Seer Interactive、Looker を使ってマーケティングの最善の結果をお客様に提供
Google Cloud Japan Team
※この投稿は米国時間 2022 年 11 月 30 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。
複雑でダイナミックなデータに基づくマーケティング戦略が結果を出しています。しかしながら、検索エンジン、ソーシャル メディア プラットフォーム、サードパーティのサービス、内部システムにいたるまで、データソースは増大し進化し続けるものであり、そこからすぐに使用できる分析情報を抽出するのは、決して簡単な作業ではありません。そこで企業の注目が Seer Interactive に集まりました。Seer Interactive では、古いデータや直感ではなく、最新の信頼できるデータに基づく差別化された分析、SEO、有料メディア、その他のチャネルやサービスをすべてのお客様に提供しています。
データが増え、方法も多様化
この 5 年間で、デジタル コマースとフットプリントが成功の基盤となり、お客様の数も飛躍的に増加しました。それぞれのお客様の独自の分析要件に対応するうえで、Seer Interactive でも IT のアジリティをかなり高める必要がありました。スプレッドシートを中核的な BI ツールとして使うには心もとなくなったことから、よく知られているデータ可視化アプリを採用してみましたが、当社の成長と複雑化する要件に対応できていないことがわかりました。当社には、何億ものデータシグナルを 1 つの一元化されたシステムに取り込み、お客様にできるだけ多くの戦略情報を提供でき、かつ効率を高めることのできるソリューションが必要でした。まずは短期的なソリューションと長期的なソリューションの目標に目を通し、その後さまざまな設計のトレードオフを比較検討しました。既存の BI ソリューションの設計で必要とされるデータ レプリケーションが持続可能なものでないことは明らかでした。
以前は、お客様に対応するすべてのチームが、それぞれ独自の分析情報を作成していました。200 人以上のコンサルタントが、毎週何時間もかけてお客様のデータを収集、集計して、独自のカスタム レポートやダッシュボードを作成していたのです。データセットが大きくなるにつれて、当社のデスクトップ ソリューションでは処理能力が追いつかなくなり、こうした複雑な BI プロセスを担当する新入社員のトレーニングに多額の資金を投入する必要がありました。高度なユースケースどころか、基本的なニーズにも対応できないことから、お客様に最良のサービスを提供する当社の能力が損なわれてしまっていたのです。
そこで当社では、BI プラットフォームに Google Cloud のビジネス インテリジェンス ソリューションである、Looker を選択しました。直接クエリ処理のリーダーである Looker のおかげで、リアルタイム解析と価値創出までの時間を最大限に活用できるようになりました。リフト&シフトの代わりに、データの種類も量も問わずにスケールできる既存の BigQuery プラットフォームを利用して、Looker で統合したデータ分析基盤を設計しました。そして、当社のチームやお客様にすぐにビジネス価値をもたらすことのできるユースケースを特定し、早速取り掛かりました。
スキルや要件、嗜好など、ユーザーが現在いる場所でユーザーと対面
Looker を使った最初のプロジェクトの一つが、当社の BI ワークフローを再設計するというものでした。Looker でダッシュボードを作成し、社員が必要とするデータを自動的に利用できるようにしただけでなく、社員が分析情報をカスタマイズしたり、カスタム アラートを設定したりするのに使用できるフィルタも設置しました。ユーザーは、一貫性のあるデータと定義に基づく信頼性の高い分析情報を把握したうえで、自分で情報を検索し、新たな疑問を解決できるようになりました。技術スタッフは、BigQuery で管理されたデータセットを使ってアドホックな分析情報を作成し、それぞれが、Looker Studio、Power BI、Tableau などの任意のツールを使用できます。また、データレイクの一部を複製し、チームに Looker の埋め込み分析を使ってテストできるサンドボックスを提供するようにしました。これで、さらに多くのデータを迅速に確認できるようになり、お客様に価値を提供する新しいビジネス チャンスを作り出すことができるようになります。プロダクト開発チームもまた、プロトタイプの構築とテストをこれまで以上に迅速に行えるようになり、全社で利用できるようにする前に、一部のお客様に対して仮説を検証することもできます。さらに、Looker はクラウドベースなので、すべてのユーザーが自分のノートパソコンのコンピューティング能力を超えることなく、必要なだけデータを分析することができるようになりました。
シームレスなセキュリティと開発の高速化
当社では、BigQuery のアクセス権限機能を活用しています。Looker では BigQuery や複数のサードパーティ CRM から直接データ権限を継承できるので、当社でも Looker のユーザー グループ内にきめ細かいガバナンス戦略を追加できるようになりました。この強力な組み合わせによって、適切な権限を持ったユーザーでなければデータにアクセスできないようになっています。また、Looker ならではの、「データベース内」アーキテクチャにより、ローカル デバイスへのデータの複製や保存が必要なくなったことで、データ管理にかかっていた時間と費用を削減できただけでなく、セキュリティ体制も強化することができました。
サービスが向上し、数十万ドルの費用削減に成功
繰り返し実行するタスクに費やす時間は、数か月、数年と時間が経つにつれて膨大になっていきます。Looker を使えば、頻繁に作成するレポートやアラートを自動化できます。これで、今まで時間がなくて取得できなかった分析情報を取得できるようになるだけでなく、必要なときにいつでも最新のレポートを入手できるようになります。当社では、たとえば、クロスチャネル データを活用する複数の社内ダッシュボードや外部の顧客分析を自動化しました。これまで、自動化する前は、年に 4 回ほどしか分析レポートを作成していませんでした。Looker では、最新の分析結果を即座にスケールや自動化でき、新しいトレンドが出現したらアラートを追加することもできます。また、Looker のダッシュボードやアラートを使って、割り当てられた顧客予算を早々に超過しそうなチームなどの外部の問題や、十分に有給を消化していない社員などの社内の定着率に関する懸念事項を特定し、プロジェクト管理を改善するということも実施しています。
例を挙げて簡単に計算してみると、毎週 50 人が、チームメンバーの時間トラッキングの状況を少なくとも 1 時間かけて確認しているとします。ダッシュボードを構築し、時間トラッキングに関する分析情報を一目で把握できるようにすれば、チーム全体で年間 2,500 時間もの時間を節約できます。仮に 1 時間あたりの請求額が 200 ドルだとすると、ダッシュボードを 1 つ追加するだけで、50 万ドルの節約になります。
Seer Interactive、プロダクト担当ディレクター Drew Meyer 氏
トレンドを先取りするための分析情報と新しいサービス
Looker を活用して、当社ではサービスやプロセスの改善に必要な分析の開発を高速化できたことをはじめ、2 年前には不可能だった、チームメンバーやお客様により優れたユーザー エクスペリエンスを提供できるようになりました。たとえば、既製のツールでは、クライアントごとに差別化された SEO 戦略を提供するのに必要なキーワードの追跡に関する洞察と制御を得られなかったときに、Looker の埋め込み分析を使うことで、独自のキーワードのランキング追跡アプリケーションを作成できました。このアプリケーションは、SEO データを深く掘り下げるデータ探索機能を提供し、正確で一貫した分析情報を維持しながら、チームはデータ分析に独自の柔軟性を取り入れることができるというものです。今後も、Looker を使って新しいインサイトやデータソース、自動化機能を加えながら、お客様を成功へと導く、的確な情報に基づくマーケティング戦略を構築し続けていきたいと考えています。
- Seer Interactive、シニア プロダクト開発リード Christina Blake 氏