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Google Maps Platform

Alto: ライドシェア車両管理インフラストラクチャの新世代を定義

2025年3月11日
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Jonathan Campos

Chief Technology Officer, Alto

※この投稿は米国時間 2025 年 2 月 25 日に、Google Maps Platform blog に投稿されたものの抄訳です。
編集者注: 今回の記事は、Alto の最高技術責任者である Jonathan Campos 氏によるものです。Jonathan 氏は、Google Maps Platform モビリティ サービスNavigation SDK の精度で、Alto がドライバーと乗客両方の旅程を完全に Alto アプリに一元化することができたことを解説してくれました。

ライドシェア業界は、従来、利益率の低いビジネスです。成功するには、単に運用するだけでは足りず、すべてを最適化する必要があります。ほとんどの人が、Alto を配車サービスだと認識しています。彼らが目にするのは道路を走る Alto の車両です。しかし、その Alto は氷山の一角にすぎません。私たちは水面下で、車両の運用と最適化を非常に効率的に行うインフラを構築しました。
私たちは自ら車両を所有・維持しており、ドライバーはフルタイム従業員であるため、従業員と乗客のエクスペリエンスをより良くする方法について、多くのデータと制御能力を有しています。Google は、AI ツール、ML モデル、Google Cloud ソリューション(BigQueryLookerVertex AI など)、Google Maps Platform が提供するその他のソリューションなど、そのエクスペリエンスのキュレートに有効な新しいテクノロジーを継続的に実装しています。

Alto のナビゲーション エクスペリエンスを統合

ドライバー、乗客、社内チームに質の高いエクスペリエンスを提供するには、正確な位置情報をすぐに利用できる必要があります。Google Maps Platform を導入する前は、わずかなデータセットを寄せ集めのソリューションで使用していました。
残念ながら、そのために、全体的なエクスペリエンスの中でつながりのなさを感じる部分がいくつかありました。たとえば、私たちのドライバーは乗客が乗車している間に Alto アプリから Google マップアプリに切り替えてナビゲーションを使用していましたが、乗客は Alto アプリでルートを追跡していました。配車をリクエストした際に、ドライバーが道を曲がったのにアプリが別のルートを示していたとしたら、少し不安になりますよね。私たちは、乗客が安心して乗車でき、正確な到着予定時刻がわかるようにしたかったのです。
ドライバー側では、Alto アプリと Google マップアプリを切り替えると、ルートの変更に関する当社チームからの通知を見逃す、あるいはプロフィール写真やゲートコードなどの乗客情報をすぐに確認できない、といったことが起こる可能性があります。Navigation SDK により、Google マップの位置情報の精度を活かして、Alto アプリでドライバーと乗客の両方の移動経路を完全に一元化できました。Google Maps Platform では、Navigation SDK などのソリューションが他のスイートとシームレスに統合されており、徐々にパーツを追加していくことで誰にとっても理想的なエクスペリエンスを構築できます。
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Navigation SDK により、ドライバーと乗客の旅程全体を Alto アプリ内で直接一元管理できます。

ライドシェア車両管理を再定義

他の車両管理会社が車のターンアラウンド時間を数時間または数日単位で改善しようとしているのに対し、私たちは分単位、秒単位での最適化に注力しており、Google Maps Platform はここまでのレベルの制御を可能にした半ば公然の秘密兵器なのです。
小規模なチームであっても、データ マネジメントや位置情報サービスのメンテナンス作業を何時間もかけて手動で行う必要がなくなりました。データセットにギャップがあったとしても、カスタムの降車地点を手動で作成する必要はありません。Google Maps Platform モビリティ サービスにより、正確な距離に基づいてドライバーの移動を分析、検証、最適化できるようになりました。これにより、電気自動車のエネルギー消費量の削減や、ドライバーの昼休み時間の節約などを達成できます。Alto は、自社チームに加えて Google Maps Platform スペシャリスト パートナーである Navagis の支援も受け、モビリティ サービスを Alto アプリに統合しました。
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精度が向上したことで、Alto は待ち時間をより正確に、さらに短く提供できるようになりました。

また、ルートの変更や乗客の変更について、ドライバーに直接電話して最新情報を伝える必要もなくなりました。Routes の機能を使用すると、移動に関する変更があっても、ドライバーの走行中に自動で更新できます。つまり、乗車時刻を予約した乗客のところに向かっているドライバーを、その乗客の乗車にまったく影響を与えることなく乗車と降車を完了できる、別の乗客のところに向かわせることもできます。精度が向上したことで、待ち時間をより正確に、さらに短くすることもできました。以前は平均で 10~15 分お待たせしていましたが、今では 5 分待てば済むようになりました。同じ時間内に同じ数のドライバーでより多くの乗客にサービスを提供できれば、状況は一変します。

ライドシェア業界全体のカスタマー ジャーニーを向上

Google Maps Platform で構築したインフラにより、当社のドライバーは混雑している場所をいち早く把握し、そこまでの最速ルートを理解し、他のドライバーにはできない予測をすることが可能になりました。現在、あらゆる場所で乗客のエクスペリエンスを向上させるために、私たちが業界で培ってきた進歩を共有できるようになりました。Alto は Uber と提携し、Alto の一貫性、高水準のサービス、車両最適化の技術を、特定の都市における Uber の膨大なユーザーベースに提供しています。それだけでなく、私たちが舞台裏で使用している API や機能も共有し、Uber のインフラストラクチャの能力を最大限に引き出せるよう支援しています。

自社システムの最適化を継続する一方で、より多くの乗客に効率的にリーチすることも可能になりました。車両は 50 台から数百台に増えました。来年には数千台になる見込みですが、それでも 1 件 1 件の乗車エクスペリエンスは一貫したレベルで提供されます。私たちの車に乗ると、いつも同じ匂いがして、ドライバーはいつも同じ対応をし、約束した時間に迎えに来てくれます。これは偶然ではなく、Google Maps Platform を使用して舞台裏で行っている多くの努力と作業のたまものなのです。

-Alto、最高技術責任者、Jonathan Campos 氏

 

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