ジェラルド R. フォード国際空港、ChromeOS を活用してデジタル サイネージの案内を強化
J.J. Swain
IT Manager for Gerald R. Ford International Airport (GRR)
※この投稿は米国時間 2024 年 9 月 5 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。
今回の投稿は、ミシガン州グランドラピッズのジェラルド R. フォード国際空港(GRR)で IT マネージャーを務める J.J. Swain 氏によるものです。同空港は年間 300 万人以上の乗客と、1 日 100 便以上の貨物便に対応しています。GRR は ChromeOS および Art of Context と連携して、空港の広範囲にわたるデジタル サイネージ システムのアップグレードとモダナイズを実現しました。
空港では、正確でアクセスしやすいタイムリーな情報を明確に伝達できるかどうかが、乗客の旅程全体の成否を左右します。ウェイファインディングは、歩道の縁石から始まり、ターミナルの通路、ゲート、手荷物受け取りのターンテーブルまで続きます。ジェラルド R. フォード国際空港では、ChromeOS 搭載のデジタル サイネージと、フライト情報やウェイファインディングを含む空港データシステムの業界リーダーである Art of Context を利用して、乗客の空港利用に必要な情報を提供し、すべての人に正しい道順を案内しています。
トラブルのない OS は空港の標識に最適
旅行者にとって、遅延ほど空港のスムーズな利用を台無しにするものはありません。GRR の IT チームは、空港の運用と乗客の利用に欠かせない、空港全域の業務エリアと公共エリアに設置された 200 台のディスプレイを管理しています。特に 24 時間年中無休で運用しているため、ディスプレイに何も表示されなかったり、情報の表示が遅延したりすることは許されません。
最新のディスプレイと容易な IT 管理を求めて、GRR は空港向けインタラクティブ ソリューションのスペシャリストである Art of Context と提携しました。同社の Airport Display Platform(ADP)は理想的でしたが、GRR の既存ソリューションが問題となりました。中断を伴うソフトウェア アップデートが頻繁に行われていたため、デバイスの利用に支障をきたし、ダウンタイムを発生させ、IT チームに負担をかけていたのです。Art of Context が推奨した ChromeOS への切り替えは、まさに双方にとって有益なものでした。200 台のデバイス フリートをすべて入れ替えるのではなく、ChromeOS Flex を利用して既存のデバイスをシームレスにアップグレードできました。
フリートの半分をすぐに再活用できただけでなく、大幅な費用削減も実現しました。新しいハードウェアを購入した場合と比べて、ChromeOS Flex の導入は 80,000 ドルの節約になりました。ChromeOS Flex のおかげで、大幅なアップグレードを実現し、高額な費用をかけずに信頼性の高い稼働時間を確保できるようになりました。
200 台のディスプレイの一元管理と安全設計
GRR では、ChromeOS と Art of Context の Airport Display Platform に切り替えて以降、IT 部門の作業時間を約 300 時間削減したと推定しています。ChromeOS デバイスと ChromeOS Flex デバイスはすべて Google 管理コンソールに表示されるため、トラブルシューティングを実に簡単に一元管理できます。
安全性を重視した設計の OS でシステムを保護
空港システムのセキュリティは常に懸念事項となっていますが、ChromeOS を利用するようになってからは心配することがずっと減少しました。他のオペレーティング システムより攻撃対象領域がはるかに小さい ChromeOS は防御と管理が容易です。デバイスは、ディスプレイをオフラインにすることなく、バックグラウンドで自動的に更新されます。そのうえ、読み取り専用 OS である ChromeOS は、実行可能ファイルをブロックし、稼働時間に影響するアップデートをサードパーティ アプリケーションが push することを阻止します。ChromeOS がサードパーティのサイバーセキュリティ サービス プロバイダと統合される場合は、サードパーティのソフトウェアを直接利用するのではなく、そのソフトウェアとやり取りするための内部ツールが開発されます。つまり、こうしたサードパーティのサービスが ChromeOS フリートの標準的な運用を妨害することは不可能であり、パッチやアップグレードは確実に適用されるので安心できます。
ChromeOS はバックグラウンドで自動的にアップデートされるため、当空港のデジタル サイネージは遅延なく実行されます。
ジェラルド R. フォード国際空港(GRR)、IT マネージャー J.J. Swain 氏
ChromeOS を利用すると、ディスプレイ表示の中断は最小限に抑えられます。動画やインタラクティブな表示を含むコンテンツが完璧に動作するため、将来のサイネージについて革新的なアイデアが登場しても落ち着いて対応できます。
今こそデジタル サイネージの今後を計画すべきとき
ChromeOS のおかげで、GRR の IT チームは他の業務に時間を割けるようになりました。ChromeOS によりパッチやアップデートについての日常的な懸念事項がなくなったため、よりプロアクティブな調査やアップグレードに取り組む時間が増えました。また、AI 生成したアメリカ手話(ASL)をコンテンツに追加する計画など、乗客の利用体験を高める方法をブレインストーミング時間も増えています。
空港を利用する何千人もの旅行者や従業員はそれぞれ、GRR の案内を頼りにしながら、さまざまな形で旅に関わっています。ChromeOS と Art of Context は、目指す場所に確実にたどり着くことに GRR と旅行者の意識を集中させてくれます。
ー ジェラルド R. フォード国際空港(GRR)、IT マネージャー J.J. Swain 氏