Hackensack Meridian Health の患者ケアは Chrome ブラウザから始まる
Google Cloud Japan Team
※この投稿は米国時間 2021 年 11 月 4 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。
編集者注: 本日の投稿は、ニュージャージー州で 17 の病院を経営し 36,000 人の従業員を抱える Hackensack Meridian Health(HMH)のCTO、Mark Eimer 氏によるものです。Hackensack Meridian Health は、従業員が勤務場所にかかわらずアプリとコンテンツにアクセスできるように Chrome ブラウザを採用しました。現在では、500 か所にわたり 60,000 件の Chrome ブラウザのインストールを管理しています。HMH はこのように Chrome の採用に成功した後、Chrome OS、Citrix、Workspace を標準化することで、Chrome 利用の取り組みをさらに進めています。
毎日 HMH の IT チームは 1 つの目標の達成を目指しています。それは、迎える患者一人ひとりに十分に対応できるよう準備を整えることです。パンデミック下ではこの目標の重要性がさらに増していますが、テクノロジーによってサポートされた最高レベルのスタッフにより、HMH は救命の最前線に立ち続けることができています。IT の問題が理由で患者の来院を断ることや、予約を変更してもらうことはあってはなりません。医療アプリケーションを使用する HMH の臨床医と管理スタッフのために Chrome ブラウザを採用することから始めて、臨床医が治療に専念できる信頼性の高い職場環境を築きました。
ブラウザ環境を改善することから開始
以前使用していたブラウザは遅くて時代遅れで、問題が発生した場合に IT チームが従業員からトラブシューティングを求められることが多くありました。ほとんどの場合、Chrome ブラウザに変更するだけで、問題は生じなくなりました。IT チームは Chrome への変更を指導し続けるうちに、Chrome を HMH の標準ブラウザにしてはどうかと考え始めました。Chrome を使用すると、アプリが瞬時に読み込まれるので、臨床医はより良い患者ケアを提供できます。医療テクノロジーにおいてスピードとパフォーマンスはきわめて重要であり、Chrome によってさらに優位に立てることは明らかでした。実際、Chrome ブラウザを標準化してから、サポートのリクエストは約 25% 減りました。
既定のブラウザとして Chrome を選択することは、簡単に決断できました。HMH はすでにさまざまな形で Google と提携していました。たとえば、数千台もの Chromebook を利用し、Chrome OS を管理機能とセキュリティの要として利用し、Google Workspace を HMH の標準の生産性向上ソリューションとして利用しています。また、従業員は、Chrome OS デバイスで Citrix Workspace を使用して、HMH の電子医療記録システムである Epic など、さまざまなアプリケーションに安全にアクセスできています。すべてがうまく連動した結果、HMH の病院や検査室の医師や看護師は、遅くて使いづらいテクノロジーによる支障や遅延を経験することがなくなりました。
Chrome ブラウザによる統合管理ソリューション
Chrome は、HMH で利用している 60,000 台のデバイスすべてにインストールされています。このように管理対象のブラウザが多いだけでなく、いまだ多くの従業員が自宅で作業していることや、自宅とオフィスの移動中に作業することもあるため、管理はさらに難しくなります。この問題も、Chrome の 2 つのソリューションによって解決できています。
「Chrome ブラウザ クラウド管理」により、きわめて簡単に一元管理を実現し、管理についてあまり心配する必要がなくなりました。HMH は 500 か所で、Chrome ブラウザを使用する 60,000 台のデバイスを利用しているため、デバイスに関係なく各ブラウザを一元管理できることはきわめて大きな利点です。今後さらに多くの Chrome OS デバイスを HMH のネットワークに追加すれば、サポート チケットの件数が現在の半分になることが期待できます。
また、Chrome の「従来のブラウザのサポート」によって、従来のブラウザが必要なアプリの場合でも、HMH の各従業員はアプリに迅速にアクセスできるようになりました。医療業界には、古いブラウザが必要なレガシーアプリがたくさんあります。このようなアプリにとって、「従来のブラウザのサポート」は大きな助けとなっています。HMH の IT チームは複雑な手順を経て複数のブラウザへのアクセスを提供する必要もなく、従業員のユーザー エクスペリエンスを大きく向上させることができています。
ユーザー エクスペリエンスと言えば、Chrome で拡張機能やアドオンを管理する機能が環境を大きく改善しています。今や、ドキュメントへの署名といったタスクを従業員が簡単に利用できるようになったため、時間の節約だけでなく、最終的には提供する患者ケアの向上につながっています。現在、拡張機能については、すべてを自動的にブロックすることで一元管理しており、ユーザーは使用したい拡張機能の承認を IT チームにリクエストする必要があります。まもなく Chrome 内に「拡張機能のリクエスト ワークフロー」を導入し、ユーザーからの拡張機能のリクエスト プロセスをさらに簡素化する予定です。
ゼロトラストはもう一つのゲームチェンジャー
医療機関にとって、移動中のデータの暗号化は不可欠です。Chrome ブラウザにより、内部ネットワークの外からのすべてのログインに多要素認証を使用しています。「開くまで制限される」というゼロトラスト アーキテクチャに対応した Chrome の機能は、HMH にとってもう一つのゲームチェンジャーとなっています。アプリケーションに自由にアクセスしてドキュメントを開くことができない状態を確保できていることは、非公開の医療データを保護する機関にとって大きな意味があります。
パンデミックの初期にセキュリティは大きな悩みの種でした。ほぼすべての従業員が病院の外部からアプリにアクセスする必要があったからです。Chrome により、セキュリティに関する安心だけでなく、生産性の維持に必要なツールへのアクセスも得ることができました。Chrome を使用することで、HMH ネットワーク内、自宅、移動中のいずれで作業する場合でも、シームレスでユビキタスなエクスペリエンスを実現できています。
- Hackensack Meridian Health 上級バイス プレジデント、アソシエイト CIO 兼 CTO Mark Eimer