ストレージと I/O 集約型ワークロード向けに 9 つの新しい VM と 1 つのベアメタル インスタンスで Z3 ファミリーを拡大
Garv Sawhney
Group Product Manager
bob Napaa
Principal Product Manager
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視聴はこちら※この投稿は米国時間 2025 年 7 月 9 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。
このたび、Z3 ストレージ最適化 VM ファミリーの拡大として、9 つの新しい Z3 仮想マシンの一般提供を開始しました。これらの VM は、VM あたり 3 TiB から 18 TiB のローカル SSD 容量を提供し、VM あたり 36 TiB のローカル SSD を提供する既存の Z3 VM を補完するものです。また、最大 72 TiB のローカル SSD を搭載した Z3 ベアメタル インスタンスもリリースしました。Z3 VM を使用すれば、Shopify、Tenderly、ScyllaDB などのお客様は、前世代のローカル SSD を使用する VM インスタンスと比較して IO アクセス レイテンシを最大 35% 削減し、高パフォーマンス ストレージ ワークロードのパフォーマンスを大幅に向上させることができます。
Z3 VM は、SQL、NoSQL、ベクトル データベース、データ分析、セマンティック データ検索と取得、分散ファイル システムなど、大容量のローカル ストレージと高いストレージ パフォーマンスを必要とする I/O 集約型ワークロードを実行できるよう構築されています。Z3 ベアメタル インスタンスは、物理サーバーの CPU に直接アクセスできるため、プライベート クラウドやハイブリッド クラウド プラットフォーム、カスタム ハイパーバイザ、コンテナ プラットフォーム、特殊なパフォーマンスやライセンス要件を持つアプリケーションなど、低レベルのシステム アクセスを必要とするワークロードに非常に適しています。
Z3 VM とベアメタル インスタンスはどちらも Titanium SSD をベースとしており、ローカル ストレージの処理を CPU リソースからオフロードすることで、リアルタイムのデータ処理、低レイテンシ、スループットの高いストレージ パフォーマンス、ストレージ セキュリティの強化を実現します。Titanium SSD を搭載した Z3 VM は、最大 36 GiB/秒の読み取りスループットと最大 900 万 IOPS を実現し、前世代のローカル SSD と比較して書き込みストレージのパフォーマンスが最大 25% 向上しています1。
第 4 世代 Intel Xeon スケーラブル プロセッサをベースとする Z3 VM は、11 種類の仮想マシン形状で、最大 176 個の vCPU、1,408 GiB のメモリ、36 TiB のローカル ストレージを備えています。Z3 ベアメタル インスタンスは、192 個の vCPU、1,536 GiB のメモリ、72 TiB のローカル ストレージを備えます。Z3 VM とベアメタル インスタンスは、標準帯域幅で最大 100 Gbps、高トラフィック アプリケーション向けの Tier1 ネットワーキングで最大 200 Gbps の帯域幅を提供し、 エンタープライズ ワークロードに必要な接続性とストレージ パフォーマンスを提供します。
Z3 仮想マシン ポートフォリオが拡大されたことで、インフラストラクチャを適切にサイジングし、クラスタをスケーリングしてワークロードの要件を満たすことができるようになりました。これは、ローカル SSD の総容量の増加と、vCPU あたりのローカル SSD 容量の増加によって実現されます。Z3 には 2 種類の VM タイプがあります。standardlssd VM タイプには、vCPU あたり約 200 GiB のローカル SSD を提供する 5 つの VM シェイプが含まれています。それらは、データ分析(OLAP)や、MySQL や Postgres などの SQL データベースのワークロード向けに最適化されています。highlssd VM タイプ には、 6 種類の VM シェイプと Z3 ベアメタル インスタンスが含まれます。それらは vCPU あたり約 400 GiB のローカル SSD を提供するもので、分散データベース、データ ストリーミング、大規模な並列ファイル システム、データ検索に最適化されています。
お客様とパートナー様の声


「Nutanix は、柔軟なハイブリッド クラウド ソリューションを提供するという取り組みの一環として、2025 年末に Nutanix Cloud Clusters を Google Cloud で提供することをここに発表でき、嬉しく思います。Google Cloud の Z3 インスタンス タイプは、Nutanix がエンタープライズ アプリケーションのパフォーマンスと復元力を高めるうえで最適な基盤です。Google Cloud とのパートナーシップにより、共通のお客様の選択肢が広がり、クラウドへの移行がよりシンプルになることを期待しています。」- Nutanix、プロダクト管理担当バイス プレジデント、Saveen Pakala 氏


「OP Labs は、イーサリアムのパフォーマンスとスケーラビリティを大幅に向上させる Optimism プロトコルに貢献しています。Z3 は、最も I/O 需要の高いブロックチェーン ノードで、N2 と比較して p99 ブロック挿入テールレイテンシを 30 ~ 50% 削減しています。ソリューションを Z3 に移行することで、L2 状態の増加をよりパフォーマンスが高く費用対効果の高い方法で処理できるよう、ブロックチェーン ノードをスケーリングできると考えています。」- OP Labs、シニア スタッフ エンジニア Zach Howard 氏


「Google Cloud の Z3 ストレージ最適化インスタンスの小型 VM シェイプのリリースは、トラフィックの多い NoSQL 環境のパフォーマンスを飛躍的に向上させます。社内テストとお客様のプロジェクトにおいて、ScyllaDB は Z3 の次のようなメリットを効果的に活用しています。読み取りと書き込みの負荷が高い状況でもレイテンシが非常に低いこと、大量のデータを処理できる高い IOPS 容量を備えていること、大規模な本番環境システムにおいて優れた費用対効果を実現できることなどです。ScyllaDB Cloud で Z3 ファミリー サーバーを提供できることを嬉しく思います。お客様所有アカウント(BYOA)もご利用いただけます。」- ScyllaDB、共同創業者 / CTO、Avi Kivity 氏


