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コンピューティング

Google Cloud Spot VM によってフォールト トレラントなワークロードを費用対効果の高い方法で実行

2021年11月10日
Google Cloud Japan Team

※この投稿は米国時間 2021 年 10 月 29 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。

マイクロサービス、コンテナ化されたワークロード、水平方向にスケーラブルなアプリケーションといった最新のアプリケーションは、基盤となるマシンが永続的でなくても永続するように設計されています。このアーキテクチャにより、お客様は Spot VM を活用して Google のアイドル状態の処理能力を利用できるため、アプリケーションの実行を価格を最低限に抑えることが可能です。Spot VM を使用すると、オンデマンド VM の料金を 60~91% 削減できます。Google Kubernetes Engine(GKE)Standard と統合して、コストを最大限に最適化しましょう。Google から Spot VM の容量の返却を求められると、スケーラブルなアプリケーションはオンデマンド リソースを使用するようにシームレスに切り替わります。

現在プレビュー版でご利用いただける Spot VM を Google Cloud プロジェクトにデプロイすると、以下のメリットを実現できます。

  • 総所有コスト(TCO)の改善: オンデマンド VM に対して最大 91% の割引が適用されるため、Spot VM を利用できるアプリケーションではコストをすぐに削減できます。Spot VM をカスタム マシンタイプと組み合わせて、割引された Spot GPU と Spot ローカル SSD を追加すると、パフォーマンスを犠牲にせずに TCO を最大化できます。

  • 自動化の向上: GKE にデプロイをまかせて、Spot VM と現在のインフラストラクチャをシームレスに組み合わせることができます。Spot VM が利用可能になると自動的にスケールアップし、プリエンプションが発生すると正常に終了するため、作業が完了するまで中断を最小限に抑えることができます。

  • 使いやすさと統合: Spot VM は全世界で利用可能であり、1 行変更するだけで使用を開始できます。リソースは再利用が必要になるまでユーザーのものであり、特に時間制限はありません。新しい Termination Action プロパティを利用すれば、プリエンプション時に削除され、使用後にクリーンアップされます。

Spot VM はすべてのリージョンとほとんどの Compute Engine VM ファミリーで利用でき、オンデマンド VM と同じパフォーマンス特性を備えています。Spot VM がオンデマンド VM と唯一異なる点は、通知 30 秒後にリソースを再利用できるため 60~91% の割引が適用されることです。

Spot VM は、財務モデル、視覚効果、ゲノミクス、予測、シミュレーションなど、幅広い業界のさまざまなワークロードに最適です。フォールト トレラントやステートレスのワークロードがある場合、VM コストを最大 91% 削減する方法として Spot VM をお試しになることをご検討ください。使用を開始するのはとても簡単で、インスタンス リクエストに –provisioning_model=Spot を追加するだけで済みます。コスト削減の効果はすぐに現れます。

Spot VM の新しい動的料金設定モデル

お客様のコスト削減を最大化するために、Google はオンデマンド VM に 60~91% の割引を適用する新しい動的料金設定モデルを導入しています。この新しい料金設定モデルは、リージョンの移動使用量履歴に基づいて各リージョンに割引を適用することにより、どなたでも可能な限り最適なプリエンプティブル インスタンスを利用できるようにします。この割引額は最大月 1 回の頻度で変更されます。オンデマンド VM の料金に対する最小割引率は 60% で変わりませんが、実際の割引率は 60~91% の間で上下する可能性があります。お客様は新しい料金設定が適用される前に、料金設定の予測をプレビューして、次の料金設定の変更を確認することもできます。

本日より、前述の VM ファミリーとロケーションが値下げされます。また、動的料金は 2022 年に開始される予定です。

https://storage.googleapis.com/gweb-cloudblog-publish/images/spot_vm_1.max-1500x1500.jpg

–preemptible を使用して作成されたプリエンプティブル VM のインスタンスは引き続きサポートされます。プリエンプティブル VM のお客様は、新しい料金設定の適用を受けるために何も変更する必要はありません。ただし、プリエンプティブ VM には今後も 24 時間の制限があります。最長時間の制限を回避するには、Spot VM に切り替えていただく必要があります。料金設定をできるだけシンプルに保つため、プリエンプティブル VM は Spot VM と同じ料金設定になっています。

高度なコンテナ オーケストレーションを求める組織向けの主要なプラットフォームである Google Kubernetes Engine(GKE)も、Google のエコシステムに基づいて Spot VM を活用します。Spot VM を使用する GKE ノードは、ユーザーがコンテナ化ワークロードを費用対効果の高い方法で最大限に活用できる一般的な方法です。GKE では、--spot を使用して Spot ノードを作成できます。--preemptible を使用して作成されたプリエンプティブル ノードは引き続きサポートされます。さらに、GKE v1.21 以降では、enable_graceful_node_shutdown がデフォルトで有効になっており、GKE で Spot をスムーズに利用できます。カスタム マシンタイプと GKE のコスト最適化のベスト プラクティスを組み合わせれば、GKE Spot ノードを使用しているお客様はさらなるコスト削減を実現できます。

NetApp とのパートナーシップ

Google では Spot への継続的な投資の一環として、GCP エコシステムが Spot VM 上でサポート、構築する方法も強化しています。このたび、Spot.IO との提携により、共同のお客様はこれまでで最適な料金設定を利用できるようになりました。

「Spot.IO は、Google Cloud の新しい Spot VM による業界屈指のコスト削減と予測可能性の組み合わせを利用できることをうれしく思います。Google の Spot VM は、マイクロ サービス、コンテナ、VM ベースのステートレス / ステートフル アプリケーション全体でクラウド導入を加速しながら、クラウド インフラストラクチャのワークロードを自動化するうえでの柔軟性と汎用性を共同のお客様に提供し、クラウド費用を最適化する機会を生み出します。」 - Amiram Shachar 氏 Spot.IO 社 VP 兼ゼネラル マネージャー

使ってみる

Spot VM は現在、プレビュー版でご利用いただけます。使用を開始するには、Spot VM のドキュメントを参照し、詳しい概要とプロジェクトで Spot VM を作成する方法をご確認ください。

-プロダクト マネージャー Jin Su
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