Translation Hub に迫る: 企業翻訳を簡単に
Google Cloud Japan Team
※この投稿は米国時間 2022 年 12 月 6 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。
「こんにちは。」、「¡Hola!」、「你好!」、「नमस्ते!」、「Bonjour!」のように、自国の言語で挨拶されると、すぐに笑顔になれますよね。多くの言語に翻訳されることで、そのメッセージがより包括的で力強いものになることを世界中の組織が理解しています。
Google Cloud の Translation AI のプロダクト マネジメント責任者として、Google 翻訳とクラウドのお客様との間で 25 億以上のドキュメントの翻訳に使用されてきた Google Cloud の Document Translation API のような言語ツールに関して、ユーザーの作業をより簡単にすることを常に追求しています。
しかし、翻訳プロダクトに携わる中で、企業ユーザーが、品質のために費用や翻訳スピードを犠牲にしたり、高品質の翻訳にさらに多くの費用を払い、遅い納期や高い費用に折り合いをつけたりして、妥協するのを見てきました。だから、今年初めに立ち上げた Translation Hub の勢いに期待しているのです。組織のローカライズと翻訳の課題に対応し、驚くほど直感的かつシンプルな管理でユーザーを喜ばせるために構築された Translation Hub は、大規模なコンテンツ翻訳を容易にします。ユーザーは翻訳したいファイルを選び、出力言語を選ぶだけですぐに実行できます。
この記事では、Translation Hub のパワフルな機能と、お客様がコンテンツをさらに活用するための方法について、詳しくご紹介します。
企業の翻訳を再構築: 迅速で、無駄がなく、直感的に
Translation Hub は、Google AI を搭載し、企業向けに構築された、フルマネージドのセルフサービス翻訳を提供します。Translation Hub では、直観的なインターフェースで、ワンクリックで即座にコンテンツを 135 言語へ翻訳し、必要な場合には、人間によるレビュー(人間参加型レビュー)も行われます。
Translation Hub は、管理しやすく、使いやすいように設計されています。各組織の Translation Hub 管理者は、Google Cloud コンソールを使用してビジネス ユーザーのオンボーディングや管理が可能です。通常、ビジネス ユーザーのメール アドレスを追加することで、招待がトリガーされます。追加されたビジネス ユーザーは、ログインすると、翻訳依頼やポストエディットのレビューを開始することができます。
Translation Hub の「用語集」や「カスタム翻訳モデル(AutoML Translation)」などの高度な機能により、企業は独自のニーズに合わせて、簡単に用語を管理したり、ドメイン固有のコンテキストを追加したりできます。さらに、Translation Hub は、企業が独自の翻訳メモリを持ち、将来の翻訳で利用したり、人間が検証した豊富なカスタム翻訳モデルのトレーニング データ ソースとして活用したりすることも可能です(例: AutoML Translation)。例えば、ユーザーが Translation Hub でフレーズやセグメントを編集するとき、この内容は直ちに保存され、次回以降、同じコンテンツやセグメントを含む翻訳に着手するすべてのユーザーが使用できます。
Translation Hub で気に入っている機能の一つに、ドキュメントのレイアウトや形式を保存し、時間と費用の両方を節約してくれるというものがあります。Translation Hub は Google ドライブ(ドキュメントのドライブへの取り込み、書き出しが可能)と連動し、すべての Google Workspace コンテンツ ソースと互換性があります(例: スライド、ドキュメントなど)。また、Microsoft Office で作成したドキュメントやプレゼンテーション、スキャンした PDF やネイティブ PDF など一般的に広く使用されている形式の多くに対応しています。
企業は、AI 翻訳の出力を、レビュー用にローカライズ チームや代理店と共有する必要があります。また、用語集やお客様の機械学習(ML)モデルを活用することで、時間を節約する必要があります。さらに、これらの機能をひとつのプラットフォームに落とし込み、どんなビジネス ユーザーに対してもユーザー フレンドリーにする必要があります。これは、いくつかのシナリオで翻訳を自動化できることと、大規模に翻訳ができることの違いです。Google Cloud のミッションは、あらゆる組織のデジタル トランスフォーメーションを促進することです。そして、Translation Hub により、お客様は、翻訳スピード、品質、費用を犠牲にすることなく、コンテンツ翻訳に優れた AI を活用することが可能になります。
Google の翻訳改革のすべてを、ひとつのプロダクトで可能に
Translation Hub は、Google Cloud の Translation API、AutoML Translation、ニューラル機械翻訳の品質予測や翻訳メモリなどのイノベーションを活用しており、すべて Google 社内で使用されているテクノロジーです。たとえば、Google のローカライズ チームは、2021 年以降、Google Cloud AutoML Translation とローカライズの専門知識を利用して、8,000 万ドル以上の費用の回避と削減を実現しています。
「Translation Hub と AutoML 翻訳モデルを使い始めてたった 3 か月で、翻訳されたページ数が 8 倍になり、翻訳費用が 9 割削減されました」と、物質科学会社 Avery Dennison のデジタル イノベーションおよび従業員エクスペリエンス担当リーダーである Murali Nathan 氏は述べています。「数字が示している以上に、Google の企業向け翻訳テクノロジーは従業員のインクルージョンの意識を高めています。Avery Dennison の全従業員がオンデマンドで汎用的な、会社固有の翻訳を利用できます。英語の流暢さは障壁ではなくなり、従業員は母国語で自分の考えを幅広く表現し始めています。」
Translation Hub を開始するには、ソリューション ページをご覧ください。Avery Dennison のユースケースを含む、より詳細な情報については、Google Next ‘22 セッションをご覧ください。
- Head of Product, Translation AI, Mallika Iyer