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コンピューティング

Google の新しい Arm ベース CPU である Google Axion プロセッサのご紹介

2024年4月11日
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Google Cloud Japan Team

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※この投稿は、2024 年 4 月 10 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。

Google は、常にコンピューティングの可能性を広げ、情報検索、グローバルな動画配信、そして生成 AI に至るまで、壮大な課題に対して何が可能かを模索しています。そのためには、サービス開発者との緊密な協業のもと、システム設計を再考する必要があります。この再考により、カスタム シリコンに多額の投資を行いました。本日、最新の取り組みとして、データセンター向けに設計された Google Cloud 初のカスタム Arm®ベース CPU である Google Axion プロセッサを発表しました。Axion は業界をリードするパフォーマンスとエネルギー効率を実現し、2024 年中に Google Cloud のお客様への提供開始を予定しています。

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Google Axion プロセッサでの汎用ワークロードの実行により、優れたパフォーマンス、高いエネルギー効率、高度な機能を実現

Axion は、Google の歴史あるカスタム シリコン シリーズの最新の製品 です。2015 年以降、Google は 5 世代の Tensor Processing Unit(TPU)をリリースしています。2018 年には、ビデオ トランスコーディングの効率を最大 33 倍向上させた最初の Video Coding Unit (VCU) をリリースし、2021 年には  「システム オン チップ(SoC)」設計に投資することでカスタム コンピューティングを強化し、モバイル デバイス向けの 3 世代の Tensor チップをリリースしました。

コンピューティング アクセラレータへの投資はお客様の可能性を変革してきましたが、これまでも今後も、汎用コンピューティングはお客様のワークロードの重要な要素であり続けるでしょう。分析、情報検索、ML のトレーニングやサービングのすべてに、膨大なコンピューティング能力が必要です。パフォーマンスの最大化、インフラストラクチャ コストの削減、持続可能性の目標の達成を望むお客様やユーザーは、CPU の改善速度が近年鈍化していることを認識しています。アムダールの法則は、アクセラレータの改良が進むにつれて、それに見合った投資を行わない限り、汎用コンピューティングがインスフラストラクチャのコストを支配し、インフラストラクチャの能力を制限することを示唆しています。

Google Axion プロセッサは、Google のシリコンに関する専門知識と Arm の最高性能の CPU コアを組み合わせることで、現在クラウドで利用可能な最速の汎用 Arm ベースのインスタンスよりも最大 30% 優れたパフォーマンス、同等の現行世代の x86 ベースのインスタンスと比較して最大 50% 性能が向上し、最大 60% 優れたエネルギー効率を備えたインスタンスを提供します1。そのため、BigTable、Spanner、BigQuery、Blobstore、Pub/Sub、Google Earth Engine、YouTube Ads プラットフォームなどの Google サービスを現世代の Arm ベースのサーバーにすでにデプロイし始めており、これらを含むあらゆるサービスを 近々 Axion 上にも展開および拡張する予定です。

チタンに裏打ちされた比類なき性能と効率

Arm Neoverse™ V2 CPU を使用して構築された Axion プロセッサは、ウェブおよびアプリケーション サーバー、コンテナ化されたマイクロサービス、オープンソース データベース、インメモリ キャッシュ、データ分析エンジン、メディア処理、CPU ベースの AI トレーニングと推論などの汎用ワークロードのパフォーマンスを飛躍的に向上させます。 

Axion は、専用のカスタム シリコン マイクロコントローラと階層型スケールアウト オフロードからなるシステムの Titanium によって支えられています。Titanium オフロードは、ネットワークやセキュリティなどのプラットフォーム操作を処理するため、Axion プロセッサは、お客様のワークロードに対してより多くの容量とパフォーマンス向上を可能にします。また、Titanium は、パフォーマンスとインスタンス サイズを切り離し、リアルタイムで動的にプロビジョニングできる新しいブロック ストレージサービスである Hyperdisk にストレージ I/O 処理をオフロードします。

「Google による新しい Axion CPU の発表は、Google のインフラストラクチャに最適化され、当社の高性能 Arm Neoverse V2 プラットフォーム上に構築されたカスタム シリコンを提供する上で重要なマイルストーンとなります。数十年にわたるエコシステムへの投資と、Google の継続的なイノベーションおよびオープンソース ソフトウェアへの貢献を組み合わせることで、あらゆる場所で Arm を実行するお客様にとって最も重要なワークロードで最高のエクスペリエンスを保証します。」 - Arm CEO、Rene Haas 氏

お客様は、パフォーマンスだけでなく、より効率的な運用と持続可能性の目標達成を望んでいます。Google Cloud のデータセンターは、5 年前と比較して、すでに業界平均の 1.5 倍の効率を実現しており、同じ電力量で 3 倍のコンピューティング能力を提供しています2。Google Cloud では、オフィス、キャンパス、データセンターを カーボンフリーエネルギーで 24 時間 365 日稼働させる意欲的な目標を掲げており、二酸化炭素排出量の報告を支援するツールを提供しています。Axion プロセッサを使用することで、お客様はさらにエネルギー効率を最適化できます。

Axion - すぐに使えるアプリケーションの互換性と相互運用性

Google には、Arm エコシステムに貢献してきた豊かな歴史もあります。Android、Kubernetes、Tensorflow、Go 言語を構築してオープンソース化し、Arm や業界パートナーと緊密に連携して Arm アーキテクチャ向けに最適化しました。 

