Looker とデータポータルで BI の 2 つの要素を同時に実現する
Google Cloud Japan Team
※この投稿は米国時間 2022 年 4 月 7 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。
今日のデータの世界では、企業は、ユーザーにわかりやすい形で分析情報を提供するために、多くのシナリオを検討する必要があります。一方では、ミッション クリティカルなビジネス機能に情報を提供するために、信頼性の高い、統制のとれたレポートを提供する必要があり、もう一方では、幅広いユーザーが自分で答えを見つけられるように、アジャイルなセルフサービスを提供する必要があります。
データドリブン型企業は、関連するデータへのアクセスを民主化し、ビジネス ユーザーが迅速に答えを得られるようにしたいと考えています。ここでトレードオフとなるのはガバナンスです。信頼できる唯一の情報源の共有、データアクセスのきめ細かなコントロール、安全な集中ストレージを維持するのは簡単ではありません。スピードや利便性は、信頼や安心と対立します。企業は、組織内のすべてのユーザー(技術系、非技術系を問わず)が簡単に使用でき、かつリアルタイムで指標を管理できる BI ソリューションを求めています。
このたび、Google は、Looker とデータポータルの統合に向けた最初のマイルストーンを発表しました。これにより、セルフサービス型とガバナー型双方の BI の統合エクスペリエンスの実現が一歩近づきました。ユーザーは、データポータルのインターフェース内の Looker から管理されたデータにアクセスしてインポートし、ビジュアライゼーションやダッシュボードを構築して、セルフサービスで詳細な分析を行えるようになります。
この Looker とデータポータルの統合で、ユーザーは Google Cloud BI の完全な統合ソリューションを利用できるようになります。ビジネス ユーザーはこれまで以上に力を発揮し、データリーダーは組織が必要とする信頼性と安全性を維持できます。
セルフサービス型とガバナー型 BI を組み合わせることで、企業はデータドリブンのより良い意思決定を行うことができるようになります。
Looker とデータポータルのより良いコンビネーション
Looker は、ビジネス インテリジェンスと分析のための最新のエンタープライズ プラットフォームです。Looker を利用することで、ビジネスのあらゆる要素にフィットするデータリッチな環境を構築できるようになります。データポータルは、使い勝手の良いセルフサービス型の BI ソリューションで、500 以上のデータセットに対してアドホックなレポート作成、分析、わかりやすいデータ表示を可能にします。
Looker とデータポータルは、補完的に利用することができます。Looker とデータポータルを組み合わせ、2 つのプロダクトの長所と幅広い BI および分析機能を統合することで、データ活用の方法を再定義する絶好の機会が生まれます。
統合はどのように行われますか?
プロダクト間の最初の統合では、ユーザーはデータポータルから直接 Looker のセマンティック モデルにアクセスできるようになります。分析したいデータを取り入れ、他の利用可能なデータソースと接続して、データポータル内で簡単に確認してビジュアリゼーションを構築できます。この統合は、ガバナンスの 3 つの原則に沿うように行われます。
データへのアクセスには、Looker のユーザー インターフェースを使用する際と同様の、Looker のセキュリティ機能が適用されます。
Looker は、今後もお客様のデータへの単一アクセス ポイントとして機能します。
管理者は、データポータルと Looker を同時に管理できる完全なアクセス権をもつことになります。
プロダクトを統合する方法
これは、この 2 つのプロダクトをより近づけるためのロードマップの第一段階です。Looker のセマンティックモデルでは、指標を一元的に定義して幅広く利用でき、すべてのデータが「コピーをもたない」というバージョンの信頼性を確保できます。この統合により、Looker のセマンティック モデルをデータポータルのレポート内で使用できるようになり、一つのツールでアドホック データとガバメント データの両方を利用したレポートを作成できるようになります。ガバメント データの保護と、ガバメント データと非ガバメント データの両方を分析できるセルフサービス ソリューションという、両方の長所を併せ持つことになります。
今回の発表では、以下のユースケースがサポートされます。
Looker で管理されたデータを、データポータルでカスタマイズ可能かつ有益なダッシュボードやレポートに変換。
Looker で管理されたデータを、データポータルで 500 以上のデータソースの利用可能なデータとミックスし、新しい分析情報をアジャイルに生成。
データポータルで、スプレッドシート、csv ファイル、他のクラウドソースからの非ガバナンスデータを分析し、素早くプロトタイピング。
チームメンバーや社外ユーザーとのリアルタイムの共同編集でダッシュボードを作成。
利用可能になる時期
Looker 用のデータポータル コネクタは、現在プレビュー版です。お試しになりたい方は、フォームに記入して送信してください。
次のステップ
今回の統合は、Looker とデータポータルをより密接に連携させるための取り組みの、ほんの始まりに過ぎません。今後のリリースでは、2 つのプロダクト間でよりシームレスなユーザー エクスペリエンスを実現できる機能を追加していく予定です。今後数か月間の新機能の展開にご期待ください。2 つのプロダクトの統合については、随時お知らせしていきます。
- アウトバウンド プロダクト マネージャー、Ani Jain
- プロダクト マネージャー、Andrew Becker