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API 管理

API を利用したアプリケーションのイノベーションで優位に立つ

2021年8月5日
Google Cloud Japan Team

※この投稿は米国時間 2021 年 7 月 22 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。

現代のテクノロジーに精通したユーザーは、デジタル ファーストで、接続された、シームレスなビジネス インタラクションを求めています。そしてビジネスは、急速に変化する顧客の期待に応え続けるだけでなく、収益性を維持することも求められています。このバランスをとるには、ビジネスのあらゆる側面において持続可能なイノベーションを活用する必要があります。

迅速なイノベーションを実現するのは簡単ではありません。従来のシステムを管理しなければならない場合、スキルを持ったリソースが不足している場合、ビジネスの運営でサイロが発生している場合は、特に難しくなります。

そこで役立つのが、アプリケーション プログラミング インターフェース(API)です。API を活用することで、アプリケーションのイノベーションを極めて高速に実現できるようになります。API は、デジタル エクスペリエンスの提供を簡単にし、サイロ化された部門とシステムをつなぎ、投資から真のビジネス価値を引き出すための基盤を築く構成要素のようなものです。

API が大規模なアプリのイノベーションに対応するしくみ

API はほんの数行のコードだとお考えかもしれませんが、今日のデジタル時代におけるアプリのイノベーションを促進するにあたり大きな役割を果たします。

この数行のコードにより、開発者は異なるシステムにあるデータと機能にアクセスして、そうしたデジタル アセットをモジュール式構成要素に変えて、企業が新たな挑戦に取り組んだり購入者の購買行動の違う部分をつなぎ合わせたりできるようにします。社内部署間のつながりであれ、社外のタブレット、パソコン、スマート ウォッチなどの無数のデバイス、パートナー事業者、マーケットプレイス、データ分析ツールへのつながりであれ、社外の開発者コミュニティへのつながりであれ、相互に接続しあうことが API が作られた本来の目的です。

再利用と開発者の消費を意識して設計および管理された API ならば、デジタル アセットを組み合わせて、ユーザーのための魅力的で独特でカスタマイズされたエクスペリエンスを作り出すことで、ビジネスの大規模なイノベーションを促進します。例として、接触のない商品受け取り、チャネル間でのポイントの収集と利用、ショッピング行動に基づいた商品のおすすめの取得があります。加えて、API にはさらなるメリットがあります。価値のあるアセットを API としてパッケージにして収益化すれば、店舗で売られている他の商品と同様に販売できます。つまり、特に人気で価値のあるデータやサービスがある場合に、外部者が興味を持ちアクセス権を購入する確率が高いということです。

API プログラムをビルドして拡張するには、Google Cloud の Apigee のような API 管理プラットフォームが鍵となります。API は、ビジネスの最も価値が高い多くのシステムへのアクセス ポイントであるため、アクセスの管理、使用状況の把握、パフォーマンスの維持、セキュリティの継続的な強化が必要です。Apigee は API を 1 か所で管理するので、ライフサイクル全体で API を設計、反復、デプロイ、保護、分析、拡張できます。

ここでご説明するイノベーションは、抽象的なコンセプトではありません。10 年前に登場した、空の雲のように手で触れられない空想上の存在であるかのような印象を受ける「クラウド」という名のテクノロジーが、実際には写真を保存できる場所を提供しているのと同じことです。わかりやすくするため、API を利用したアプリケーションのイノベーションを 3 段階に分けてご説明します。

カスタマイズされたエクスペリエンスを大規模に一貫して提供する

企業の規模を問わず、API を使用すると、カスタマイズされたエクスペリエンスを構築して顧客に提供できるようになります。API ファーストのアーキテクチャにより、開発者がカスタマイズ可能なエクスペリエンスを構築する方法が簡素化されるため、新しい商品やサービスの製品化までの時間を短縮します。コールセンター向けに、顧客のプロフィールに基づいて新商品をおすすめする API を構築した場合を考えてみましょう。この API は当初の目的を満たすだけでなく、モバイル デバイス、アプリ、音声アプリなどの他の場所やテクノロジーにも埋め込み可能です。API により構築の効率性と速度が高まれば、これらのエクスペリエンスもよりカスタマイズされ、調節可能で、一貫したものになります。

強力なデジタル ビジネス エコシステムを構築する

API を社外のパートナーと安全に共有することで、イノベーションの価値を広げる、幅広いエコシステムの戦略が生まれます。第三者が API を利用できるようにすることで、デジタル アセットを活用するイノベーターの数を増やすことができ、社内のみのイノベーションでは開発できなかったかもしれない、新規顧客と新しいユースケースが生まれる可能性があります。同様に、データと機能を第三者の API と組み合わせることで、貴社とパートナーは単独の場合よりも多くの価値を共同で生み出すことができます。たとえばパートナーは、貴社独自のデータに API としてアクセスし、自社の専門知識に合わせてそれを安全に活用できるため、貴社単独では実現できなかった顧客のエクスペリエンスを作り出せるかもしれません。

API を開発者、パートナー、顧客と接続して安全に共有し、さらにはパッケージ化して販売でき、他社との統合を深めながら収益源を成長させることが可能です。API の所有者として誰に何を共有するかを管理できるため、適切なパートナーが自由にデータを利用してイノベーションを起こせるようにしながら、セキュリティを確保できます。

データによりイノベーションを促進する

優れたデジタル エクスペリエンスがユーザーに提供され、API がビジネス エコシステム全体をけん引するようになると、API 管理機能を使用して API の使用状況データを測定および分析し、イノベーションを最適化してサイクル上で何度も反復できるようになります。API では、目的のデータの分析情報をシンプルかつセキュアにサプライヤー、ユーザー、パートナーと共有できるため、イノベーションをさらに強化できます。言い換えれば、API はデータとデータ、データとユーザーをつなげるだけでなく、確立されたデータの集約および分析ツールをビジネスに提供できるということです。データを活用したイノベーションにより、ビジネスにおいてさらに情報に基づいたデータドリブンの意思決定を行い、API とそれによって築かれたつながりから最大限の価値を引き出せるようになります。

これから始める方にうってつけのリソース

あらゆるビジネスがイノベーションに必要な知識とツールをご利用になれるよう、Google Cloud は、API を利用したアプリケーションのイノベーションの 3 つの柱をベースに拡張されたシリーズをリリースします。イノベーションに取り組む準備ができたら、シリーズ最初のアプリケーション イノベーションのウェブセミナーをご覧ください。

-Apigee プロダクト マーケティング マネージャー Manoj Gunti

-Apigee アソシエイト プロダクト マーケティング マネージャー Maria Snaider

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