データを使用してエネルギー部門と公益事業部門における安全保護対策を強化する方法
Google Cloud Japan Team
※この投稿は米国時間 2023 年 12 月 5 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。
英国では、特定の公益事業会社に Priority Services Register(PSR)を維持することを義務付けています。これは、追加の支援を行う無料のサポート サービスで、今まさに追加の支援を必要としている顧客や、特定の個人的な状況にあり、公益事業サービスの提供が中断された場合に損害を被る可能性のある顧客のために用意されたサービスです。
Google Cloud が PSR やその他の安全保護対策について調べ始めたところ、情報がさまざまな組織でサイロ化されていることが多く、重要なサポートを提供するために必要なデータへのアクセスが難しくなっていることがわかりました。最近の調査によると、PSR を知っている英国の成人は 20% に満たず、これにより記録が不完全になり、サービスの提供と提供方法の両方が制限されることにつながる可能性があります。
セキュリティやデータ プライバシーの課題に対処しながら、支援をより必要としている顧客にサービスを提供する方法として考えられるのが、パブリッシュ / サブスクライブ モデルの使用です(以下の図を参照)。情報の所有者(パブリッシャー)が情報をエクスチェンジに入れて、他のユーザー(サブスクライバー)がアクセスできるようにします。多くの場合、組織は両方の立場にあります。組織は、すべてのユーザーのためにより包括的な全体像を築くジグソーパズルのピースとしての役割を果たします。参加者は、自身がパブリッシュする情報を管理します。
プライバシーとセキュリティの管理機能が組み込まれた環境において、データがエクスチェンジでパブリッシュされ、承認されたサブスクライバーがそのデータにアクセスできます。次にサブスクライバーは自身のデータをオーバーレイして、分析を実行します。
プライベート エクスチェンジ モデルによってシステムへのアクセスを制限できるため、参加者は制御された PSR 要素を共有できるようになります。現在このモデルは、Citizens Advice Greater Manchester といったいくつかの組織で試験運用が実施されています。


エクスチェンジ ハブを使用することで、さまざまな組織が自身の PSR 情報をパブリッシュできるようになります。以前は個々でのみアクセス可能だったデータが、エクスチェンジではすべてのユーザーがアクセスして活用できるようになります。これにより、サブスクライバーはより大規模で包括的な全体像を得ることができるようになり、常に制御が適用されていることで、個人識別情報が適切に管理されている環境の確保につながります。
これを実践に移した場合、たとえば、PSR を地図に表示できるようになります。その地図に、電力、ガス、水道の公益事業者、緊急サービス プロバイダ、地方自治体、慈善団体からの追加情報を収集して追加できます。次の画像は PSR データの例で、平均所得に関する国家統計局のデータを組み合わせて、燃料不足の可能性のある地域を特定しやすくするものです。


これに予測分析の手法を適用することで、さらに一歩進むことができます。たとえば、インフレ率が 10% にまで上昇したらどうなるかという問題に対して、システムはその場合に考えられる状況と、燃料不足が悪化する可能性のある場所を示します。このように適用することで大きな価値を生むことができるデータセットはたくさんあります。もう一つの例として、安全性が不十分な住居や氾濫原のある地域に住んでいる人々の特定があります。
テクノロジーは、特別な支援が必要な人々の生活環境を改善する未開の機会を豊富に提供してくれます。
より安全でインクルーシブな未来に向けた取り組みを始める方法については、こちらにお問い合わせください。
-Google Cloud UK、チーフ エネルギー エバンジェリスト Neil Osborne