Google Cloud へのデータディスクの移行を適切かつ簡単に行う方法
Google Cloud Japan Team
※この投稿は米国時間 2023 年 11 月 1 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。
データディスクの移行は、1 台のストレージ デバイスから別のデバイスにデータを移行するプロセスです。その際には、物理デバイス間や仮想マシン間のデータ移動、あるいはオンプレミス ソリューションからクラウドベース プラットフォームへの移行が必要となります。データディスク移行時の最終的な目標は、データの整合性、セキュリティ、アクセシビリティを損なうことなく、シームレスに移行を行うことです。このブログ投稿では、Google Cloud の移行センターに組み込まれている Migrate to Virtual Machines を使用して、データディスクを迅速かつ簡単に Google Cloud に移行する手順を示します。
データディスクの移行が重要である理由
- 新しい OS へのアップグレード: サポート対象外のオペレーティング システムは、正式アップデート、セキュリティ パッチ、テクニカル サポートが利用できないため、大きな脅威をもたらします。その結果、システムでは、サイバー脅威、互換性の問題、規制へのコンプライアンス違反が生じやすくなると同時に、イノベーションや機能性が阻まれます。
ディスクを移行すると、サポート対象外の古いオペレーティング システムからサポート対象の新しいオペレーティング システムにデータが移されます。
- モダナイゼーション: 技術の進歩に伴い、古いストレージ デバイスがボトルネックとなり、パフォーマンスや容量が制限される場合があります。データディスクを移行すると、より新しく効率の高いハードウェアを利用できるようになります。
- データ保護: ストレージ デバイスが老朽化すると、障害やデータ損失が発生しやすくなります。データを新しいプラットフォームに移行することで、こうしたリスクを軽減し、安全性を確保できます。
- パフォーマンス向上: 新しいストレージ テクノロジーは、一般に読み取り / 書き込み速度が高いため、システムのパフォーマンス向上、アプリケーションのアクセス時間の短縮につながります。
- スケーラビリティ: データディスクの移行により、ストレージ インフラストラクチャのスケーラビリティが向上するため、データの需要が高まっても、効率性を損なうことなく対応できます。
Google Cloud のディスク移行
Google Cloud は、移行センター内に Migrate to Virtual Machines を直接統合することで、ディスク移行の負担を軽減しています。この強力で効果的なディスク移行手段は、クラウド移行テクノロジーの機能を活用して、クラウド環境との互換性に関係なく、OS ディスクやデータディスクをシームレスに移行します。オペレーティング システムのアップデートや、ハードウェアの強化といった課題に直面している場合は、これが究極のソリューションとなります。
Migrate to Virtual Machines は、柔軟性やオープン性といった Google Cloud の特徴を引き継ぎ、VMware やその他のクラウド サービス プロバイダを含め、多くの移行元との接続が可能です。たとえば、大量の仮想マシンを管理し、そのうち一部は従来の Linux ディストリビューションか、昔の Windows バージョン(Windows 2003、2008、2012 など)で実行されているとします。このような場合に、Migrate to Virtual Machines のディスク移行機能が役立ちます。ソース ワークロードのディスクを選択して移行してから、サポート対象のオペレーティング システムに接続することで、結果的にワークロード インフラストラクチャのモダナイゼーションが実現します。
仕組み
ディスク移行プロセスの各ステージを以下に示します。
最初に、ディスクを移行したい VM をオンボーディングします。
以下の例では、ローカルの VMware Datacenter でホストされている VM が 1 台あります。これを選択し、GCP 移行サービスにオンボーディングします。
その後、レプリケーションを開始できます。
VM が移行サービスにオンボーディングされたら、ソース VM のディスクから、Google Cloud 上の Persistent Disk ボリュームへ、ディスクのレプリケーションをすぐに開始できます。データのレプリケーションは、最終的なカットオーバーまで、あるいは移行を削除するまで、バックグラウンドで継続的に進行するプロセスです。
Monitoring を利用することもできます。
詳細情報については、VM をクリックして、ディスク レプリケーション ステータスの詳細表示、処理完了までの予想時間、ディスク移行に関するその他の情報にアクセスできます。
レプリケーションの進行中に、先にディスクのターゲットの詳細設定で、ホスティング プロジェクト(リージョンとゾーン)、ディスクタイプなど、移行後のディスクの設定を行うことができます。
これにより、時間を節約し、カットオーバー日が近づいたときに慌てずに済みます。
レプリケーション サイクルを調整し、段階的な変更の蓄積データのピークと同期させることもできます。
まとめ
Migrate to Virtual Machines のディスク移行機能は、任意のソース VM から Google Cloud のディスク ストレージにコンピューティング ディスクをスムーズに移行できる新しい機能です。この機能は Migrate to Virtual Machines のシームレスでエージェントレスの移行機能を活用するので、ソース ワークロードが中断されることはありません。また、定期的なレプリケーション サイクルや、迅速なカットオーバーなどのメリットもあります。
この機能は移行の精度を個々のディスクまで拡張するため、ワークロードを別のオペレーティング システムに簡単に移行する、データストア全体を新しいプラットフォームに移行するといった革新的な活用方法が可能です。
準備できたら、移行センターにアクセスし、Google Cloud の移行とモダナイゼーションの一元化されたエンドツーエンド ハブをご確認ください。ここに Migrate to Virtual Machines が含まれます。まだご検討中の場合は、移行センターに関するこの 3 分間の動画をご覧になるか、IT 環境に関する無料の調査と評価を Google Cloud に申し込み、IT 環境の状況や適切な移行方法をご確認ください。
- Cloud 移行担当テクニカル リード Alon Pildus
- Google Cloud、Cloud Migration チーム所属 Tom Nikl