ドキュメント処理の統合コンソール、Document AI プラットフォームのご紹介
Google Cloud Japan Team
※この投稿は米国時間 2020 年 11 月 5 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。
大規模で複雑なドキュメントからデータを手動で抽出しなければならない企業なら、Google AI の効果が大いに期待できます。ドキュメントを構造化データに変換することで、企業の意思決定のスピードを高め、測定可能なビジネス価値を引き出し、顧客の利便性を向上させるのに役立ちます。
一方、従来は大規模なデータの変換を効率的に行う手段がなかったのが実情です。このため Google Cloud は、ビジネスによる人工知能(AI)と機械学習を使用したこうしたプロセスの自動化を支援しています。今回の記事では、その取り組みの一環として、ドキュメント処理の統合コンソールである新しい Document AI(DocAI)プラットフォームをご紹介します。
今回、DocAI プラットフォームはプレビュー版で利用できるようになり、次のことが可能になります。
データの正確性とコンプライアンスを確保する: すべてのドキュメントを自動化して検証することで、コンプライアンス ワークフローの効率化、推測や憶測による作業の削減、データの正確性とコンプライアンスの確保を実現します。
意思決定の質を向上させる: 非構造化ドキュメントから構造化データを抽出してビジネス アプリケーションとユーザーが利用できるようにすることで、業務効率を高めます。
データを活用して顧客の期待に応える: データから得られる分析情報を活用して顧客の期待に応え、顧客満足度(CSAT)、アドボカシー、ライフタイム バリュー、コストを改善します。
新しい DocAI プラットフォームなら、統合型 API ですべてのパーサー、ツール、ソリューション(Lending DocAI、Procurement DocAI など)にアクセスでき、評価からデプロイまでエンドツーエンドのドキュメント ソリューションが実現します。これにより、手間をかけずにドキュメント処理ワークフローの作成とカスタマイズができるようになります。プラットフォーム上の特別なパーサーは Google Cloud の事前定義された分類法に基づいて構築されているため、追加でデータ マッピングやトレーニングを行う必要がありません。
Google のお客様であるベルギーのフィンテック企業 Unifiedpost では、Procurement DocAI を使用することでデータ キャプチャの精度が 250% 向上し、調達から支払いまでの処理の TCO が最大 60% 削減されました。
新しい DocAI プラットフォームの使用方法
DocAI プラットフォームの仕組みを、すべてのパーサーのメイン選択画面の例と、続いて W9 フォーム(納税者番号要請書)と請求書の 2 つの例を示して説明します。まず、ドキュメント プロセッサを作成します。Form パーサーなどの汎用プロセッサと、分野固有のドキュメントを処理する W9 パーサーなどの特殊プロセッサの、どちらでも使用できます。
作成したプロセッサは、統合ダッシュボードに表示されます。ドキュメントをコンソールに直接アップロードしてプロセッサをテストすることもできます。以下に示す例では、W9 パーサーがドキュメント内の情報(住所、アカウント番号、署名など)を正確に分類したことがわかります。
請求書をアップロードして調達ドキュメント処理を行うこともできます。以下に示す例では、Invoice パーサーがドキュメントからデータ(業者名、請求書発行日、支払期間など)を抽出したことがわかります。
Google Cloud チームは、DocAI プラットフォームに機能を追加することで、主な機能を急速に充実させ、より多くのパーサーに対応できるよう取り組んでいます。特別なパーサーは作成した後に調整が加えられ、業界トップクラスの精度を達成し、ビジネスが機械学習を使ってドキュメントから確実に分析情報を引き出すサポートをします。OCR(光学式文字認識)などの汎用パーサー、Form パーサー、ドキュメント スプリッターは一般公開されています。また、W9、1040(個人所得税申告書)、W2(源泉徴収票)、1099-MISC(雑所得申告書)、1003(住宅ローン申込書)、請求書、領収書といった特別なパーサーへのアクセスをリクエストすることもできます。
次のステップ
ぜひ DocAI プラットフォームをお試しください。プラットフォームの利用開始方法と使い方についての詳細は、ドキュメントをご覧いただくか、Google Cloud セールスチームにお問い合わせください。
-Document AI プロダクト マネージャー Lewis Liu
-プロダクト マーケティング マネージャー Yang Liang