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Spanner Omni を発表:あらゆるインフラで Google のイノベーションを活用

2026年4月22日
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Wenzhe Cao

Group Product Manager

Chris Taylor

Google Fellow

Try Gemini Enterprise Agent Platform

Build, scale, govern, and optimize agents

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※この投稿は米国時間 2026 年 4 月 22 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。

本日、Google Cloud は Spanner Omni のプレビュー版を発表しました。Spanner Omni は、Google Cloud 外でも利用可能なダウンロード版の Spanner であり、業界を牽引する分散データベース機能をさらに拡張するものです。これにより、企業は Spanner を自社のデータセンターや複数のクラウド、あるいはノート PC 上で実行できるようになります。事実上無制限の水平スケーラビリティ、高可用性、強力な整合性、エンタープライズ グレードのセキュリティ、そしてマルチモデル機能を AI 対応アプリケーションが稼働するあらゆる場所で活用可能です。 

Spanner Omni が重要である理由 

10 年以上前、Google Cloud は Spanner によって分散 SQL 市場を切り拓きました。Spanner は、NoSQL の水平スケーラビリティと、従来のリレーショナルデータベースが持つ ACID(原子性、整合性、独立性、永続性) 準拠および強力な整合性を兼ね備えた、まさに理想的なソリューションを提供しました。それ以来、Spanner は SQL、グラフ、キーバリュー、全文検索、ベクトル検索、そしてカラム型エンジンによる分析処理を統合した、相互運用可能なマルチモーダル データベースへと進化を遂げました。この進化は AI 時代に必要な機能を提供するとともに、お客様のワークロードの簡素化と統合を可能にします。こうした進化は、すでに多くのお客様に大きな価値をもたらしています。 

お客様の IT 環境は、パブリック クラウドやハイブリッド クラウド、あるいはネットワークから隔離されたよりセキュアな環境まで多岐にわたります。Spanner Omni は、現代企業の多様なニーズに応えるべく、お客様が運用するあらゆる環境へ柔軟に導入いただけます。具体的には、以下のニーズに対応します。 

  • ビジネスの継続性: ミッション クリティカルなワークロードには、クラウドの枠を超えた、真にレジリエントで高可用なアーキテクチャが求められます。ビジネス状況や世界情勢の変化によりクラウドの利用方針を変更せざるを得ない場合でも、これらのワークロードは稼働を続ける必要があります。 

  • 規制遵守: 金融サービスなど、規制の厳しい業界のお客様は、データ主権などの規制要件を満たす必要があります。コンプライアンス維持のために大規模なオンプレミス環境を運用している企業も多い一方で、AI エージェント時代に向けたモダナイズも急務となっています。 

  • アプリケーションのポータビリティ: SaaS プロバイダーや独立系ソフトウェア ベンダー(ISV)にとって、マルチクラウドやプライベート データセンターなど、お客様が運用するあらゆる環境でサービスを提供できることは、ビジネス成長の鍵となります。イノベーションのための高度な機能を維持しつつ、開発や運用のオーバーヘッドを最小限に抑えるため、環境を問わず一貫したテクノロジー スタックが求められています。 

Spanner Omni の紹介 

Spanner Omni は、フルマネージド サービスである Spanner と同等のコア機能を提供し、かつ必要な場所に自由にデプロイできる柔軟性を備えています。仮想マシン(VM)や Linux コンテナから Kubernetes クラスターまで、柔軟な構成オプションに対応しています。また、オンプレミス、マルチクラウド、マルチリージョンに加え、適切なレイテンシを維持できるハイブリッド環境、さらにはエアギャップ環境やネットワーク接続環境など、多様な形態で運用いただけます。スケーラビリティにおいても、単一のサーバーから数千台規模のクラスターまで柔軟に拡張可能です。Google Cloud 内部のベンチマーク テストでは、Spanner Omni が単一リージョンのデプロイにおいて、ペタバイト規模のデータに対する秒間数百万件のクエリ(QPS)処理が実証されています。

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Spanner Omni の特徴

Spanner Omni は新しい可能性を切り拓きます。初期段階で導入いただいたお客様との取り組みを通じて、Spanner Omni の活用における 3 つの主要なアーキテクチャをご紹介します。 

