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データ分析

データとの対話と予測生成を効率化する BigQuery の新しい MCP&ADK ツール

2025年10月15日
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Ganesh Kumar Gella

Senior Director of Engineering

Sandeep Karmarkar

Product Lead, BigQuery

※この投稿は米国時間 2025 年 10 月 1 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。

真に有用な AI エージェントとなるには、企業データと安全な対話ができることが不可欠です。Google Cloud はこの 7 月に、AI エージェントが自然言語とわずか数行のコードで BigQuery のビジネスデータを操作、分析できるツールセットを発表しました。そして今回、次のステップとして、会話分析を使用した「Ask data insights(データにインサイトを求める)」と、時系列予測をローコードで行える「BigQuery Forecast」の 2 つのツールにより、メタデータの取得やクエリの実行にとどまらず、本格的なデータ分析と予測も可能になりました。どちらのツールも、MCP ツールボックスAgent Development Kit組み込みツールセットで今すぐご利用いただけます。

これらの新しいツールで何ができるのか、詳しく見ていきましょう。

ask_data_insights: BigQuery と会話する

ask_data_insights ツールを使用すると、BigQuery の構造化データに関する複雑な質問に、平易な英語で回答できるようになります。

高度な Conversational Analytics API を基盤とする ask_data_insights をエージェントに接続することで、ユーザーの質問を理解し、関連するコンテキストを取り込み、クエリを作成して実行し、平易な英語で回答を要約するといったタスクをこの API にオフロードできます。その過程で、ask_data_insights ツールは処理内容を表示し、そのプロセスの詳細なステップバイステップのログを返します。これにより、回答にたどり着くまでの過程を完全に把握できます。

BigQuery Forecast で未来を予測する

インサイトのない情報は、ただのノイズです。売上、ユーザー トラフィック、在庫ニーズなど、将来のトレンドを予測する能力は、あらゆるビジネスの成功に不可欠です。BigQuery Forecast は、組み込みの TimesFM モデルに基づく BigQuery ML の AI.FORECAST 関数を使用して、時系列予測を簡素化します。

BigQuery Forecast をエージェントに接続することで、ML インフラストラクチャをセットアップしなくても BigQuery 内で直接予測ジョブを実行できます。ツールでデータを指定し、予測したい内容と期間を指定するだけで、エージェントが TimesFM を使用して予測を行います。

新しいツールの活用法: Google アナリティクスのデータ エージェントを構築する

ask_data_insights と BigQuery Forecast を使用して、Google アナリティクス 360 のデータに関する質問に回答するシンプルなエージェントを構築する手順を見ていきましょう。このデモの前提と大まかな流れは次のとおりです。

  • データは BigQuery テーブルに保存されています。このテーブルは、BigQuery の一般公開データセットである bigquery-public-data.google_analytics_sample にあり、エージェントのユーザーにはこのテーブルへの読み取りアクセス権のみ必要です。
  • このエージェントは ADK を使用してビルドし、「adk web」を使用してテストします。
  • ADK の組み込みツールから 1 つ、MCP ツールボックスから 1 つのツールを使用します。エージェントのアーキテクチャとニーズに応じて、どちらかのオプションを使用できるようにします。

この図は、このシンプルなエージェントのアーキテクチャを示しています。

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エージェントのコードは次のとおりです。

lang-py
読み込んでいます...

上記のエージェント コードを使用して、ADK のデベロッパー UI(adk web)に切り替え、エージェントをテストして動作を確認します。

まず、ツールを使用してデータを理解しましょう。

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インサイト ツールを使用してデータを要約するエージェント

次に、エージェントがビジネスに関する質問に答えられるかどうかを確認します。

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Conversational Analytics API のバックエンドはより深い思考能力を備えており、豊富なインサイトを引き出すことができます。

上記のように、Conversational Analytics API には高度な思考を行う能力が備わっているため、質問に対して豊富なインサイトを提供できます。

では次に、エージェントが未来を予測できるか見てみましょう。

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はい、95% の信頼度で予測可能です。これらのツールにより、ビジネスユーザーも技術的スキルのレベルに関係なく TimesFM モデルのパワーを活用できるようになります。

データから分析と予測を引き出す

BigQuery に導入されたこれらの新機能は、デベロッパーによるデータドリブンなアプリケーションやエージェントの構築方法を根本的に変える力となるでしょう。AI を活用した会話分析と、強力な組み込みの予測機能の組み合わせにより、高度なデータ分析をこれまで以上に簡単に行えるようになると確信しています。

ask_data_insights ツールと BigQuery Forecast ツールについて詳しくは、MCP Toolbox for Databases とコアの Agent Development Kit をご覧ください。

ー エンジニアリング担当シニア ディレクター Ganesh Kumar Gella

ー BigQuery、プロダクト リード Sandeep Karmarkar

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