Cloud Storage Insights を使って大量のデータを把握、管理する
Google Cloud Japan Team
※この投稿は米国時間 2023 年 5 月 20 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。
Cloud Storage では、インフラストラクチャやスケーラビリティの制約を受けることなく、クラウド ストレージの使用量をテラバイト(TB)からエクサバイト(EB)までスケールすることが可能です。しかし、データの量が増えるに従って、データを効率的に検索、管理するのが難しくなり、セキュリティ上の欠陥や、予想外のストレージの出費といった問題がもたらされるおそれがあります。
こうした問題に対処するため、このたび Storage Insights インベントリ レポートの提供を開始したことをお知らせいたします。このレポートでは、Cloud Storage バケットに格納されたデータアセットに関する包括的かつ実用的な分析情報を確認できます。さらに、ストレージ クラス、サイズ、ETag、コンテンツ タイプなど、各種オブジェクトのメタデータや詳細情報も記載されています。このインベントリ レポートを BigQuery などの分析用プロダクトにインポートしてさらに詳しい分析を行うことで、オブジェクトの監査や検証、ストレージ費用の分析、データ セキュリティおよびコンプライアンスの確保などにお役立ていただけます。また、インベントリ レポートを参照して、削除しても問題ない不要なオブジェクトを特定したり、低費用のストレージ クラスに移動したりして、ストレージ費用を節約することもできます。
Storage Insights を使用する
Storage Insights インベントリ レポートは、スケジュールに従って生成できるパフォーマンスに優れたレポートであり、Object list API の代わりとして使用できます。バケットレベルでの使用が可能で、構成操作は API、gCloud CLI、SDK、Google Cloud コンソールなどから行えます。レポートは、バケットのローリング スナップショットを取得することによって生成され、本番環境のパフォーマンスには影響しません。
レポートの作成スケジュールを構成するには、頻度として毎日または毎週を選択し、開始日と終了日を指定します。また、CSV や Parquet などの利用しやすいファイル形式でレポートを保存し、BigQuery などの優れたツールでさらに分析を進めることも可能です。
Storage Insights に対するお客様の声
「Google Cloud Storage Insights は、当社に計り知れない価値をもたらしてくれました。社内での Cloud Storage リソースの使用パターンを把握し、リアルタイムで業務運営の改善に役立つデータドリブンな意思決定ができるようになりました。Storage Insights で生成される情報を利用すれば、カスタム アラートや通知、インタラクティブ ダッシュボードをすばやく簡単に作成できます。このようにして、ストレージに関するニーズを常に把握できるため、データのパフォーマンスや可用性を犠牲にすることなくストレージ費用を節約する、といったことが可能になっています。」 - Priceline、データおよびマーケティング担当バイス プレジデント、Sachin GopalaKrishnan 氏
「ShareChat と Moj は、ソーシャル メディアおよびショート動画プラットフォーム分野をリードするインドの企業です。時間の経過とともに、当社の Cloud Storage バケットには膨大なデータが蓄積され、分析情報を取得したり、データに基づいて判断したりすることが極めて難しくなっていました。そんな状況を打破してくれたのが Storage Insights です。ストレージの使用量やパターンに関する貴重な分析情報が示され、使用されていないオブジェクトを特定、再分類、削除することができるので、費用の大幅な削減につながっています。インベントリ レポートと、BigQuery の高度な分析機能を駆使することで、他のツールと比べてわずかの費用で、数十億個にのぼるオブジェクトを 24~48 時間以内で効率的に分析することができました。Storage Insights がなかったら、同様の作業に何か月もかかっていたことでしょう。」 - Sharechat、エンジニアリング部門ディレクター、Chhaya Sharma 氏
今すぐ使用を開始する
Cloud Storage をご利用のすべてのお客様は、新規バケットや既存バケットで Storage Insights を設定し、大量のデータの効率的な管理に役立つ実用的な情報を入手できます。Storage Insights インベントリ レポートの使用料金は、レポート実行時にスキャンされるオブジェクトの数に基づいて決まります。レポートに含まれるオブジェクト 100 万個あたりの料金については、こちらでご確認いただけます。
Storage Insights の使用方法など、詳しい情報についてはこちらのドキュメントをご参照ください。
- Google Cloud Storage シニア プロダクト マネージャー Nishant Kohli