なツールを使用可能です。

ただし、どのプラットフォームをいつ使用すべきか、プラットフォームがどのようにやり取りするのか、気になるところかもしれません。特定のユースケースでこれらのプラットフォームを使用するタイミングを判断するため、以下の点を考慮することをおすすめします。

  • ご自身がどのツールについて詳しいか?

  • 何を実現したいか?

  • 解決しようとしている問題がどれだけ複雑か?

以下では、特定のソリューションを構築するために AppSheet と Apps Script を最大限活用する方法を判断するためのユースケースをいくつか紹介します。

「Google Workspace のデータを活用し、ノートパソコンでもモバイル デバイスでも使用できる直感的なユーザー インターフェースのアプリケーションを構築したい。」

こういった用途を考えている場合は、どのデバイスでもわかりやすく、反応が良く、直感的にわかる UI を表示してくれる AppSheet をおすすめします。

「Gmail、Google スプレッドシート、ドキュメントなどの複数の Google Workspace アプリケーションとのやり取りに使用できるソリューションを構築したい。」

両方のプロダクトともこの目的に使用できるため、もう少し詳しく見ていきましょう。

Google Workspace を活用したアプリが必要な場合、ユーザーがさまざまな Google Workspace プロダクトのデータや機能をユーザー フレンドリーなアプリケーションに取り込める AppSheet をおすすめします。在庫管理ソリューションを作成する必要があるとしましょう。在庫データを満載した Google スプレッドシートを読み込んで更新してから、在庫数量が少なくなったら通知メールと通知テキストを送信する AppSheet アプリを作成してもよいでしょう。一方で、AppSheet には、光学式文字認識やデータ異常検出などのバーコード機能、NFC 機能、QR コード読み取り機能、機械学習機能が備わっています。これらすべての機能により、在庫管理アプリの性能がさらに向上します。

ここで、ある Google Workspace アプリでのアクションをきっかけとして別の Google Workspace アプリであるイベントを発生させるソリューションを構築したかったとしましょう。アクションによっては、両方のプラットフォームをこの用途に使用することができます。Apps Script は、各 Google Workspace アプリ用に堅牢なサービスを数多く備えています。これらのサービスにより、あるアプリでのアクションに応じて別のアプリでのアクション(Google ドライブで新しいフォルダを作成する、メールを送信するなど)をトリガーできるワークフローと自動化機能を設定できます。AppSheet でこのようなワークフローを構築することも可能です。AppSheet は、Apps Script ほど広範なサービスを備えているわけではありませんが、それでも多くの一般的なユースケースに対応できます。では、どちらを使用すべきでしょうか。それは、どのプラットフォームに慣れ親しんでいるか、カスタマイズをどの程度管理するか、コードを使用するかどうかによって決まります。

「サードパーティのデータソースを使用したい。」

この場合も、両方のプラットフォームを使用することができます。AppSheet は、SQL データベースやサードパーティ製 API など、多様なデータソースに接続できます。ただし、データを Google スプレッドシートや他の Google Workspace アプリケーションに取り込むだけでなく、データを整理およびカスタマイズするのであれば Apps Script をおすすめします。

「Google スプレッドシートで独自の計算式を作成したい。」

Google スプレッドシートでは、AVERAGE、SUM、COUNT など、何百種類もの組み込み関数を使用することができます。このような関数だけでは足りない場合は、Apps Script を使用して、メートルをマイルに変換、インターネットからライブ コンテンツを取り込んでから、組み込み関数と同様に Google スプレッドシート内で使用する関数など、独自の関数を作成できます。

「送信した Google フォームの情報を使用して、応答メールを自動送信し、送信したフォームを Google スプレッドシートのメニュー項目に設定する自動化の仕組みを作成したい。」

Apps Script の優れた機能の一つとして、カスタム メニューを使用する自動化の仕組みを作成する機能が挙げられます。この機能により、必要なときに必要な場所から情報に簡単にアクセスできます。Google スプレッドシートでカスタム メニューを作成すると、Google Workspace アプリケーションのツールバーにカスタム メニューがオプションとして表示されます。これにより、[ファイル] > [印刷] をクリックするのと同じくらい簡単に Apps Script でスクリプトを実行できます。Apps Script では広範なカスタマイズが可能ですが、AppSheet も、直感的な、自然言語ベースのインターフェースを介して構築し、すぐに利用できる多くのビジネス オートメーション機能を備えているため、このユースケースに対応した強力なリソースとなります。

併用することでより便利に

AppSheet または Apps Script のいずれかが所定の用途により適している場合もありますが、次の例が示すように、この 2 つのソリューションを併用することで、さらに多くのことができることもあります。

「複数の情報源から情報を集めて体裁を整えて、その情報と連携するためのアプリを作成したい。」

Apps Script を使用すると、Google ドキュメント、スプレッドシート、カレンダー、サードパーティ製 API などの複数の情報源から情報を取得し、スプレッドシートへの情報の集約を自動化して、必要に応じてスクリプトで情報を操作することができます。さらに、そのデータを基に AppSheet アプリを構築し、独自のカスタム UI を介してデータと連携できます。

「チームが連携でき、特定のアクションが発生したときに複雑なワークフローをトリガーしてくれるアプリを構築したい。」

AppSheet または Apps Script に組み込まれたワークフローをトリガーできるアプリを AppSheet で構築できます。希望するアクションに応じて、いずれかのプラットフォームが機能します。すでに Google Workspace 内で Apps Script ワークフローを設定している方は、AppSheet を使用して簡単にアプリを構築し、ワークフローがいつ、どのようにトリガーされるかを管理できます。すでに Apps Script のウェブアプリを構築している方は、管理とメンテナンスのしやすさを考慮して AppSheet でウェブアプリの構築を試すようおすすめします。

「複雑なワークフローのフロントエンドとしても機能する、最新鋭の管理しやすいアプリが欲しい。」

AppSheet と Apps Script の両方を使用できる絶好のユースケースです。AppSheet は、Apps Script に組み込まれたトリガーから必要なデータを収集する Google スプレッドシートを基にアプリを構築する場合に使用することができます。トリガーを使用すると、Google ドキュメント、スプレッドシート、スライド、フォームのファイルを誰かが開いたり編集したりしたときなど、特定のイベント発生後に Apps Script が自動的にサービスを実行できます。トリガー以外にも、Apps Script を使用すると、AppSheet に組み込まれたアプリによりモニタリングされるさまざまなワークフローをバックグラウンドで作成可能です。

まとめと重要ポイント

AppSheet と Apps Script は、ビジネスをより迅速に進め、その生産性を高められるよう、優れた問題解決機能を備えています。多くの業界の企業による AppSheet の使用例をさらに確認する場合は、AppSheet ソリューションのページをご覧ください。自動配信レポート、メール、カスタム メニューの作成例については、Apps Script ソリューション ギャラリーをご覧ください。Google は、今後も AppSheet と Apps Script を斬新な形で統合し、便利なソリューションをより簡単に構築できるよう努めてゆく予定です。皆様が何を作成されるかに今後も目を向けてまいります。


-Apps Script プロダクト マネージャー Keith Einstein

-AppSheet プロダクト マネージャー Scott Haaland

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