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データベース

MongoDB Atlas などのクラウドネイティブなデータベース上でアプリを構築する理由

2020年10月13日
Google Cloud Japan Team

※この投稿は米国時間 2020 年 10 月 2 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。


IT 部門は今日、所属する組織内において新たな、また従来よりはるかに戦略的な役割を担う必要に迫られています。競争力のある差別化要因としてテクノロジーに目を向ける企業が増えるにつれ、IT 部門は、従来の焦点であったインフラストラクチャの運用から一歩進んで、戦略的なビジネス機能に力を入れ、イノベーションをサポートして魅力的なカスタマー エクスペリエンスを生み出すソフトウェアやサービスを提供することが求められています。

このような変革には、最新のクラウドネイティブ アプリケーションが不可欠です。クラウドを利用することで、IT 組織はレガシーなアプリケーションやインフラストラクチャの使用をやめて、ユーザビリティやパフォーマンスを犠牲にせずに、はるかに高い復元力とスケーラビリティを備えたソフトウェアを提供できます。

レガシー データベース: クラウドネイティブの鎖における弱い環

企業がマネージド インフラストラクチャやクラウドネイティブ アプリに移行する中で、オンプレミスのレガシー データベース システムがスケーラビリティやパフォーマンスを阻む重大な障害として浮かび上がってきました。その結果、多くの企業が、最新のクラウドネイティブ環境の要求に応えるように設計された、MongoDB Atlas などの新しいデータベース オプションに目を向けるようになりました。

簡単に言うと、ここでの問題は、レガシー データベースが、整理された小さいパッケージでデータが提供される環境向けに設計されていたという点です。この環境では、スケーラビリティは主要な要求事項ではありませんでした。そのため、このようなシステムは、スケールできるように構築された、大量のデータを扱うクラウドネイティブ アプリケーションにはうまく適応できません。

一方、MongoDB のような JSON ベースのドキュメント データベースは、最新のアプリケーション開発手法に非常に適していて、コード内のオブジェクトと同じ形式でデータを保存できるため、チームの作業が迅速かつ効率的になります。また、マネージド Database as a Service ソリューションである MongoDB Atlas を使用することで、IT 組織はオンプレミスのレガシー システムで要していた費用を削減し、複雑さを軽減することができます。

AutoTrader UK、MongoDB Atlas で未来を築く

AutoTrader UK は、Google Cloud 上で MongoDB Atlas を使用して、レガシー データベースからフルマネージドな Database as a Service プラットフォームにモダナイズした IT 組織の好例です。AutoTrader UK は Oracle と SQL Server に大きく依存していましたが、開発チームがより迅速かつ効率的に作業できるように、社内のデータセンターで MongoDB の使用を開始しました。同社は MongoDB Atlas に移行した後もセルフマネージド型の MongoDB 環境のすべての利点を保持しつつ、運用とインフラストラクチャの複雑さを取り除くことができました。これは、ほぼ完全にビジネスデータの持つ価値によって立ち、スケーラビリティとリソース管理が特に差し迫った課題となっていた同社にとって重要な動きでした。

AutoTrader UK は新機能をより早くリリースするために、クラウドに完全に移行し、レガシー データベースの使用をやめるなど、開発チームの効率性とアジリティを向上させるためにさまざまなイニシアチブを展開しました。同社の開発チームは、すでに Dataflow や BigQuery などのさまざまな Google Cloud サービスの使用経験があり、これらを活用していたことも、Oracle データベースを Cloud SQL に置き換えて、Google Cloud と MongoDB Atlas に完全に移行するという決定を後押しする要素となりました。AutoTrader のインフラストラクチャ責任者である Russell Warman 氏は、次のように述べています。「ビジネスの観点から見た場合、Google Cloud Platform への移行は、アイデアをすばやく実行に移し、優れた新サービスを構築してこの分野を牽引し続けることにつながります。」

同社の開発者は現在、新しいサービスをはるかに迅速かつ自信を持って展開していて、同社はオンプレミスのデータセンターの廃止に向けて大きく前進しています。これにより、IT 部門の負担となっていたレガシーなアセットの管理に伴う負担を、インフラストラクチャと関連費用とともに制御できるようになりました。

