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ビジネス インテリジェンス

Conversational Analytics API を使用して自然言語 AI サービスを活用する方法

2025年7月14日
Vasiya Krishnan

Product Manager, Google Cloud

Ellery Berk

Product Manager, Google Cloud

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※この投稿は米国時間 2025 年 7 月 10 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。

AI を活用して、データから明確で信頼できる回答をますます簡単に得られるようになってきました。Gemini を搭載した Conversational Analytics API のようなインテリジェント ツールを使用すれば、複雑なシステムを使わなくてもインサイトが得られます。

現時点では、Conversational Analytics API を使用して普段使う自然言語で BigQuery や Looker のデータについて質問することができるようになっており、対応するデータソースは今後さらに増える予定です。Slack など、すでにお使いのアプリと API 連携させると、組織全体で高度なビジネス インテリジェンスが可能になります。デベロッパーのお客様は、ビジネスを理解し、必要なときに回答を提供するカスタム データ エージェントを構築することもできます。

現在プレビュー版で提供されているこの API は、非構造化の会話と構造化データを実用的な分析情報に変換し、自然言語でアクセスできるようにします。カスタムデータ エージェントの作成、ビジネス用語のマッピング、計算の定義により、ユーザーとアナリストを支援できます。

Conversational Analytics API のインテリジェントなツールキット

Conversational Analytics API は、Natural Language to Query(NL2Query)や Python コード インタープリタなど、複数の AI 搭載ツールを統合してユーザーのリクエストを処理し、回答を生成します。また、重要な役割を果たすコンテキスト取得ツールも利用して、特定のデータセットに関する詳細を含めることで、API の回答が正確かつ関連性の高いものになるようにしています。

では、その仕組みを簡単に説明しましょう。

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Conversational Analytics API を支えるエンジン

コンテキストの取得: 関連性の高い回答を引き出す鍵

インテリジェントな会話型データ インタラクションを実現するには、コンテキスト取得ツールが欠かせません。BigQuery の場合、このツールは Dataplex からスキーマ情報、列とテーブルの詳細な説明を細部まで取得します。Looker とのやり取りの場合は、LookML モデルにアクセスして、フィールド定義、ラベル、定義されたメジャーを取得します。データの構造、関係、固有のビジネス ロジックを深く正確に理解することは、エージェントがデータ ランドスケープの専門家になるために必須のステップで、この理解があってこそ、確固たる根拠に基づき、関連性が高く、最終的にはビジネスにとって信頼できる回答を提供できるようになります。

NL2Query エンジン: 質問をクエリに変換

Conversational Analytics API の中心にあるのは、BigQuery と Looker の両方のデータソースをサポートするように設計された堅牢な NL2Query エンジンです。このエンジンは、ユーザーが提供した自然言語の質問を、指定されたデータソースに合わせて意味的に同等かつ構文的に正しいクエリに変換します。

たとえば、「注文商品あたりの平均販売額を支払い方法別に教えて」と質問をするとエンジンがこれを処理し、SQL を記述しなくても必要なクエリを生成して実行し、正確な回答を提供してくれます。NL2Query エンジンには、曖昧さの処理や、自然言語入力から利用者の意図を推測する機能が含まれており、探索するデータセット構造への正確なマッピングを可能にしています。

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自然言語をデータクエリに変換する NL2Query

Python コード インタプリタ: 高度な分析を可能に

基本的なクエリ機能に加えて、Conversational Analytics API 内のコード インタープリタ機能は Python を活用して高度な分析タスクを支援しています。複雑な計算や統計分析も Python コードを生成して実行できるので、標準的なクエリ言語では表現できない処理を実行できるようになりました。複雑すぎて SQL だけでは簡単にまたはまったく処理できないようなシナリオにも対応でき、統計モデリングやデータ変換などの高度な分析も Python ライブラリを通じてアクセスできます。しかも、これらはすべて会話型インターフェースを介して行われ、Python コーディングを直接行う必要はありません。

たとえば、「顧客セグメント別の離脱率を計算して、分布を示して」とリクエストすると、コード インタープリタは、この分析を実行して洞察に富んだ分析情報を可視化し、統計を提供するのに必要な Python コードを自動的に生成して実行します。

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コード インタープリタは、Python コードを利用して複雑な計算を行うことで、データ サイエンスを簡素化

現在プレビュー版として提供されているコード インタープリタ ツールのテストにご興味がある場合は、こちらをご覧ください

インテリジェントな可視化エンジンで印象的なデータストーリーに

数値データをただ並べただけでは、意味がとれないことが結構あります。クエリ結果を説得力のある視覚的表現に変換することでこの問題に対処できるのが、Conversational Analytics API に組み込まれた可視化エンジンです。データ可視化プロセスを合理化するこの機能により、データの選択、軸のラベル付け、グラフの種類や色の選択など、手動で設定しなくてもグラフを即座に生成することができ、数値データが視覚的に魅力的で理解しやすい分析情報に変換され、数値だけでは見えないパターンや傾向が浮き彫りになります。

たとえば、「月ごとの注文総数をグラフ化して」とリクエストすると、関連データを可視化して即座に折れ線グラフなどを生成し、すぐに共有や分析に活用できるような形で経時的な販売実績をわかりやすく示します。

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スマートな可視化によりデータを即座にグラフ化できる Gemini の力

データとのインテリジェントな会話を始めましょう

データの複雑さに悩む必要はありません。今すぐデモをリクエストするか、Looker で会話分析を有効にして、データとのチャットを開始しましょう。この API を使用すると、お客様独自のアプリケーションに会話分析を組み込むこともできます。こちらのクイックスタート アプリケーションから、数分でご利用を開始いただけます。

ー Google Cloud、プロダクト マネージャー Vasiya Krishnan

ー Google Cloud、プロダクト マネージャー Ellery Berk

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