Axion は、標準の Armv9 アーキテクチャと命令セットに基づいて構築されています。直近では、一般的なオペレーティング システムやソフトウェア パッケージを Arm ベースのサーバーや VM 上でシームレスに実行できるようにする、Arm のハードウェアとファームウェアの相互運用性規格である SystemReady Virtual Environment(VE)に Google も貢献し、お客様が最小限のコードの書き換えで Google Cloud 上で Arm ワークロードを簡単にデプロイできるようにしました。このコラボレーションを通じて、すでにワークロードをデプロイし、数百の ISV やオープンソース プロジェクトの Arm ネイティブ ソフトウェアを活用している数万のクラウド顧客のエコシステムにアクセスすることができます。 

お客様は、Google Compute Engine、Google Kubernetes Engine、Dataproc、Dataflow、Cloud Batch など、多くの Google Cloud サービスで Axion を使用できます。 Arm 互換のソフトウェアとソリューションは Google Cloud Marketplace で利用できるようになり、また先日 Migrate to Virtual Machines サービスで Arm ベースのインスタンス移行のプレビュー サポートを開始しました。

お客様やパートナーの声

「Bitnami by VMware Tanzu ライブラリに Google Cloud 向けの新しい Axion Arm ベース CPU で構築されたアプリケーション パッケージを追加できることを嬉しく思います。これにより、パフォーマンスが大幅に向上し、魅力的な価格性能と持続可能性が向上します。新しい Google Axion インスタンスを活用することで、お客様がデプロイを合理化し、環境フットプリントのさらなる削減を支援します。」 - Broadcom、Tanzu 部門、R&D 担当シニア ディレクター、Mike Wookey 氏

「世界中の組織がクラウド侵害を阻止すべく、CrowdStrike の単一プラットフォームと単一エージェントのアーキテクチャを活用しています。CrowdStrike は業界最高の保護機能を提供しながら、最速で導入できるため、Google の新しいプロセッサで能力と効率の向上を検証できることを嬉しく思います。」 – CrowdStrike、最高事業責任者、Daniel Bernard 氏

「Cybereason のお客様は、当社のシステムが提供する強固なサイバーセキュリティ保護を求めています。新しい Google Cloud のカスタム Arm ベース CPU によって実現されるパワーと効率の向上は非常に興味深く、優れた脅威検知とレスポンス機能をお客様に提供するための能力を検証していく予定です。」 - Cybereason、事業開発担当バイス プレジデント、Tzach Segal 氏

「Datadog は、Arm ベースの仮想マシンを採用するお客様にとって信頼できるパートナーであり、自社の運用においても Arm をいち早く導入しました。Google Cloud による Axion プロセッサの発表を嬉しく思っており、お客様が Google Cloud Arm インスタンスで Datadog を使用することによるコストとパフォーマンスのメリットを測定できるよう、当社のワークロードで評価する予定です。」 - Datadog 製品管理担当バイス プレジデント、Yrieix Garnier 氏

「Elastic は、お客様があらゆる規模で構造化データと非構造化データの可能性を効率的に引き出せるよう支援することに尽力しています。Google Cloud の新しいカスタム Arm ベース CPU を検証し、Google Cloud Platform 上でより優れた Elastic の体験を提供できることを期待しています。」 - Elastic、製品担当バイスプレジデント、Steve Kearns 氏 

「OpenX は長年にわたって Google Cloud と強力なパートナーシップを構築しており、Google Cloud の Arm ベースの仮想マシン上に構築するメリットを実感してきました。新世代の Arm ベースの Axion プロセッサによる目覚ましい改善が待ちきれません。」 - OpenX、エンジニアリング担当シニア バイス プレジデント、Joel Meyer 氏  

「Snap は、人々が自己表現をし、その瞬間を生き、世界を学び、お互いに楽しむ場を提供します。私たちは、パフォーマンスと効率のためにインフラストラクチャを常に最適化しています。Google の新しい Axion Arm ベースの CPU は、その両方で大きな改善が期待できます。持続可能性の目標を推し進めながら、こうした改善によりコミュニティに貢献できることを非常に嬉しく思います。Axion ベースの仮想マシンが利用可能になった際、そのメリットを体感できることを楽しみにしています。」 - Snap、クラウド インフラストラクチャ、エンジニアリング担当シニア ディレクター、Korwin Smith 氏

「WP Engine は、150 か国 150 万人以上のお客様のウェブサイトを支えています。お客様はWP Engine のパフォーマンス、信頼性およびセキュリティの提供に信頼を寄せており、当社はその責任を真摯に受け止めています。当社はイノベーションへのコミットメントと顧客中心の考え方により、お客様のオンライン パフォーマンスと信頼を高める方法を常に模索しています。Google の新しいカスタム Arm ベースのプロセッサと、期待されるパフォーマンスおよび持続可能性の向上を検証し、お客様がさらに魅力的なウェブサイトやアプリケーションを作成する方法を模索できることを嬉しく思います。」 - WP Engine、シニア バイス プレジデント兼CTO、Ramadass Prabhakar 氏

詳細

Axion プロセッサ ベースの仮想マシンは、今後数か月以内にプレビューで利用可能になります。ご登録はこちらにてできます。


1. 2024 年 3 月 31 日Google Cloud 内部データより

2. 2023 年 Google Environmental Report 10 ページより

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