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ネットワーキング

Google Cloud ネットワークの「エッジ」について

2021年3月4日
Google Cloud Japan Team

※この投稿は米国時間 2021 年 2 月 23 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。

Google は、ワークロードをモダナイズして実行し、世界中のどこにいてもより多くのユーザーとつながることができるインフラストラクチャの構築に取り組んでいます。このインフラストラクチャの一部は、Google Cloud のお客様に最高水準の接続性を提供する広範なグローバル ネットワークや、ISP やエンドユーザーとの接続を可能にするエッジ ネットワークで構成されています。

Google Cloud への接続方法については、パフォーマンスとコストを最適化するさまざまな柔軟なオプションを用意しています。では Google ネットワーク エッジに関して、何がエッジポイントを構成するのでしょうか。組織はその要件と接続状況に応じて、ネットワーク内のさまざまな境界点を「エッジ」と見なす可能性がありますが、各エッジがそれぞれ独自の方法でトラフィックを処理しています。たとえば通信事業者のお客様は、エッジをピアリングが発生するエッジポイント(POP)ではなく、Google Global Cache(GGC)が配置されている場所と考える場合があります。

この投稿では、エッジに存在するさまざまなアクセス ポイント、それらから Google Cloud に接続する方法、トラフィックの受け渡しが発生する仕組みについてご説明します。情報をご活用いただき、Google Cloud への接続方法に関する適切な意思決定にお役立てください。

GCP のリージョンとゾーン

エッジ オプションを検討する際にまず考慮すべき点は、ワークロードが Google Cloud のどこで実行されるかです。Google Cloud は、さまざまなリージョンやゾーンを構成する世界中の複数のロケーションでコンピューティング リソースをホストしています。リージョンには、ユーザーがリソースをホストできる特定の地域のデータセンターが含まれます。リージョンには 3 つ以上のゾーンがあります。たとえば、米国西海岸を指す us-west1 リージョンには us-west1-a、us-west1-b、us-west1-c の 3 つのゾーンがあります。

エッジ POP

エッジ POP は、ピアリングを介して Google のネットワークをインターネットに接続するポイントです。世界中の180 を超える相互接続点および 160 を超える相互接続施設に Google のポイントが存在しています。Google はエッジ POP をデータセンターに接続する大規模なグローバル メッシュ ネットワークを運用しています。相互接続ポイントの広範なグローバル ネットワークを運用することで、Google のトラフィックをユーザーに近づけることができるため、コストやレイテンシが軽減し、エンドユーザーのエクスペリエンスが向上します。

Google はあらゆる主要なインターネット サービス プロバイダ(ISP)との直接的な相互接続を確立しているため、Google のネットワークからお客様へのトラフィックの大部分は、お客様がご利用の ISP との直接接続を通じてやり取りされます。

Cloud CDN

Cloud CDN(コンテンツ配信ネットワーク)は、世界各地に分散している Google のエッジ POP を使用して、Cloud コンテンツをエンドユーザー近くのキャッシュに保存します。Cloud CDN はエッジ POP のインフラストラクチャをベースにしています。Google はエッジ POP を通じて、固有のウェブ プロパティに関連付けられたコンテンツをキャッシュに保存し、何十億のユーザーにサービスを提供しています。これにより Cloud コンテンツをお客様やエンドユーザーに近づけ、個々の POP をできるだけ多くのネットワークに接続しています。その結果、レイテンシを軽減し、トラフィックの急増(ストリーミング メディア イベントやホリデーセールなど)に確実に対応できるようにしています。

Cloud Interconnect POP

Dedicated Interconnect は、お客様のオンプレミス ネットワークと Google ネットワークを直接物理的に接続するものです。Dedicated Interconnect を使用すると、大量のデータをネットワーク間で効率的に送受信することができます。Dedicated Interconnect では、サポートされているコロケーション施設(相互接続ロケーションとも呼ばれます)でお客様のネットワークを Google のネットワークに物理的に接続する必要があります。ベンダーであるコロケーション施設プロバイダが、コロケーション施設でお客様のネットワークと Google のアクセス ポイント間の回線をプロビジョニングします。また、Partner Interconnect を使用して、サポートされているサービス プロバイダを介して Google に接続することもできます。現在は、95 か所以上のロケーションで Google Cloud との相互接続をプロビジョニングできます。

エッジノード(Google Global Cache)

Google のエッジノードは、Google のユーザーに最も近い Google インフラストラクチャの階層を表し、200 を超える国や地域の 1,300 以上の都市で運用されています。エッジノードでは、ネットワーク事業者や ISP が自身のネットワーク内で Google 提供のキャッシュをホストします。ホストのユーザーベース(YouTube や Google Play など)で人気のある静的コンテンツはエッジノードに一時的にキャッシュされるため、ユーザーはこのコンテンツを自身にはるかに近い場所から取得することができます。その結果、よりよいエクスペリエンスが実現され、ホストのネットワーク全体容量の要件が軽減されます。

Region Extension

Bare Metal Solution をはじめとする特殊なワークロードの場合、Google は GCP リージョンに近いコロケーション施設でサーバーをホストし、Google Cloud で実行されるワークロードに対して低レイテンシ(通常 2 ミリ秒未満)接続を提供します。こうした施設は Region Extension と呼ばれます。

エッジのこれから

エッジの価値は見る人によって異なります。Google はすでにインフラストラクチャ、ネットワーク、パートナーシップに対して大きな投資をしていますが、エッジに対する取り組みはまだ始まったばかりだと考えています。Google Cloud のリーチと機能が拡大していくなか、強固な信頼性、極めて低いレイテンシ、組み込み AI、そして 5G 以降のネットワークに対する統合性や相互運用性など、アプリケーション周りの状況はさらに進化しています。ネットワーク エッジおよびエッジクラウド機能に関して、進化をさらに進めて行く予定です。新しいエッジサイト、機能、サービスを引き続きリリースしてまいりますので、引き続きご注目ください。

今回の投稿を通じて、Google ネットワーク エッジのサービスや、Google Cloud で実行中のアプリケーションをエンドユーザーにつなげる方法が明確になりましたら幸いです。Google Cloud のネットワーク機能の詳細については、こちらの Google Cloud ネットワーキングのチュートリアルやソリューションをご参照ください。


-Google Cloud プロダクト マネージャー Shweta Jain
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