同様に重要なのは、MongoDB Atlas と Cloud SQL に移行することで、AutoTrader UK がソフトウェアの競争力を高めるための基盤を固めたことです。同社の開発チームは、1 日で 450 件を超えるリリース、1 年で 36,000 件を超えるリリースを世に送り出しました。AutoTrader UK は現在、パブリック クラウドに約 270 のアプリをデプロイしていて、そのコア検索機能について 99.79% のリリース成功率と 99.99% の可用性を維持しています。

MongoDB Atlas の利点

MongoDB Atlas は、次のような最新かつクラウドネイティブで、マイクロサービスに合わせたデータベース アーキテクチャに不可欠な機能を併せ持っています。

開発者の生産性: MongoDB Atlas は、JSON ベースのドキュメント データモデルを採用した非リレーショナル データベースです。MongoDB ドキュメントは、オブジェクト指向のプログラミング モデルに自然にマッピングされるため、オブジェクト指向の言語を使用して直感的かつ簡単に操作できます。これにより、開発チームが MongoDB Atlas を使用してアプリケーションを構築する際の学習曲線が平坦化されます。MongoDB はドキュメントごとにフィールドを変えることや、時間の経過とともに必要となるデータ構造の変更を簡単に行うことができることから、多くの開発者が MongoDB の柔軟性の高さを認めています。

スケーラビリティ: MongoDB Atlas を使用すると、IT 部門にとってアプリケーションのデプロイを適切なサイズで行うことは非常に簡単なこととなります。アプリケーションのスケールアップまたはスケールダウンは、ダウンタイムを発生させずに、オンデマンドで即座に実行できるようになります。シャーディングを活用することで、MongoDB Atlas はハードウェアのボトルネックの問題を回避すると同時に、大規模に発生する可能性が高い複雑さを最小限に抑えます。MongoDB Atlas ユーザーは、提供する必要のあるワークロードとクエリパターンに基づいて、多数のシャーディング戦略から選択することもできます。

可用性と稼働時間: パブリック クラウドでアプリケーションを実行すると、通常、最初からオンプレミス環境よりも優れた可用性を実現できます。これは、Google Cloud のようなプロバイダが複数リージョンへのインフラストラクチャのレプリケーションやその他の機能を実現するために行う大規模な投資は、ほとんどの企業にとって不可能なものであるためです。

これらの機能に基づいて、MongoDB Atlas は、すべてのデータベース クラスタを、必要に応じて自動的にフェイルオーバーする自己修復型のレプリカセットとしてデプロイします。MongoDB Atlas は、リージョン内の複数のアベイラビリティ ゾーンにレプリカ セット メンバーを自動的にプロビジョニングします。これは、ほとんどの企業にとって最大のリスクとなり、かつ最もよく発生する局所的な障害に対する重要な安全保護対策となります。そして、MongoDB Atlas インスタンスに障害が発生しても、ほとんどの場合、システムは即座に自動的に回復します。

自動化: 従来のデータベース システムを扱う場合、それを機能し続けるよう管理するにあたって時間の無駄とフラストレーションはつきものです。MongoDB Atlas は、プロビジョニングと構成、メンテナンス、障害復旧のプロセスにおける主要なタスクを自動化するため、日常的なメンテナンスや維持にチームの時間を費やすことがなくなります。また、自動的にモニタリングとアラートを行うため、パフォーマンスの問題がアプリケーションやユーザー エクスペリエンスに影響を与える前に、これを検出してトラブルシューティングを行うことができます。

柔軟性にすぐれた設計を採用した最新のデータベース

MongoDB Atlas を最新のクラウドネイティブ アプリ環境に統合することで、開発者は組織のビジネスニーズの変化に応じてアプリケーションを自由に設計および再設計できるようになります。データの増加によってレガシーなデータベース ソリューションの限界を超えたり、増加に対応できるように製品の強制アップグレードを余儀なくされたりするリスクはありません。レガシー データベースから MongoDB Atlas に移行することは、この目標の達成に向けての大きな一歩になるでしょう。

詳しくは、Google Cloud での MongoDB Atlas をご覧ください。

Forbes の CTO である Vadim Supitskiy 氏が、MongoDB の CISO である Lena Smart 氏に、Forbes が MongoDB と Google Cloud を使用してデジタル イノベーションの標準を打ち立てた方法について語っています。こちらからご視聴ください。


-テクノロジー パートナーシップ担当 Kavitha Gopalakrishnan

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