データベース

Cloud SQL によるセルフサービスマイクロサービスアーキテクチャの構築

2021年1月20日

Google Cloud Japan Team

※この投稿は米国時間 2021 年 1 月 9 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。

編集者注: 今回は、統合ソフトウェアプラットフォームである Entegral の担当者にお話を伺います。Entegral は世界中の何万もの事故車修理店、保険会社、その他の業界専門家の間のコミュニケーションやコラボレーションを可能にします。また、Entegral は Enterprise Rent-A-Car ブランドを運営する世界最大級のレンタカー業者 Enterprise Holdings の子会社で、利用可能な最高のデータテクノロジーとスキルを駆使して請求プロセスをより効率的にするアプリを構築しています。ここでは、Entegral のチームが構築時間を短縮するために、Google Cloud をどのように使用しているかをご紹介します。

オンプレミスから Google Cloud に移行することに決めたときは、社内で使用していたテクノロジーを刷新するだけでなく、チームの運用方法を再考する機会でもありました。Entegral にとって、それは既存のモノリシックシステムを打破し、MySQL や PostgreSQL のマネージドサービスとして使用する Cloud SQL を利用したマイクロサービス環境に移行することを意味しました。現在では、社内チームは新しいアプリケーションの開発に必要なリソースにセルフサービスでアクセスできるようになっており、そのお陰で私のチームは他のことに存分にエネルギーを集中できます。

セルフサービスアクセスモデルへの移行

Google Cloud への移行は非常に簡単でした。オンプレミスデータベースはいずれも小規模なものであったため、データを単純にエクスポートして Google Cloud にインポートするだけで済み、すぐに稼働開始できました。新しいマイクロサービス環境に対応するために、メインデータベースとして MySQL と PostgreSQL の両方に Google Kubernetes Engine と Cloud SQL を使用しています。マネージドクラウドサービスに移行する一環として、インフラストラクチャチームの運用効率を向上させる方法を見つける必要がありました。求めていたのは、私のグループが手動で調整しなくても、他のチームが自身の Cloud SQL データベースをプロビジョニングできるようにすることでした。

それ以前は、他のチームからのリクエストはいずれも私のチームが担当することになっていました。優先順位によっては、チームが必要な認証情報とリソースを取得するのに数日かかることがあり、私のチームはそのようなデータベースの管理を担当する必要がありました。しかしセルフサービスモデルにより、これらすべてが YAML 構成に変わり、数分で済むようになりました。この構成にはすべてのセキュリティ認証情報が組み込まれており、チームは希望するエンジンとバージョンを選択することもできます。これにより、インフラストラクチャチームによる手動調整の必要性が大幅に減少しました。このプロセスは完全に分散されており、私のチームにリクエストが直接届くことはほとんどなく、自社全体のインスタンスを追跡する機能が維持されています。

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Cloud SQL により、完全なセルフサービスモデルに移行できただけでなく、マネージドサービスのメリットにより、コスト、信頼性、セキュリティが向上しました。高可用性は、特に検討しなくても簡単に設定して構成に組み込めるようになりました。また、Cloud SQL はオンデマンドのスケーリングとアップグレードをすべて処理して、チームが必要なものを常に利用できるようにしてくれます。

アジャイルアプリケーション開発の追加

この新しいモデルはアプリケーション開発のチームリーダーである同僚の Patrick Tsai に変革をもたらしました。スプリントを前もって考える必要がなくなったのです。彼のチームは必要なツールにアクセスできるので、すぐに構築を開始できます。彼らはメタデータをまとめることで、自社の整備店のネットワークの空間ビューを構築していました。これにより、Google マップでネットワークを可視化し管理する簡単で迅速な方法が可能になりました。また、このアプリケーションは地理空間データを大量に使用するため、Cloud SQL for PostgreSQL と人気の PostGIS 拡張機能が採用されています。彼らは数日ではなくわずか数分で新しいデータベースインスタンスを起動して、このアプリケーションの各種 API をサポートできます。これまで Patrick のチームには 5 つの異なる環境があり、それぞれに 15 の異なる Cloud SQL インスタンスがあります。それらのスケーリング、アップグレード、保守について心配する必要がないため、新しい機能の構築のみに集中できます。