HSBC、Google Cloud と連携して大規模にスキルを向上
Google Cloud Japan Team
※この投稿は米国時間 2022 年 12 月 17 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。
編集者注: 1865 年創立の HSBC は、世界最大級の銀行および金融サービス組織です。今回の投稿では、HSBC の Google Cloud 担当グローバル責任者である Adrian Phelan 氏に、Google Cloud と連携してクラウドの導入を大規模に推進している様子について説明していただきました。
企業の 90% 近くが、現在デジタルスキルのギャップの影響を受けているか、今後 5 年以内に影響を受けることを予測しています。テクノロジーやビジネスモデルは急速に進化しており、企業は適切な場所で適切なスキルを持つ人材を確保できるよう、多面的なアプローチを導入しています。
HSBC で戦略的な優先事項の一つとなっているのが、大規模なデジタル化です。世の中のデジタル化が進む中、当行はユーザーが望む方法で迅速にサービスを提供したいと考えています。Google Cloud と連携して最初に行ったのが、1,700 を超えるデータ分析、カスタマー エクスペリエンス、サイバーセキュリティ、排出量削減のプロジェクトの実装でした。これらのプロジェクトの展開において大きな部分を占めたのが、適切な方法によるチームのスキル習得でした。
従業員の学習の文化を培う
このアプローチは時間の経過とともに進化してきましたが、その中心となるのが、学習の文化を積極的に浸透させることでした。まずは 2018 年にいくつかの小規模なトレーニング プロジェクトから開始しました。ほどなくして、これに参加したチームは参加しなかったチームよりも優れた成果を迅速に上げていることが明らかになりました。また、参加したチームはより自立的になり、中心となる専門家への依存度が少なくなりました。
このことから、学習プログラムを組織全体に拡大したいと思いましたが、技術スタッフは何万人もいるため、簡単なことではありませんでした。
Google Cloud と連携して行った初期のトレーニング プログラムは非常に好評でしたので、私たちはその後、Google Accelerated Certification Program(GACP)を立ち上げました。これは自己学習、ケース スタディ、実践演習とその後の試験準備ブートキャンプからなる 10 週間のブレンド型学習モデルです。
従業員は、安全な環境で理論を学んで実践できるこの学習モデルで、自信を持つことができました。これまでに 2,000 人がこのトレーニングを受講しており、Google Cloud 認定資格の取得を加速させるのに大いに役立っています。また、この学習プログラムでは他のデジタル資格証明(完了バッジやスキルバッジなど)も提供されるため、参加者は学習意欲を高め、進捗状況を把握することができます。
全社的な知識の構築
この学習の取り組みを開始した当初は、当然ながら IT 関連の役割を持つ人材をターゲットにしていましたが、現在ではビジネス関連の人材のトレーニングに徐々に移行してきています。
当行の目的の一つは、クラウド内に存在する幅広い機能について、どちらかというとテクノロジーに詳しくない従業員を教育することです。IT チームは、「クラウドを使用すれば、これを別の方法でより適切に効率的に行うことができますよ」などと言うことがよくありますが、それを実現するには、ビジネス部門の従業員と緊密に連携して作業する必要があります。そのため、ビジネス部門の従業員がテクノロジーを理解することも同様に重要になります。
この種の革新を可能にするには、「可能性を模索する技術」で組織全体を教育する必要があります。その方法の一つとして当行が行ったのが、1 か月にわたる Cloud Festival の開催でした。これは 3 つの Google Cloud セッションで構成されており、参加した従業員は 1 万人にのぼりました。これは組織全体のビジネスとテクノロジーに携わる従業員が基礎レベルの知識を構築するのに非常に役立ちました。
トレーニング プログラムを継続するにつれて、組織内のクラウドへの関心は高まり続けています。クラウドのテクノロジー、プロセス、作業方法に関連する最新情報を伝えるチャンネルは、現在 8,000 人近くの従業員に視聴されています。
ターゲットを絞ったトレーニングで未来を見据える
トレーニングの開始にあたり、Google Cloud チームは多大なサポートを提供してくれました。常に耳を傾け、テストし、何が最適かを見極める。まさしく共同作成のプロセスだったのです。私たちは、学習の取り組みを前進させ続け、ビジネス部門の要求に耳を傾け、作業のパイプラインは何かを理解し、今後の Google Cloud プロダクトのリリースについて把握できるよう毎週ミーティングを行って、他社に先駆けることができるようにしています。
この一例となるのが、ビジネス リーダー向けに導入したオーダーメイドのトレーニングです。これまでに 250 人のシニア ビジネス リーダーがこのトレーニングを完了しており、非常に好評な結果となりました。このプログラムの参加者は、お客様の期待へのより迅速な対応、市場投入までの時間の短縮、間接費の削減、新たなプロダクト ストリームと継続的なイノベーションを通じた収益の増加に、クラウドがどのように役立つかについて理解が深まったと話しています。このトレーニングでは、クラウドへの移行に適している可能性のあるビジネス活動についても説明しました。
学習とトレーニングに関しては、従業員が自発的に参加するのを見守ることも、積極的に推進することもできるでしょう。当行は、積極的に推進し、これに投資することを選びました。クラウドを大規模に導入しようとしている組織の皆様には、同じ方法を選択することを強くおすすめします。きっとその投資の何倍ものリターンが得られるでしょう。
詳細については Google Cloud のトレーニングと認定資格で、貴社のチームが得られるメリットをご確認ください。