Google サービスでの Model Context Protocol(MCP)のサポートを発表
Michael Bachman
VP/GM, Google Cloud
Anna Berenberg
Engineering Fellow, Google Cloud
※この投稿は米国時間 2025 年 12 月 11 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。
最近リリースされた Gemini 3 は、最先端の推論機能を備え、あらゆることの学習、創造、計画に役立ちます。しかし、AI が真の「エージェント」として、ユーザーに代わって目標を追求し、現実世界の問題を解決するには、知能だけでなく、ツールやデータを確実に操作できる必要があります。
Anthropic の Model Context Protocol(MCP)は、しばしば「AI の USB-C」に例えられ、AI モデルをデータやツールに接続するための共通規格として急速に普及しています。MCP を使用すると、AI アプリケーションで、現実世界の問題を解決するために必要な複雑な複数ステップのタスクを実行できます。しかし、Google の既存のコミュニティ構築サーバーを実装するには、多くの場合、開発者が個々のローカル MCP サーバーを特定、インストール、管理するか、オープンソース ソリューションをデプロイする必要があります。これは開発者にとって負担で、実装が脆弱になることがよくあります。
このたび、Google はフルマネージドのリモート MCP サーバーをリリースいたします。Google の既存の API インフラストラクチャが強化され、MCP をサポートするようになりました。これにより、Google と Google Cloud のすべてのサービスにわたって統一されたレイヤが提供されます。デベロッパーは、Gemini CLI などの AI エージェントや標準の MCP クライアントを、Google サービスと Google Cloud サービスのグローバルな整合性を備えたエンタープライズ対応エンドポイントに、簡単に接続できるようになりました。
重要なのは、Apigee を通じて、この機能をより広範なエンタープライズ スタックに拡張し、組織で特定のデータフローやビジネス ロジックに使用されている専用の API を活用できるようにすることです。お客様は、自社で開発した API と外部のサードパーティ API を、エージェントで検出可能なツールとして公開し、管理できるようになりました。Apigee の発表について詳しくは、こちらをご覧ください。
Google は、すべてのサービスに対する MCP サポートを段階的にリリースします。まずは、以下のサービスが対象です。
1. Google マップ: AI を現実世界にグラウンディング
Google Maps Platform を通じて利用できる Maps Grounding Lite によって、AI エージェントが信頼できる地理空間データに接続され、場所、天気予報、距離や移動時間などの経路の詳細に関する最新情報にアクセスできるようになります。デベロッパーは、ハルシネーションを起こすことなく、現実世界の場所や旅行に関するクエリに正確に回答できるエージェントを構築できます。たとえば、AI アシスタントは Grounding Lite を使用して、「この賃貸物件から最寄りの公園までの距離は?」「今週末のロサンゼルスの天気で何を持っていけばいい?」「ホテルの近くで子連れでも入りやすいレストランを教えて」といった質問に回答できます。
2. BigQuery: エンタープライズ データに関する推論
BigQuery MCP サーバーを使用すると、エージェントでスキーマがネイティブに解釈され、コンテキスト ウィンドウにデータを移動する際のセキュリティ リスクやレイテンシを回避しながら、エンタープライズ データに対するクエリを実行できます。データの位置はそのままに、管理された状態を維持しながら、予測などの BigQuery 機能に直接アクセスできます。
3. Google Compute Engine(GCE): 自律的なインフラストラクチャ管理
このサーバーを使用して、プロビジョニングやサイズ変更などの機能を検出可能なツールとして公開することで、エージェントによるインフラストラクチャ ワークフローの自律的な管理が可能になります。エージェントでは、初期ビルドから、ワークロード需要への動的な適応などの運用段階まで、あらゆることを処理できます。
4. Google Kubernetes Engine(GKE): 自律的なコンテナ運用
GKE MCP サーバーを使用すると、構造化された検出可能なインターフェースが公開され、エージェントで GKE API と Kubernetes API の両方との確実なやり取りが可能になります。これにより、脆弱なテキスト出力を解析したり、複雑な CLI コマンドをつなぎ合わせたりする必要がなくなります。この統合されたサーフェスにより、自律的に運用されるエージェント、または人間参加型のガードレールを使用するエージェントで、問題の診断、障害の修復、費用の最適化が可能になります。
組み込みのセキュリティ機能とオブザーバビリティ
Google は、検出とガバナンスに対する統合されたアプローチで、このエコシステムに秩序をもたらしています。新しい Cloud API レジストリと Apigee API ハブを使用すると、デベロッパーは Google と自社組織それぞれの信頼できる MCP ツールを見つけることができます。Google は、この発見の容易さを厳格な制御と組み合わせています。管理者は、Google Cloud IAM を介してアクセスを管理し、監査ログでオブザーバビリティを確保し、Google Cloud Model Armor を利用して高度なエージェント脅威(間接的なプロンプト インジェクションなど)から防御できます。
「Google がこれほど多様なプロダクトで MCP をサポートし、仕様について緊密に連携することで、より多くのデベロッパーがエージェント AI アプリケーションを構築できるようになります。主要なプラットフォームでの採用が進むにつれて、すでに使用されているツールやサービス全体でシームレスに動作するエージェント AI にますます近づきます。」- Anthropic、MCP 共同作成者兼技術スタッフ メンバー、David Soria Parra 氏
新しい MCP サーバーの動作例を見てみましょう。
小売店に最適な場所を特定するエージェントを想像してみてください。Agent Development Kit(ADK)を使用して、Gemini 3 Pro をバックエンドとする自然言語エージェントを構築できます。このエージェントは、BigQuery に接続して、販売データに基づいて収益を予測するほか、Google マップを参照して、補完的なビジネスを探し、配送ルートを検証します。これらはすべて、標準のマネージド MCP サーバーを介して行われます。


エージェント AI の可能性を最大限に引き出すには、エージェントがコンテナからリレーショナル データベースまで、アプリケーション スタック全体にアクセスできる必要があります。今後数か月以内に、MCP のサポート対象サービスがさらに追加される予定です。
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プロジェクト、コンピューティング、ストレージ: Cloud Run、Cloud Storage、Cloud Resource Manager
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データベースと分析: AlloyDB、Cloud SQL、Spanner、Looker、Pub/Sub、Dataplex Universal Catalog
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セキュリティ: Google Security Operations(SecOps)
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クラウド運用: Cloud Logging、Cloud Monitoring
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Google サービス: Developer Knowledge API、Android Management API
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その他
エージェントの未来を切り拓く鍵
これらの新たに拡張された MCP 機能により、デベロッパーとエージェントが簡単にデータとやり取りしてアクションを実行できるようになります。Google は、最高のモデルを構築するだけでなく、それらのモデルやエージェントが向上する最高のエコシステムを構築することで、AI 革命をリードすることに尽力しています。Agentic AI Foundation の創設メンバーである Google は、オープンソース コミュニティを通じて MCP の進化に貢献し続けます。エージェントを世界につなげる最良の方法を提供することで、開発者が次のステップに集中できるようにしています。
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MCP サーバーの使用を開始する方法については、MCP ドキュメントをご覧ください。
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デモとその完全なコードは、こちらをご覧ください。
-Google Cloud、バイス プレジデント兼ゼネラル マネージャー Michael Bachman
-Google Cloud、エンジニアリング フェロー Anna Berenberg



