Enterprise Connect 2024 - コンタクト センターに AI を導入
Google Cloud Japan Team
※この投稿は米国時間 2024 年 3 月 27 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。
コンタクト センターに AI を導入
コンタクト センターを取り巻く状況はこの 18 か月で激変しました。それは少なからず、大規模言語モデル(LLM)と生成 AI が登場したおかげでもあります。私たちの経験では、組織がコンタクト センターで生成 AI を活用すると、仮想エージェントが労力と価値創出までの時間を削減できるため、お客様は求めている回答を迅速に得られるようになります。
しかし、生成 AI をいつどのように適用するかについてよく考えることが重要です。Google Cloud は、洗練された生成機能および決定的な機能を幅広く提供し、各ユースケースに最適なテクノロジーを利用できるようにしています。私たちは、組織が AI を構築、使用し、迅速に導入できるよう、このイノベーションを Google Cloud の CCAI プラットフォーム(CCAI-P)などのエンタープライズ対応プロダクトに取り入れています。他のコンタクト センター プロバイダは大急ぎで AI を自社の技術スタックに統合していますが、CCAI-P は常に Google の画期的な AI 研究を中核にして構築されています。
今週の Enterprise Connect で、私たちは、エンドツーエンドの Contact Center as a Service ソリューションである Google Cloud のコンタクト センター AI プラットフォーム(CCAI-P)が AI 対応のカスタマー サービスのモダナイゼーションを加速する新しい方法を共有し、いくつかの魅力的な新しいプロダクト機能強化を発表します。
研究からエンタープライズ対応までのスピードの向上
CCAI-P によって、Google Cloud は顧客エンゲージメントとエージェントのエクスペリエンス全体に AI を組み込んでいます。Google Cloud を使うことで、革新的な研究からエンタープライズ対応の導入と価値に至るまで、信頼と実績のあるパスが得られます。つまり、最新のブレークスルーからメリットを得るために、さまざまなソリューション プロバイダからのインテグレーションやアップデートを待つ必要がないということです。さらに、それらのブレークスルーは急速なペースで起こっています。過去 1 年間、コンタクト センター AI プラットフォームは、継続的インテグレーションを通じて約 100 の AI 対応機能をリリースしました。つまり、利用可能になるとすぐに、コンタクト センター AI プラットフォームをご利用のお客様がこれらの機能にアクセスできるようになるということです。
カスタマー エクスペリエンスの将来を見据える
CCAI-P は Google Cloud の組み込みのスケーラビリティ、信頼性、セキュリティに基づいています。このクラウドネイティブ アーキテクチャにより、以下が実現します。
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複雑なオンプレミスの設定が不要になる: 迅速なデプロイが可能になり、総所有コストが減少します。
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適応性が確保される: お客様の要求と進化する AI ワークロードに沿ってシームレスにスケールできます。
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機密データが保護される: Google の最も厳格なセキュリティ プロトコルを活用してお客様の情報を保護できます。
クラウド コンタクト センター市場は、サービスの停止とダウンタイムに悩まされています。このことは、多くの組織が従来型のオンプレミス インフラストラクチャに依存し続ける一番の理由です。ダウンタイムが発生すると、1 分につき数千ドルがかかる可能性があります。そこでこのたび、新しいマルチリージョン機能でクロスリージョン フェイルオーバーの提供を開始しました。これにより、ミッション クリティカルな顧客エンゲージメントに対して、ミッション クリティカルな稼働時間、復元力、ビジネスの継続性が確保され、障害復旧準備が整います。マルチリージョン サポートによって、壊滅的なリージョン停止の際に、地理的に分散した Google Cloud のリージョン間でのシームレスなフェイルオーバーを活用し、クラウドの停止によって重要なカスタマー エクスペリエンスに影響が及ばないようにすることができます。
マルチモーダル AI による CX の変革
スマート デバイスの時代には、同様にスマートなコンタクト センター ソリュ―ションが求められます。CCAI-P はマルチモーダル AI を活用して以下を実現します。
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お客様の支援: 視覚的な疑問を迅速に解消するために、お客様が写真、動画、添付ファイルを送信できるようにしてセルフサービスを実現します。
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エージェントの対応の最適化: AI を活用して、視覚的な手がかりと文字による手がかりの両方をリアルタイムで理解することで、コール中に関連性の高い情報を提供します。
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オムニチャネルの流動性の促進: 音声、チャット、WhatsApp などの新しいソーシャル チャネル 間でシームレスな移行を実現することで、カスタマー ジャーニーを容易なものにします。
質の高い AI を使用して、より深いインサイトを得る
品質管理は、優れたカスタマー エクスペリエンスを提供するための重要な要素です。コンタクト センターの運用チームはこれらのツールを使用してパフォーマンスの評価、問題のトラブルシューティングを行い、提供するサービスを継続的に改善しています。しかし、多くの品質保証プロセスは、依然として手作業が多く、費用も時間もかかるものになっています。そのため、お客様との会話のごく一部しか評価されていません。
このたび、Google の新しい品質スコアリングおよびパフォーマンス管理ソリューションである CCAI Quality AI の新しい公開プレビュー版を発表いたします。このソリューションは、Google AI を使用して費用の削減とカスタマー エクスペリエンスの向上を実現するものです。この LLM を活用したソリューションは、以下を提供します。
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AI による品質スコアリング: 主なカスタマー サービス指標に照らして、すべての会話を自動的に評価します。
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エージェントの実用的なインサイト: コーチングのための領域を特定して新たなトピックを発見し、エージェントのパフォーマンスの傾向を分析します。
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包括的なパフォーマンス ダッシュボード: 比類のない精度でコンタクト センターの主な指標と要因を可視化します。
まとめ
会話型 AI および生成 AI におけるイノベーションのペースは加速し続けています。市場で競争上の優位性を獲得するために、できるだけイノベーションのゼロ地点に近づきたいと考えるでしょう。AI の理論的な調査と応用の間のギャップは狭まり、ほぼゼロになりました。CCAI-P は常に Google の AI 研究をコンタクト センター プロダクトに変える最前線に立ち、企業が最新の機能を迅速に導入して競合他社の一歩先を行けるよう支援します。CCAI-P を選べば、組織を AI イノベーションの最前線に位置付けて、将来を見据えた優れたカスタマー エクスペリエンスを提供できます。
CCAI-P の力を体験する
絶好の機会があります。ぜひ、Google Cloud の革新的な AI ソリューションを Enterprise Connect(3 月 25 日~27 日にフロリダ州オーランドで開催予定)のブース #1405 で直接ご覧ください。また、3 月 27 日(水)午前 11 時 45 分(米国東部標準時)の Keynote Fireside Chat もご覧ください。