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コンピューティング

Bare Metal Solution: 世界各地の Google Cloud データセンターから提供開始

2020年7月1日
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Google Cloud Japan Team

※この投稿は米国時間 2020 年 6 月 29 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。

Google は昨年 11 月、Bare Metal Solution を発表しました。このソリューションを使えば、クラウドへの移行に伴うリスクを低減し、全体的な費用を下げながら、Oracle データベースなどの専門的なワークロードを Google Cloud の近くで実行できます。発表以来、Google では全世界での同ソリューション提供を目指して取り組んでまいりました。本日、バージニア州アッシュバーン、フランクフルト、ロンドン、カリフォルニア州ロサンゼルス、シドニーの 5 つの地域で、Bare Metal Solution の提供を開始することを発表いたします。また、今年の年末までに、アムステルダム、サンパウロ、シンガポール、東京でも同ソリューションの提供を開始する予定ですのでどうぞご注目ください。お住まいの地域に近い Google Cloud データセンターから Bare Metal Solution が利用できるようになる日はもうすぐです。

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専門的なワークロードを Google Cloud で実行可能に

Bare Metal Solution の狙いは、エンタープライズ クラスのミッション クリティカルなアプリケーションで必要とされるレベルのパフォーマンスと可用性を提供することです。そのために、第 2 世代の Intel Xeon スケーラブル プロセッサ(Cascade Lake)を搭載した最新型の専用サーバーを各種サイズ取り揃えて提供しています。Bare Metal サーバーのコア数は必要に応じて適切なものを選んでいただけるよう、少ないものでは 16 から、多いものでは 112 まで(3 テラバイト DRAM 付き)揃えており、特に要求の厳しいワークロードにも対応可能です。また、Bare Metal サーバーは、ほとんどの主要ソフトウェア企業の認定を受けています。さらに、リージョン拡張でデプロイした Bare Metal Solution において、Google Cloud に対し 2 ミリ秒未満のレイテンシを実現しています(ほとんどのケースで実測値は 1 ミリ秒未満です)。

エンタープライズ ワークロード向けソリューションにおいて特に重要となってくる点として、ストレージのパフォーマンスと可用性があります。Bare Metal Solution では世界最先端の NVMe ベースのストレージを採用しています。このストレージは、保証している一定の IOPS とスループットを提供できるようにあらかじめ調整されています。さらに、データ保護に役立つ自動スナップショット機能も備えています。

エンタープライズ アプリケーションのデプロイにあたっては、ネットワークの設定に手間取ることがよくあります。その点、Bare Metal Solution では Google の Partner Interconnect フレームワークを使用し、お使いの用途に最適なルーティングをあらかじめ構成した状態で提供しています。これにより、サイト間のレプリケーションの設定などの複雑な作業も、数回のクリックで簡単に行うことが可能です。

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こうした数々の特長によって、Bare Metal Solution では、オンプレミスのデータセンターにあるワークロードを Google Cloud にすばやく簡単に移行できるだけでなく、移行に伴うリスクの低減、全体的な費用の削減も可能です。

継続的デリバリー ソフトウェア サービスの大手である CloudBees は近頃、Bare Metal Solution を使って Google Cloud への移行を迅速に遂行しました。

「Google の Bare Metal Solution のおかげで、ビジネス プロセスをほとんど中断せずに、Google Cloud への移行や Google Cloud サービスとの統合を簡単に行うことができました。クラウドネイティブなデータベースを手軽に活用できるので、Bare Metal Solution には大変満足しています。」- CloudBees 社 最高戦略責任者 Francois Dechery 氏

パートナーの力を借りて構築

Bare Metal Solution は、Google Cloud の多彩なパートナー エコシステムの力を借りて、重要なコア機能やオプションのアドオン機能を提供するソリューションです。たとえば、Bare Metal Solution では、エンタープライズ クラスのアプリケーションをサポートする NetApp ストレージ ソリューションを採用しています。NetApp の NVME ストレージ テクノロジーによって、エンタープライズ クラスのパフォーマンスを実現しているほか、同ストレージに備わっている業界基準のスナップショット テクノロジーを通じてデータ保護も強化しています。

エンタープライズ アプリケーションのその他の重要な点として、バックアップと復元があります。Actifio は、Bare Metal Solution を利用しているお客様に、このようなアドオン機能を提供しています。具体的には、バックアップ カタログや、ポリシーベースのバックアップと復元の機能のほか、Google Cloud にあるすべてのデータアセットの統合ビューを提供しています。Actifio の画期的なコピーデータ管理方式を用いれば、ストレージおよびソフトウェアの費用を削減できるだけでなく、システム停止が発生したときの復旧時間も短縮できます。詳しくは、Actifio のブログ投稿をご覧ください。

また、Atos は、エンタープライズ向けのマネージド サービスである Atos Database Hotel を Bare Metal Solution ユーザーに提供しています。これは、Google Cloud とシームレスに統合されたフルマネージド型の安全なクラウド サービスであり、オーケストレーション、管理、インフラストラクチャにわたる Atos の包括的なサービスを活用できます。

このように、業界最先端のテクノロジーと Google パートナーの専門スキルを組み合わせて Bare Metal Solution を強化することによって、システムの迅速な実装と全体的なユーザー エクスペリエンスの向上を実現できると Google では考えています。

オープンソースへの取り組みの強化

Google では、Bare Metal Solution の開発中に、差別化したエクスペリエンスを、自動化ツールバックという形で、企業のお客様に提供するべきではないか、と考えるようになりました。具体的には、専門的なワークロードの管理や、デプロイ、日常的タスク(バックアップなど)の管理に役立つ自動化ツールパックです。そうした思いから、オープンソースの IT 自動化ツール Ansible を使ってツールキットを開発しました。このツールキットを使えば、データベースのインストールや、ストレージの管理、バックアップの設定をすばやく行うことが可能です。このツールキットは GitHub でオープンソースとして公開されており、どなたでもご利用いただけます。

まとめ

Google Cloud では、皆様の期待に応えるのはもちろんのこと、それを上回るようなクラウドを構築できるよう、継続的に取り組んでいます。Bare Metal Solution はそうした取り組みの延長線上にあるものであり、企業におけるワークロード実行費用の削減や、クラウド移行に伴うリスクの低減などのメリットをもたらすと同時に、モダナイゼーションを促進します。

詳しくは、Google Cloud Next ’20: OnAir のセッション Business Continuity with Oracle in Google Cloud(Google Cloud 上の Oracle のビジネス継続性)をご覧ください。また、Bare Metal Solution のウェブサイトもご覧ください。

- By シニア プロダクト マネージャー Gurmeet Goindi、プロダクト管理およびデータベース担当

ディレクター Penny Avril

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