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データベース

Maxxton、Google Cloud の Oracle 向け Bare Metal でアプリのパフォーマンスを最大 60% 改善

2024年8月5日
Rob Sonke

Chief Technical Officer, Maxxton

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※この投稿は米国時間 2024 年 7 月 30 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。

編集者注: Maxxton は、ホスピタリティ業界向けの中央予約システムと不動産管理システムを組み合わせて提供するサービス プロバイダです。日々取り込んで分析する必要がある大量のデータに対処するために、従来のソフトウェアのモダナイズに取り組んでいるところです。Google Cloud Oracle 向け Bare Metal Solution に移行することで、従来のデータベースからクラウドベースのデータベース サービスにスムーズに移行するための道を切り開いただけでなく、運用効率とアプリケーションのパフォーマンスを向上させることもできました。


Maxxton は、ホスピタリティ業界向けにカスタマイズした統合ソフトウェア ソリューションを提供していることを誇りとしています。バケーション / 短期レンタル業界向けの総合的な不動産管理システム(PMS)の唯一のプロバイダとして市場で固有の位置づけを獲得しており、3 大陸にわたって 10 万件を超えるレンタル物件を提供し、2 万にのぼるユーザーを擁しています。

ユーザーにリアルタイムのデータアクセスを提供することで、予約への対応から清掃係の手配、宿泊客との重要なコミュニケーションの自動化まで、あらゆる側面の負担を軽減しています。これにより、ユーザーは本来の業務、つまり宿泊客の満足度向上に専念できます。

データベース戦略に休暇なし

レジャー市場は常に変化しており、世界経済のわずかな変動にも影響を受けます。このため、使用する側か提供する側かを問わず、業界にかかわるすべての人々が、日々あらゆるチャネルで、また複数の通貨で、各対象市場の料金体系を利用することを望んでいます。これは、当社にとって、システム全体で毎日大量のデータを処理し、データの整合性を保ち、料金体系を最新の状態に維持しなければならないことを意味します。当然のことながら、当社の業務を円滑に遂行するには、堅牢なデータベース戦略が必要になります。

数年前、Oracle Database ApplianceODA)で実行していた従来の Oracle データベースでは、当社が必要とする効率を達成できなくなっていることに気づきました。ハードウェアを 5 年間使用していたことに加えて、データセンター間の距離が 200 km あったため、アプリケーションとデータベースの間に 8 ミリ秒のレイテンシが発生していました。さらに、古くなった環境が原因で、柔軟なスケーリングとマルチリージョンの可用性も失われていました。これらすべての要因が日々の機能に影響を及ぼしていたため、従来のインフラストラクチャをモダナイズするという決断を下しました。

5 年前に Google Cloud への移行を開始し、当初は既存のテクノロジーを実行することを決めていました。その一方で、クラウドへの完全な移行に備えて新しいクラウドベースのサービスも追加しました。段階的なアプローチを採用することで、業務やテクノロジー環境に支障をきたすことなく、リスクを最小限に抑え、時間をかけて新しい環境に適応できるであろうと考えたのです。しかし、2 種類の調和しないデータベース テクノロジーを長期間、並行して実行することで、別の課題が発生しました。

Google Cloud で従来のテクノロジーとクラウドのすき間を埋める

これらの課題に対処するために、スケーラビリティとパフォーマンスを念頭に置き、Kubernetes ベースの新しいマイクロサービス アーキテクチャを導入しました。このアーキテクチャは、データベースの組み合わせ(主に Oracle 向け Bare Metal Solution Elasticsearch MongoDB でバックアップ)を基盤とする複数の Spring Boot アプリケーションから構成され、Angular をフロントエンドとし、Kubernetes で実行されます。

まず、Google Cloud との相互接続を使用して、Equinix のデータセンターでホストされていた Oracle サーバーから移行しました。具体的には、Bare Metal Solution で新しいデータベース クラスタを設定してから、Equinix をリンクするためのネットワークとファイアウォールを設定しました。その後、データセンターからデータベースをエクスポートし、Bare Metal Solution にインポートしました。一晩で移行を完了して、お客様のダウンタイムを最小限に抑えるための徹底的なテストを実施した後、ようやく新しいロケーションをポイントするようにアプリケーションの設定を変更できました。

高パフォーマンスで最適な運用を実現

マネージド データベースに移行し、クラウド移行から大きな価値を引き出すという作業はまだ終わっていませんが、Google Cloud Oracle 向け Bare Metal Solution に移行したことで、すでに大きな成果が上がっています。

API のパフォーマンスは最大 60% 向上し、アプリケーションとデータベースの間のレイテンシは約 8 ミリ秒から 1 ミリ秒未満に減少しました。これは、より新しいハードウェアを利用できるようになり、アプリケーションとデータベースの間の物理的な距離をわずか 1 km に縮めることができたおかげです。さらに、スケーリング、リージョン内アクセス、ベンダーとオープンソース ソリューションの選択の面でも前例のない柔軟性を獲得でき、テクノロジーに関する意思決定をよりアジャイルに下せるようになりました。

ベアメタルによって管理能力は高まったものの、データベースに関する広範な専門知識とメンテナンスが必要となります。将来的には、フルマネージド データベース サービスに移行して運用上のオーバーヘッドを削減し、リソースを戦略的な取り組みに集中させることを計画しています。

現在のソリューションも、二次的なメリットをもたらしてくれます。Oracle で新しいコンテナベースの設定に切り替えると同時に、Oracle テーブルスペースを最適化することができます。新たに発表された Google Cloud Oracle のパートナーシップにより、Google Cloud は当社が将来的にフルマネージドのクラウドベース データベース サービスに移行するための道を切り開いてくれました。このパートナーシップは、より柔軟かつスケーラブルなクラウド インフラストラクチャに向けて当社が継続している取り組みを大きく前進させる足掛かりとなります。

使ってみる

- Maxxton、最高技術責任者 Rob Sonke 

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