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Ericsson と Google Cloud が思い描くエッジと 5G の未来

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※この投稿は米国時間 2021 年 6 月 29 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。

編集者注: 5G は単なるネットワークである以上に、グローバルなスケーリングを迅速に提供し、今まで想像もしなかったようなユースケースを可能にする、イノベーションのためのプラットフォームです。これを実現するには、業界各社が協力して、拡大を続ける 5G のエコシステムの推進に取り組む必要があります。今回、Ericsson の CTO である Erik Ekudden 氏と、Google Cloud の Global Networking 担当バイス プレジデントである Bikash Koley が、エッジと 5G が秘める可能性に関する洞察を共有します。

複数のエキスパートが、2021 年はネットワークが 5G への対応を完了し、サービスの提供が開始される転換点になると考えています。しかし、通信サービス プロバイダ(CSP)は依然として、プロバイダ自身とそのサービスを利用する法人顧客が 5G の可能性を最大限に引き出せるように、ネットワーク、システム、インフラをモダナイズする作業に直面しています。こうした課題への対処方法を検討するにあたって、まずは 5G と従来のネットワークの相違点を確認しましょう。そのうえで、CSP が 5G とエッジを併用することで、5G のみを使用する場合と比べてどれほど優れたイノベーションのプラットフォームを提供できるかについて考えてみましょう。

5G ではアプリケーションとモバイル ネットワークの分離が解消

まず、5G がもたらすメリットとして、言うまでもなく速度の向上とレイテンシの低減が挙げられます。また、2G、3G、4G と進化を遂げる過程でパフォーマンスの改善が見られたものの、すべての世代を通じて、アプリケーションとネットワークはお互いの状況を把握できていませんでした。ネットワークはアプリケーションの動作に関知せず、アプリケーションはネットワークの能力を推測するほかなかったのです。

5G が今までと異なるのは、5G の開発とロールアウト自体の中で、真のイノベーションがいくつか起こっている点です。ネットワークはますます API 経由でアクセスできるようになり、アプリケーションはプログラム可能な方法でネットワークから必要なものを呼び出して使用できるようになっています。これにより、よりオープンなアーキテクチャとエコシステムが実現されようとしています。

5G でさらにオープンなアーキテクチャを活用

5G と前の世代の主な相違点の一つとして、CSP がこれまで使用してきた中で、5G が最もオープンで柔軟性の高いネットワーク アーキテクチャであることが挙げられます。これは、5G でサービスベースのアプローチが採用されていることに加えて、ハードウェア コンポーネントとソフトウェア コンポーネントが分離されていることによるものです。CSP は現在、主要なネットワーク要素をパブリック クラウド、プライベート クラウド、ハイブリッド クラウド、マルチクラウドで運用していますが、これは 5 年前には想像もできなかったことです。

こうしたオープンで柔軟性の高いアーキテクチャにより、クラウドをエッジに導入しつつ、これまでと同様に 1 つの画面から管理することが可能になります。従来のネットワークはドメイン固有で、管理がサイロ化され、サービスの作成と提供に時間がかかっていたため、この点は大きな飛躍と言えます。現在、ハイパースケール クラウド ベンダーとネットワーク機器プロバイダは、CSP がこうしたサイロを破壊して、より柔軟性の高い、自動化されたネットワークに分解できるようにするためのソリューションを提供しています。これにより、CSP はオーケストレーションと可視性のほか、マルチベンダー、マルチクラウド、ハイパースケール クラウド プロバイダ環境全体の管理性を高めることができます。さらに、ハードウェアとソフトウェアを分離することで、より柔軟性と費用対効果の高い方法でネットワークの世代をアップグレードすることが可能になります。

企業のニーズに合ったソリューションを提供するためには、CSP は接続性以外の機能も提供する必要があります。エンタープライズ サービス オーケストレーション(ネットワーク資産の公開、ネットワーク スライシングなど)は、アプリケーション エコシステムに価値を提供し、ネットワークと提供するサービスを管理するための基本機能です。

