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データ分析

従来の BI や OLAP のワークロードを AtScale と BigQuery でモダナイズ

2023年10月6日
Google Cloud Japan Team

※この投稿は米国時間 2023 年 9 月 23 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。

オンライン分析処理(OLAP)は、ビジネス インテリジェンス(BI)システム内でデータの分析と報告に使用されているテクノロジーです。OLAP により、ユーザーは複雑なデータをさまざまな視点から分析し、ビジネスのパフォーマンスやトレンドに関するインサイトを得ることができます。1990 年代中頃は、Microsoft SQL Server Analysis Service(SSAS)、Business Objects、Cognos、Microstrategy などの OLAP プラットフォームが、「思考のスピード」で迅速にクエリを実行できることや、ビジネス指向の分析エクスペリエンスを提供できることから、ビジネス ユーザーにとって魅力的な OLAP ソリューションでした。

その後、クラウドに移行する組織が増えてくると、従来の OLAP テクノロジーは運用面とデータ量の面で十分にスケールできず、また、各組織が別個のデータコピーを生成し、それぞれのデータサイロに格納することから、管理が困難になりました。現在、あらゆる業界の企業のデータチームが、最新のクラウドデータ プラットフォームを最大限に活用できるよう、それぞれの分析プラットフォームをモダナイズすることを迫られています。AtScale と Google は、Tyson FoodsCardinal HealthBol.com などの大手企業と連携し、BigQuery のスケーラビリティと弾力性を生かしながら、OLAP の分析エクスペリエンスを提供する、スケーラビリティに優れた分析ソリューションを構築しました。

現在、AtScale と BigQuery は緊密に統合され、元データのアセットを Power BI、Excel、Tableau、Qlik、Looker などの一般的な BI プラットフォームを使った「思考のスピード」での分析エクスペリエンスに渡すための、オープンな分析ファブリックを確立しています。

AtScale と BigQuery が OLAP にもたらす変化

  1. AtScale の OLAP エンジンは SQL の枠を超えてビジネスのモデル化を実現

AtScale の OLAP 分析は、SQL の枠を超え、現在のクラウド ファーストとビッグデータの世界でも通用する次元モデリングの枠組みを採用しています。お客様は、ローコードの設計ユーティリティまたはコード ファーストの手法でビジネス プロセスをモデル化し、Previous、Next、Lead、Lag、Parallel Period、Ancestor、Parent、Descendants、Children、Siblings、Periods To Date など、さまざまな多次元のセル単位の演算子を利用できます。従来の OLAP をベースとする BI プログラムに投資してきた組織は、このモダナイズ プロセスにより、ビジネス ユーザーの業務の中断を最小限に抑えながら移行を進めることができます。

  1. AtScale は、データサイロを作成することなく、思考のスピードでクエリが可能

AtScale と BigQuery を使用した場合、クエリのパフォーマンスを最大限に高めるために、物理的なキューブを構築したり、データ抽出を作成したり、データを BI ツールにインポートしたりする必要がありません。AtScale では、BigQuery に格納される集計が作成および管理され、エンドユーザーのクエリパターンを使用してクエリのパフォーマンスが自動的にチューニングされます。データは BigQuery プラットフォームに維持されるので、セキュリティと管理が簡素化されるとともに、BigQuery エンジンの優れたスケーラビリティが生かされます。

  1. AtScale はさまざまな BI ツールや AI / ML ツールにネイティブで対応

Microsoft Excel は、ほぼ間違いなく、世界中で最も広く使われている BI ツールです。AtScale と BigQuery を使用すると、ユーザーはアドインや追加のクライアントサイド ソフトウェアをインストールすることなく、Microsoft Excel から BigQuery に対してリアルタイムでクエリを実行できます。AtScale は Microsoft Excel(MDX を使用)に対応しているだけでなく、Power BI(DAX を使用)、Tableau(SQL を使用)、Qlik(SQL を使用)、Looker(LookML を使用)、AI / ML ツール(Python を使用)とも同様に統合が可能です。エンドユーザーがよく使うツールで、機能やパフォーマンスを損なうことなく、ネイティブかつリアルタイムのクエリがサポートされます。

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図 1: アーキテクチャの比較: 従来の OLAP(Microsoft SSAS の場合)と AtScale

AtScale と BigQuery による OLAP の再定義

BigQuery 用 AtScale プラットフォームはすでに利用可能です。AtScale は既存の BigQuery データ環境と直接連携します。AtScale プラットフォームの使用を開始するには、Google Cloud Marketplace で AtScale のページをご覧ください。AtScale と BigQuery の共同ソリューションの詳細については、こちらの技術的概要のドキュメントをご覧ください。また、最近開催されたウェビナー Modernizing Legacy OLAP & BI for High Performance Analytics では実際の操作を紹介しています。

-AtScale、創業者 / CTO David Mariani 氏

-分析およびデータ サイエンス パートナーシップ担当ディレクター Naveen Punjabi

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