「Shopify は、Z3 がパフォーマンスに最も敏感なストレージ システムを構築するうえで最適なプラットフォームであると考えています。ストレージ側でレイテンシとスループットに配慮しながら、大量のデータを処理する必要性が非常に高まっていました。Google には多くの選択肢がありますが、ローカル SSD が最適でした。Z3 を使用することで、真実のソースのストレージ ワークロードに適した安定性の向上と、最適な費用対効果を実現できました。現時点では、ストレージ最適化 VM が将来のプラットフォームとして最適であると考えています。」- Shopify、インフラストラクチャ担当バイス プレジデント、Mattie Toia 氏


「Tenderly は、Web3 の本番環境と開発に欠かせないツールとして構築されており、必要なインフラストラクチャがすべて 1 か所に集約されています。そのためチームは迅速かつ確実に運用でき、ブロックチェーン技術を簡単に利用することができます。Z3 インスタンスでブロックチェーン ワークロードを実行したところ、N2 および N2D インスタンスと比較して読み取りレイテンシが 40% 向上するという素晴らしい結果が得られました。」- Tenderly、SRE リード、Ilija Petrovic 氏


「VAST AI オペレーティング システムは、組織に統合プラットフォームを提供し、クラウド環境とオンプレミス環境にまたがるグローバル名前空間を通じて、構造化データ、非構造化データ、ストリーミング データなど、すべてのデータを推論できるようにします。これにより、インテリジェント エージェントとアプリケーションは、完全なコンテキストとリアルタイムの速度で動作できます。Google Cloud で実行しているお客様にとって、Z3 VM は、これらのワークロードを加速するための理想的なストレージ インフラストラクチャを提供することで、このビジョンを補完してくれます。これにより、AI パイプラインがクラウドで高速に実行され、簡単にスケーリングできるようになります。」 - VAST Data、創業者兼 CEO、Renen Hallak 氏
Z3 VM は、Google の主力 PostgreSQL 互換データベース サービスである AlloyDB の物理基盤でもあり、高度なマルチレベル キャッシュを提供します。AlloyDB は、Z3 の広大なローカル SSD を超高速キャッシュとして使用し、メモリに保存できるデータの最大 25 倍のデータセットを保持します。データベース クエリは、これらのキャッシュされた大規模なデータセットに、特にアプリケーションのエンドツーエンドの全体的な応答時間を考慮すると、インメモリ パフォーマンスにほぼ近いレイテンシでアクセスできます。AlloyDB の高性能な列指向エンジンはこの巨大なキャッシュ内で完全に動作するため、リアルタイム分析ワークロードを含む非常に大規模なデータベースにとって大きなメリットとなります。Z3 VM 上の AlloyDB は、まもなくプレビュー版が提供される予定です。トランザクション ワークロード、特に大規模なデータセットの場合、N シリーズ VM と比べて最大 3 倍のパフォーマンスを実現するものです。
メンテナンスの利便性の向上
Z3 インスタンスでは、必要なメンテナンスの数日前にシステムから通知が届くため、事前に計画を立てて、任意のタイミングでメンテナンス作業をスケジュールすることができます。新しい Z3 VM では、ローカル SSD ストレージが 18 TiB 以下の VM のメンテナンス イベント中にインスタンスをライブ マイグレーションできるため、メンテナンス体験の質がさらに向上します。36 TiB のローカル SSD を備えた Z3 VM と Z3 ベアメタル インスタンスでは、計画的なメンテナンス イベント中にデータを保持するインプレース アップグレードも利用できます。
Hyperdisk のサポート
Z3 VM は、Google Cloud のワークロード最適化ブロック ストレージである Hyperdisk をサポートしています。Hyperdisk では、インスタンスごとにストレージのパフォーマンスと容量を個別に調整できるため、ワークロードごとにパフォーマンスを最適化できます。
Z3 VM は、スケーラブルで高パフォーマンスのネットワーク接続ストレージである Hyperdisk Balanced、Hyperdisk Throughput、Extreme Hyperdisk ストレージに対応しており、インスタンスあたり最大 512 TiB の容量をサポートしています。汎用ワークロードの場合、インスタンスあたり最大 160,000 IOPS の Hyperdisk Balanced は、パフォーマンスと費用対効果のバランスが取れています。Hyperdisk Extreme は超低レイテンシを実現し、Z3 VM インスタンスあたり最大 35 万 IOPS と 5,000 MiB/秒のスループット、Z3 ベアメタル インスタンスあたり最大 50 万 IOPS と 10,000 MiB/秒のスループットをサポートしています。そのため、データベースなどの要求の厳しいワークロードに最適です。永続ストレージに Hyperdisk を使用し、キャッシュに Z3 ローカル SSD を使用することで、ハイエンド データベースとミッション クリティカルなワークロードに最適なストレージ アーキテクチャが実現
Z3 を今すぐ利用開始
Z3 VM とベアメタル インスタンスは、現在、世界中の大半のリージョンでご利用いただけます。Z3 インスタンスの使用を開始するには、Google Cloud コンソールで新しい VM または GKE ノードプールを作成するときに、新しいストレージ最適化マシン ファミリーに属する Z3 を選択します。詳しくは、Z3 マシンシリーズのページをご確認ください。ご利用いただけるリージョンについて詳しくは、Google Cloud の営業担当者までお問い合わせください。
1. 結果は Google Cloud の内部ベンチマークに基づく
ー グループ プロダクト マネージャー、Garv Sawhney
ー プリンシパル プロダクト マネージャー、Bob Napaa