5G とエッジの組み合わせにより、業界におけるユーザー エクスペリエンスの再構築を推進

コンピューティング、ストレージ、ネットワーキングをエッジに集中させることで、CSP と企業はまったく新しいユーザー エクスペリエンスを提供できるようになります。たとえば、自動車業界が顧客の購買行動をどのように強化できるかを考えてみましょう。最近開催された CES 2021 イベントにおける Fiat Chrysler Automobiles のバーチャル ショールームでは、消費者がスマートフォンで QR コードをスキャンするだけで、自宅のドライブウェイや広場など、仮想の場所で 2021 年の新型 Jeep Wrangler 4xe の拡張現実(AR)モデルが目の前に映し出されるようになっていました。

さらに、Google Cloud でモデルをレンダリングしてモバイル デバイスにストリーミングすると、Wrangler の外観をあらゆる角度からさまざまな色で表示できるだけでなく、車内に入って細部を確認することもできました。この例は、1 つの業界における真のデジタル化の様子を伝えるだけでなく、デバイス、ネットワーク、エッジ、クラウド、アプリケーションの相互関係と、それがユーザー エクスペリエンスに及ぼす影響を示しています。

プログラム可能なネットワークがもたらす、アプリケーションの多様なユースケース

5G ネットワークのプログラマビリティにより、アプリケーション デベロッパーは基盤となるネットワークのすべてのメリットを真に享受できるようになります。プログラマビリティによりネットワークの使いやすさが向上するとともに、CSP、統合ソフトウェア ベンダー(ISV)、エコシステムは、適切なネットワーク レベルの API を公開して、ネットワークの動作に基づいてアプリケーションを最適化できるようになります(その逆も同様です)。たとえば、ネットワーク レイテンシとパフォーマンス指標に基づいて、あるクラウド リージョンからエッジにアプリケーションを自動的に push できます。

最後に、5G のプログラマビリティにより、デベロッパーは、ゼロタッチのオンボーディングと検証によってネットワーク上でアプリケーションを構築、統合するための、適切なツールを使用できるようになります。このような状況を考慮すれば、ネットワークがアプリケーションのイノベーションを行うための「プラットフォーム」になったと言えるでしょう。

5G とエッジの活用の鍵を握るエコシステム

一つ確かなことは、5G への移行により、エコシステムが非常に重視されるようになるということです。その場合、CSP、パブリック クラウド プロバイダ、アプリケーション デベロッパー、テクノロジー プロバイダが協力して、業界別アプリケーション全体のユーザー エクスペリエンスを最適化できるようなエコシステムであることが求められます。たとえば、Google Cloud と Ericsson は最近、CSP と企業向けに 5G およびエッジクラウド ソリューションを提供するためのパートナーシップを発表しました。さらに、Google Cloud は主要な ISV と連携して、30 以上のパートナーの 200 を超えるエッジ アプリケーションを、すべて Google のクラウドで提供しています。  

Google は、ISV、クラウド プロバイダ、ネットワーク機器プロバイダとのコラボレーションを通じて、各種機能を活用しながら、新たな業界向けサービスやアプリケーションを迅速に配信して展開できるようにしています。こうした機能には、Anthos や人工知能(AI)、機械学習(ML)のほか、マルチベンダー、マルチクラウド、ハイパースケール クラウド プロバイダのサービス オーケストレーション、Google や通信サービス プロバイダが提供するグローバル エッジ ネットワークなどが含まれます。

テクノロジー エコシステムのメンバーの間では、コンピューティング、ストレージ、ネットワーキングが話題となりますが、クラウド内、プロバイダのコア、エッジ、またはこれらの間など、どのような場所であれ、結局はこうしたリソースを最適に配置してエンドユーザーのエクスペリエンスを最大化することが重視されます。5G のオープン性とプログラマビリティは、かつてないほどこうしたコラボレーションに適しています。Google は、2022 年以降エコシステム全体が 5G とエッジを活用して、これまで想像もできなかったようなイノベーションを実現すると予測しています。

今回のトピックやその他の情報について詳しくは、Ericsson CTO の 5G に関する談話の動画をご覧ください。

-通信業のための Google Cloud Global Networking 担当バイス プレジデント兼責任者、テクノロジーおよび戦略担当責任者 Bikash Koley

-Ericsson シニア バイス プレジデント兼最高技術責任者 Erik Ekudden