  • ハイブリッドおよびマルチクラウドのレジリエンス: Google Cloud 上の Spanner マネージド サービスをメイン データベースとして運用し、セカンダリ クラウドやオンプレミスのデータセンターに Spanner Omni をホット / コールド フェイルオーバー サイトとしてデプロイする構成です。このプライマリ / セカンダリ アーキテクチャはビジネスにおける確かな備えとなり、特に規制の厳しい業界において、ディザスタ リカバリや事業継続計画(BCP)の要件を満たすのに役立ちます。また、特定の法域でデータ主権が求められ、Google Cloud のデータセンターが 1 つしか存在しない地域においても、マルチリージョンでの高可用性(HA)構成を構築可能です。

  • 環境を問わない統一された技術スタック: マルチクラウドやハイブリッド戦略をとる組織にとって、Spanner Omni は環境を問わず「一度書けばどこでも実行できる」アプリケーション開発体験を提供します。データベース層を標準化することで、チームは運用のオーバーヘッドを大幅に削減し、最先端のデータベース技術を活用しながら、あらゆる環境で真のアプリケーション ポータビリティを実現できます。 

  • オンプレミス環境のモダナイズ: 大規模なオンプレミス資産を持つ組織や自社管理を重視する組織も、クラウド ネイティブなイノベーションを活用できるようになります。Spanner Omni により、既存のハードウェア インフラストラクチャ上で、スケーラビリティの確保、高可用性、グローバルな整合性などを実現する Spanner の革新的な技術を用い、マルチモデル機能を備えた次世代 AI アプリケーションの構築や刷新が可能になります。 

Spanner Omni を支える技術 

私たちのビジョンはシンプルです。コンピューティング リソースとデータベース 用に利用可能なローカル ファイル システムがあれば、どこでも Spanner Omni を実行できるようにすることです。これを実現するために、一連のイノベーションにより、Google Cloud 独自のインフラへの依存を解消しました。Paxos コンセンサス、自動シャーディング、同期レプリケーションといった Spanner のコア技術を継承しつつ、Colossus や TrueTime といった Google 独自のコンポーネントを、創造的で革新的な新しいソリューションへと置き換えています。 

あらゆる場所での分散ストレージを実現するため、Spanner Omni は Google の分散ファイル システムである Colossus への依存を解消し、Colossus 相当の機能を提供する抽象化レイヤーを導入しました。このレイヤーは接続されたローカル ファイル システムにデータを書き込み、ネットワーク経由で他のノードから利用可能にします。ソフトウェアがシャードの分割と再配置を自動的に処理し、利用可能なすべてのサーバー間でストレージのバランスを整えることで、最適なパフォーマンスを確保します。Spanner Omni のファイル レイヤーは Colossus そのものではありませんが、ほとんどのワークロードにおいて、Spanner マネージド サービスに匹敵するパフォーマンスを発揮します。 

また、原子時計と GPS を使用して世界規模で時間を同期させる、Spanner の象徴的な技術の一つであるTrueTime も再構築しました。Spanner Omni のために開発したソフトウェア ベースの 代替ソリューションは、Google Cloud 上の TrueTime と同様に、Spanner Omni がデプロイされたサーバー間において、誤差範囲が限定された極めて信頼性の高い時刻同期を提供します。Spanner は強力な外部整合性を実現するために時刻同期に依存していますが、時刻の不確実性に起因する待機時間を他のデータベース処理とオーバーラップさせて実行する機能を備えています。この仕組みにより、実際の TrueTime が提供するよりも緩やかな不確実性の範囲を許容することが可能です。TrueTime はこの柔軟性を活かし、Spanner の可用性やパフォーマンスを損なうことなく、多種多様な環境における正確な時刻管理を実現しています。

アクセス方法

Spanner Omni のデベロッパー エディションは、本日よりプレビュー版として公開(ダウンロード)しています。このエディションには、非商用および非本番環境での開発やテストに適した Spanner のコア機能が含まれています。エンタープライズ向けセキュリティ機能は含まれていませんが、次なるプロジェクトのサンドボックスとして最適です。フル機能を備えた商用エディションへの早期アクセスについては、https://cloud.google.com/consulting/spanner-omni までお問い合わせください。 

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