仮想イベントをグローバルに運営、Gramercy Tech がサーバーレス テクノロジーをどのように活用したか
Google Cloud Japan Team
※この投稿は米国時間 2022 年 5 月 25 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。
編集者注: 今回のゲスト投稿では、Gramercy Tech がお客様とベンダーの 2 つの立場から Google Cloud のサーバーレス テクノロジーに取り組んだ経験についてお聞きしています。大規模なイベントには常に多くの作業が伴います。複数のリージョンで事前にプロビジョニングされた Cloud Run のインフラストラクチャとグローバルなロード バランシングを活用することで、チームがコンテンツとイベントのエクスペリエンスに集中できました。
世界がコロナ禍から徐々に脱却していく中で、完全なオンラインでの仮想イベントから得た教訓は、イベントの運営や参加のあり方に永続的な影響を与えることでしょう。Google Cloud が Gramercy Tech にグローバルな社内販売イベントの運営支援を依頼した際、これを機に、サーバーレス テクノロジーとマルチリージョン デプロイメントを活用して、より優れたユーザー エクスペリエンスをより効率的かつより少ない運用負荷で提供するため、当社の Eventfinity プラットフォームの機能を強化する方法を検討することにしました。
世界中の視聴者が集まるイベントサイトでは、タイムゾーンだけでなく、イベントのライフサイクルによっても、負荷が大きく変動します。登録ウィンドウでは、開閉時にアクティビティが急増しますし、イベント期間中はライブ コンテンツと録画コンテンツが混在するため、トラフィックが少ない期間と多い期間が発生します。グローバル会議の参加者は、誰もが多忙なスケジュールを調整してこの時間に参加しており、エクスペリエンス全体を通じて迅速で応答性の高いイベントサイトを当然期待できるものだと考えています。これらの目標を達成するにあたり、以下のグローバルなサーバーレス アーキテクチャにプラットフォームを簡単に適応させることができました。
3 つのリージョンにデプロイされたアーキテクチャ
標準的なコンテナを使用したため、主要なアプリケーション サービスを Cloud Run にパッケージ化してデプロイするのは簡単でした。これを複数のリージョンにデプロイし、Cloud ロードバランサを使用して、世界中のどこからでもトラフィックが最も近いインスタンスにルーティングされるようにすることができました。Cloud SQL を使用することで、リード レプリケーションをグローバルに確立できました。Cloud Memorystore を利用してデプロイした Redis と Memcache により、プラットフォームのコア機能を高速に保つことができています。これらのマネージド サービスを利用することで、このアーキテクチャを迅速にデプロイでき、プラットフォームの運用に集中できました。マルチリージョン インフラストラクチャの設定が、これほど簡単だとは思いもよりませんでした。
メディアとコンテンツを Cloud CDN にオフロード可能で、バイトの移動ではなく、エクスペリエンスに集中できます。
アプリケーション層は、ユーザーとプラットフォームとの直接的なやりとりの多くを処理するため、その需要は大きく変動します。Cloud Run は、環境全体にアップデートをデプロイするスピードと、インスタンスのスケールアップおよびスケールダウンにより、時間と費用を大幅に削減することができ、私たちにとって大きな変化をもたらしました。
まとめると、これまでのインフラストラクチャはコードを直接実行するベアメタル サーバーばかりでしたが、GCP の多くはコンテナを活用していたため、この経験により、チームがコンテナ システムをさらに活用するようになりました。この後押しにより、私たちは全設計において可能な限りコンテナやサーバーレス インフラストラクチャを使用してプラットフォームの再構築を行い、全体としてより速く安定した環境を構築できました。今後、私たちはシステムの大部分を GCP に移行する予定です。
Gramercy は、COVID-19(新型コロナウイルス感染症)以前のペーパーレス化、COVID-19 渦中の完全仮想化、ハイブリッド イベントという新境地など、時代のニーズに応じて常にテクノロジーを進化させてきました。イベント管理の最先端に立ち続けてきたその背景には、Google や Google Cloud との連携があったのです。
- Gramercy Tech、CTO(最高技術責任者)、Stephen Peek